プレスリリース 2009年

当社柏崎刈羽原子力発電所1号機における水位計装配管取替工事に関する調査結果の経済産業省原子力安全・保安院ならびに新潟県への報告について

                             平成21年6月19日
                             東京電力株式会社

 当社は、平成21年2月13日以降、新潟県ならびに経済産業省から当社柏崎刈羽原
子力発電所1号機の原子炉圧力容器計装ノズル(以下、計装ノズル)に関する調査
の指示等*1をいただいたことから、対応を進めてまいりましたが、平成21年6月
16日に調査状況についてお知らせするとともに、経済産業省原子力安全・保安院よ
り本件に関する追加の指示*2を受領いたしました。
                (平成21年3月13日6月16日お知らせ済み)

 このたび当社は、追加の指示を踏まえた調査結果をとりまとめ、本日、経済産業
省原子力安全・保安院ならびに新潟県へ報告いたしましたのでお知らせいたします。

 調査の結果、平成10年に確認されたひびに関する対応については、法令違反はな
く、また、偽装や隠蔽などの事実は確認されませんでした。
 しかしながら、本件については、当社に調査記録が保管されていなかったことは
不適切であり、不具合情報として記録・保管しておくべきであったと考えておりま
す。また、詳細な原因調査等を行っていること、当時使用実績の少ない低炭素ステ
ンレス鋼にひびが発生した事象であったことについて社内外に対して情報共有を行
うとともに、行政当局に対しても情報提供や相談を行うなど、積極的に対応するこ
とが望ましい事象であったものと真摯に反省しております。

 一方、原子力施設安全情報申告調査委員会において、不適合に関する記録、原子
力施設等の安全確保上重要な情報の共有に関するご指摘があり、当社はこれを踏ま
えて、以下のとおり的確に対応していくことといたします。
 ・現状においては、平成14年に判明した点検・補修作業の不適切な取扱いの再発
  防止策として不適合管理プロセスが確立しており、このたびと同様な不適合を
  確認した場合には、国へ報告することとしております。また、軽微な事象であ
  っても不適合管理委員会*3で取り扱いを決め、法令報告の対象ではない事象
  であっても、発電所に常駐する保安検査官へ報告しております。今後も、この
  不適合管理プロセスに従って不適合に関する記録の作成・保存を適切に行い、
  設備保全等に万全を期していくことといたします。
 ・不適合事象については、当社の公表基準に基づき適宜公表しておりますが、必
  要に応じて原子力施設情報公開ライブラリー(「ニューシア」)*4等による
  事業者間の情報共有を図っており、品質・安全のより一層の向上の観点から、
  当時と比べて改善が進んでおります。このたびの事案についても、品質・安全
  の向上に資する有益な情報が含まれていることから、事業者間の情報共有を図
  っていくとともに、原子力安全・保安院において予定されている技術的な評価
  ・検討に対しても積極的に情報提供していきたいと考えております。
 ・また、当社においても、平成14年以降、社内通報制度を整備しておりますが、
  本制度によって得られる情報の中には、このたびの事案のように品質・安全の
  向上に資する内容も含まれることを鑑み、当社社員ならびに協力企業社員へも、
  パートナーシップ委員会*5等を通じて情報共有を図っていくことといたしま
  す。

 当社といたしましては、このたびの事案を踏まえ、今後も引き続き、情報共有や
不適合管理の適切な運用に努め、透明性を確保し、一層の品質向上を目指して取り
組んでまいります。

                                  以 上

<添付資料>
 ・柏崎刈羽原子力発電所1号機 水位計装配管取替工事に関する調査結果について
  (経済産業省原子力安全・保安院への報告書)(PDF 4.44MB)
 ・トラブル等情報窓口に寄せられた情報に関する調査について(報告)
  (新潟県への報告書)(PDF 28.3KB)

