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ねらい
学習活動の流れ(1〜2時程度)地球の気温が上昇を続けた場合の様々な影響を考えるとともに、温室効果をもたらす二酸化炭素の増加要因やその排出量削減に向けた対策についてグループで調べ、発表する。 展開
生徒が記入するワークシート「学習課題」例/「地球温暖化や酸性雨のメカニズムを調べよう」 ○:発問(働きかけ)例/△:評価の例/※:教師の留意点 生:生徒用環境学習ブック/別:別冊教師用資料集/◇:教師が準備する教具・資料 発展「地球は暑くなるのか」参考資料平均気温の上昇が地球環境に与える影響IPCC※が2001年12月に発表した第3次報告書によると、2100年までに地球の平均気温は1.4〜5.8℃上昇し、海面水位が9〜88cm上昇すると予測しています。地球の平均気温の上昇、海面水位の上昇がもたらす影響は様々なところに出てくるといわれています。 ■異常気象雨の降る場所が変わり、降雨や乾燥が極端に現れると予測されており、そうした場合、利水や治水の手法を変更する必要が生じます。台風が増加する可能性も指摘されています。最近、異常高温、洪水、干ばつなどのいわゆる異常気象が世界各地で頻発し、これら自然災害の増加と地球温暖化との因果関係が関心を集めています。 ■高潮、洪水被害増加の懸念海面の上昇と気象の極端化は、沿岸地域における洪水、高潮の被害を増加させるおそれがあります。IPCCによれば、仮に海面が40cm上昇した場合、適応策がとられなければ、世界中の高潮被害を受けやすい地域の人口は、年平均で7,500万人から2億人の範囲で増加すると予測しています。 ■健康への影響IPCCによればマラリアとデング熱などの生物媒介性感染症は、それぞれ世界人口の40〜50%に現在影響を及ぼしていますが、その伝染可能性の範囲が増加する事が予測されます。同様に、水系伝染病(下痢など)も洪水増加により伝播する事も懸念されます。また、気温の上昇により熱波の増加が起こり、熱中症や熱射病などが増加すると考えられています。 自然環境への影響IPCCによると、世界全体の平均気温が2℃上昇した場合、地球の全森林の3分の1で、現存する植物種の構成が変化するなどの大きな影響を受けると思われます。これに伴い、微生物や動物を含めた生態系全体が各地で変化するといわれています。 ※IPCC:気候変動に関する政府間パネル。1988年設立。 地球温暖化の原因とは地球の気温は、太陽からくる日射エネルギーと地球が宇宙に向けて出す熱放射とのバランスによって決まります。地球に届く太陽エネルギーのうち約3割は反射されますが、残りは大気と地表面に吸収されて熱に変わります。地球はこの熱を赤外線の形で宇宙に放射していますが、その一部は大気中の温室効果ガスにより吸収され、地表を適度な温度に保っています。温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン、水蒸気などがあります。 近年、温室効果ガスの濃度の高まりとともに、地球平均気温が上昇傾向にあることがわかってきました。温室効果ガスの中でも最も温暖化に影響を与えているのが二酸化炭素で、石油や石炭などの化石燃料の消費が主な原因と考えられています。
緑の惑星・地球の森は深呼吸しているアメリカの気象学者キーリングが、ハワイ島の高山で長年観測をしたところ、空気中の二酸化炭素の濃度が大きく変化していることがわかりました。秋から冬にかけて樹木が葉を落とすと、二酸化炭素の濃度が上昇し、春になり新緑が芽生える頃になると二酸化炭素の濃度が再び下がりはじめ、秋には最低になるという結果がでました。 ハワイ島マウナロア山で観測された二酸化炭素の増加の図が、上下しながら上昇していくのは、そのような理由によるものです。いかに樹木の恩恵を受けているかということがわかる観測結果でもあります。乱開発や過剰伐採などで森林破壊が進んでいる現在、大気への影響が心配されます。
熱帯林の破壊熱帯林は毎年、日本の総面積の約3分の1にあたる12万9千km2ずつ減少しています。この影響で生態系の破壊はもちろん、二酸化炭素の吸収量の減少による地球の温暖化、地表の熱収支や水収支の変化による地球規模の気候の変動、洪水や土砂崩れなどの発生が考えられています。 熱帯林破壊の主な原因は焼畑農業と伐採ですが、人口の増加による新たな定住のための開墾、薪の採集、過剰な放牧などもあります。
気候変動枠組み条約地球温暖化防止のための国際的な取り組みについて枠組みを設定する条約で、通称「地球温暖化防止条約」といい、1994年3月に発効しました。「地球の気候に危険な人為的影響を及ぼさないレベルで安定化させる」ことを条約の目標に掲げ、主な内容は先進国に対する責務として、1990年代末までに二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を1990年レベルに戻すことを各国共通の責務として、温室効果ガスの排出と吸収の目録づくりなどが取り決められました。ただし、条約には温暖化ガスの抑制目標は、強制的なものではなく、その達成を義務づけていないなどの不十分な点もあります。 気候変動枠組み条約締結国会議気候変動枠組み条約の締約国による会議(COP)。第1回会議(COP1:1995年3〜4月、ベルリン)は、同条約で定められていない2000年以降の温暖化防止の取り組みが焦点になり、議論の末、先進国が排出量削減目標値を設定すること、そしてそれは1997年に開催されるCOP3にて決めるということ(「ベルリン・マンデート」)が採択されました。そして第2回会議(COP2:1996年7月、ジュネーブ)を経て、第3回会議(COP3:1997年12月、京都)では、「法的拘束力のある温室効果ガス削減の数値目標を定めた議定書の採択」が最大の焦点となり、最終的に先進国の法的拘束力を持つ削減目標を明記した「京都議定書」が採択されました。先進国全体としては、2008年から2012年の5年間平均で、1990年比で約5%の削減となり、日、米、EUはそれぞれ6,7,8%の削減となっています。また、削減目標達成のための対策として、化石燃料使用削減などの対策に加え、「森林シンク」(森林による二酸化炭素の吸収)や、国際的に協力して二酸化炭素を削減するための「京都メカニズム」(共同実施、クリーン開発メカニズム、排出量取引)の利用が認められました。第4回会議(COP4:1998年11月、ブエノスアイレス)では、COP3で積み残しとなった、京都メカニズムの運用ルールや途上国の参加問題などが主要議題となり、京都メカニズムなどのルールをCOP6までに合意することを目指す「ブエノスアイレス行動計画」が採択されました。第5回会議(COP5:1999年10〜11月、ボン)では、2002年までに京都議定書の発効が重要と多くの国が認識しました。第6回会議(COP6:2000年11月、バーグ)では、京都議定書のルールについて合意を得ることを目的としましたが、吸収源の取り扱いや途上国への支援問題などが絡み、最終的な合意は得られませんでした。その後、第6回再開会議(COP6パート :2001年7月、ボン)において、京都議定書の大枠が政治合意されました(ボン合意)。第7回会議(COP7:2001年10〜11月、マラケシュ)では、京都議定書の運用ルールを法的文書にする作業を中心に、詰めの交渉が行われ、京都議定書の運用ルール、森林シンクの扱いなどで最終的な合意が成立しました(マラケシュ合意)。これを受け、第8回会議(COP8:2002年10〜11月、ニューデリー)では、各国の批准への呼びかけと、主に京都メカニズムなどを実際に動かすための最終調整などについて議論されました。日本は2002年6月に京都議定書の批准を閣議決定しています。京都議定書に関しては、削減目標未達成国に対する罰則の法的拘束力や、米国の離脱などの課題も残されています。第9回会議(COP9:2003年12月、ミラノ)では、先進国が発展途上国で行う植林活動を、先進国の二酸化炭素削減分としてみなす制度の実施内容を合意しました。第10回会議(COP10:2004年12月、ブエノスアイレス)では、条約発効後10年の温暖化防止の取り組みに実質的な進展が見られていることを高く評価しつつ、温暖化対策の緊要性につき認識を共有しました。京都議定書発行後最初の締約国会合となった第11回会議・第1回締約国会合(COP11・COP/MOP1:2005年12月、モントリオール)では、京都議定書の「実施」と「改善」、将来枠組み構築に向けての「創造」の全ての議題について成果を得ることができました。 1997年の京都での「地球温暖化防止国際会議」1997年12月2日から11日まで、京都で「地球温暖化防止国際会議(正式名称:気候変動枠組条約第3回締約国会議)」が開かれました。ここで「2008年から2012年の5年間の平均で温室効果ガスの排出量を、先進国全体で1990年と比べて少なくとも5%(日本、米、EUそれぞれ6、7、8%)削減する」ということが決まりました。