*1 調査の指示等
  [新潟県からの調査依頼]
   平成21年2月13日新潟県から当社へ調査依頼
   (新潟県への通報内容)
   ○発生の日時   平成10年1月頃
   ○1号機の原子炉圧力容器計装ノズルにおいて、供用期間中検査で亀裂が見
    つかったが、A社の課長は亀裂がはじめから存在しなかった偽装を決定し、
    B社に隠蔽作業を強要した。
   ○B社は亀裂を削り除去した後で、溶接で肉盛し隠蔽作業を完成した。
   ○営業でなく技術主導で重大事故を隠蔽して、国への報告義務を無視した。
   ○安全に運転できるのか。
   ○原子炉の亀裂を電力会社が隠蔽した問題は、一大社会問題となり運転停止
    となったが、A社主導の本件は隠蔽されたままであり、このままの運転は
    危険ではないのか。
   ○事実かどうかは、問題の個所を調査すれば直判る。
   ○本件については他に東京電力のC氏、A社のD氏が知っている。

  [経済産業省からの指示]
  「柏崎刈羽原子力発電所1号機において平成10年に確認されたき裂に関する報
  告について(指示)            (平成21・03・13原院第3号)
   平成21年3月13日、原子力安全・保安院は、貴社から、平成10年の柏崎刈羽
  原子力発電所第1号機の第10回定期検査において、原子炉圧力容器計装ノズル
  のセーフエンドでき裂が確認され、補修工事を行ったが、その確認されたき裂
  について当時の通商産業省への報告を行わなかった事実を確認した旨の連絡を
  受けました。
   ついては、下記の事項について報告するよう指示します。

                 記

   1.当該ノズルのセーフエンドに係る非破壊検査等による点検や構造健全性
    に関する評価などによる現時点における技術基準適合性の確認結果
   2.当該ノズルのセーフエンドに対する補修等の措置に係る当時の施工状況
   3.平成10年当時の本件に係る不適合管理の状況及びこれまで当院に報告が
    行われなかった理由
   4.当該ノズルのセーフエンドにおいて当時確認されたき裂について、当該
    き裂の種類・形状・大きさ、き裂の発生要因の特性等に関する技術情報や
    技術的評価検討の結果

*2 追加の指示
  「平成10年に東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所第1号機において確認さ
 れたひびに関する報告について(追加指示)」 (平成21・06・16原院第1号)
  原子力安全・保安院(以下「当院」という。)は、平成21年3月13日付け平成
 21・03・13原院第3号をもって、貴社に対し、上記の件に関する報告を指示して
 いるところですが、本日(6月16日)に開催された原子力施設安全情報申告調査
 委員会(第60回会議)において、上記の件に係る事案の調査結果が決定されまし
 た。
  これを踏まえ、当院は、貴社に対し、下記の対応を追加的に指示します。

                 記

   平成21年3月13日付け平成21・03・13原院第3号による当院の指示に基づく
  報告については、別添の原子力施設安全情報申告調査委員会の調査結果を十分
  にしんしゃくした上で、速やかに行うこと。

*3 不適合管理委員会
   発生した不適合を適切に管理することはもとより、是正処置・予防処置を通
   しての「計画、実施、評価、改善」というPDCAを確実に回し、設備や業
   務の安全性及び信頼性を確保・向上することを目的とした社内委員会。(平
   成15年に設置)

*4 原子力施設情報公開ライブラリー(「ニューシア」)
   「有限責任中間法人 日本原子力技術協会」が運営する原子力施設の事故故
   障や、事故故障に至らない軽微な事象の情報、ならびに信頼性に関する情報
   を共有するためのインターネット・ホームページ。

*5 パートナーシップ委員会
   構内で働く社員及び協力企業から寄せられた発電所運営や設備に関する意見
   ・要望を審議し、回答することにより、協働感醸成への寄与と発電所の一層
   の安全性向上と効率的運営に資することを目的とした委員会。

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