温暖化に対する方策二酸化炭素(CO2)濃度は1800年代初めは280ppmでしたが、現在はおよそ370ppmと増加傾向にあります。これ以上の増加を防ぐためには、世界各国の協力が不可欠です。1988年以降、多くの国際会議が開かれ、1992年の「国連環境開発会議(地球サミット)」では、わが国を含め155か国が「地球温暖化防止条約」に署名、1994年3月に発効しています。 わが国は1990年に「地球温暖化防止行動計画」を策定し、省エネルギーの推進や非化石エネルギーの導入により、二酸化炭素の排出抑制目標を、1人当たりの排出量について2000年以降、おおむね1990年レベルでの安定化を図ることなどを決めています。
酸性雨とは石炭や石油などの化石燃料を燃やしたときに大気中に出る硫黄酸化物や窒素酸化物が、様々な化学変化を繰り返して、硫黄や硝酸に変化します。それが強い酸性を示す雨や霧などとして地上に降ります。pH5.6以下のものを一般的に酸性雨と呼びます。 酸性雨の被害としては、湖や沼などの酸性化により生態系の破壊が進んだり、森林が枯れたり、遺跡や石像などが溶けたり、といった様々な被害が報告されています。 酸性雨は地球規模で起こる工場地帯の煙突から出る煙や火山の噴煙は、空高く上昇し、地球をめぐる西風にのって地球全体へと広がっていきます。この煙から雲ができて雨が降ると、地球規模の酸性雨となります。たとえば、朝鮮半島や中国大陸の工場などから出る煙がもとになって日本に酸性雨や酸性雪が降ることがあります。そのため、酸性雨の問題には地球全体で取り組むことが大切です。
酸性雨による影響■湖沼への影響酸性雨は湖沼のpHを低下させ、湖底から有害な金属を溶出して魚類を死滅させるなど湖沼の生態系を破壊しています。 ■森林への影響森林に降った酸性雨は葉の代謝を妨げたり土壌を酸性化させたりして、樹木の成長をおさえ、枯死させるといわれています。森林被害は酸性雨のみではなく大気汚染物質の作用も考えられています。 ■その他の影響酸によって腐食する大理石や金属建造物、石像・彫刻などの被害、地下水の酸性化などが考えられています。 酸性雨への取り組み■国際的な取り組み酸性雨は気流によって発生源から1,000kmも離れた地点に降ることもあり、国境を越えた国際問題です。このため1979年にヨーロッパ各国を中心に「長距離越境大気汚染条約(ウィーン条約)」が締結され、1985年には硫黄酸化物の排出量削減について「ヘルシンキ議定書」、窒素酸化物の排出量凍結については1988年に「ソフィア議定書」が結ばれました。 また、東アジアでは近年酸性雨は重要な環境問題として浮上してきており、このため酸性雨について、関係各国の共通認識を形成し、人と環境への影響を防止・軽減するための情報収集・提供を目的に、「東アジア酸性雨モニタリングネットワーク」が作られ、2001年から本格的な活動を開始しています(2004年3月末時点で東アジア12ヶ国が参加)。 ■わが国の取り組み環境庁の「酸性雨対策調査」の2002年の報告では、pHの年平均値4.72〜4.90の範囲で、欧米とほぼ同程度の酸性雨が観測されましたが、森林被害などの生態系への影響は明らかになっていません。酸性雨対策は工場での排煙脱硫・脱硝装置の設置、自動車エンジンの改善などもともと厳しく行われており、硫黄酸化物の排出量は米国の約20分の1です。 電気事業の硫黄酸化物、窒素酸化物排出削減対策日本の電気事業は、早くから公害防止と環境の保全に取り組んできました。二酸化炭素削減にもつながる熱効率向上策、LNG(液化天然ガス)の導入などの燃料良質化対策に加え、脱硫・脱硝装置の導入を積極的に行ってきました。その結果、光化学スモッグや酸性雨の原因となるSOx(硫黄酸化物)、NOx(窒素酸化物)、ばいじん対策などの技術と実績は世界的にも高い評価を得ています。 発電電力量1kWh当たりのSOx、NOx排出量を他の先進国6か国と比べてみると、SOxが約16分の1、NOxが約5分の1となっています。
酸性雨のpHの調査方法■市販のパックテストを使用します。雨を採取します。
酸性雨被害を見つけるコンクリートウォッチング電柱には設置年月が記入されているので、それぞれの設置年月の差による影響を知ることができます。
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