エネルギーの安定供給をめぐる現状

石炭や石油、天然ガスなどの「化石燃料」は有限です。
一方で、新興国の経済成長が著しく、世界のエネルギー消費量は増え続けています。再生可能エネルギーの導入も世界中で進んでいますが、再生可能エネルギーだけで安定供給を実現できる状態にはないことが現実です。
エネルギーの安定・安全供給にむけて、日本ではエネルギー資源の問題と常に対峙しています。

日本のエネルギー自給率はわずか5%

日本はエネルギー資源に乏しく、エネルギー自給率はわずか5%にとどまります。先進国の中でも特段輸入依存度が高く、脆弱なエネルギー構造となっています。
つまり国内の資源のみではエネルギーを賄うことができず、海外からエネルギー調達を行わざるを得ない状況にあるのです。

「3E+S」のイメージ図

エネルギーの安定確保が大きな課題

海外からエネルギー資源の調達を行う日本では、他国にも増して安定・安全確保への対応が、国やエネルギー供給にかかわる事業者全体で求められていると言えます。
このため、日本のエネルギー政策では、「3E+S」が基本的視点となっています。これは、「安全確保」(Safety)を前提としたうえで、「エネルギーの安定供給」を第一とし、低コストでのエネルギー供給(「経済性」)と、「環境保全」を図るために、最大限の取り組みをしていく必要があるする考え方です。

課題①:エネルギーの安定供給
~枯渇する天然資源を多元的に調達する必要~

化石燃料の産地の情勢不安

化石燃料は主に、中東地域で産出されています。日本は、「原油」は中東地域からの輸入が約8割を占め、「天然ガス」もおよそ3割程度を中東地域から輸入しています。
ところが、中東地域の情勢は日々不安定さを増し続けており、資源の安定的な調達への不安が高まっています。

エネルギー資源の枯渇

化石燃料の埋蔵量には限りがあります。このまま資源を使い続けると、主要な化石燃料は100年後にはほとんどなくなっている可能性も指摘されています。
技術革新によって燃料使用量を抑制していくことも必要ですが、長期にわたり持続可能な資源調達が課題となっています。

多様な資源を地域に偏りなく調達することが大切

各地域の資源産出量に影響されるものの、日本は、多様な種類の燃料を、多様な地域から偏りなく調達することが課題です。これは、日本のエネルギーの安定供給の構造的な課題のひとつと言えます。
エネルギー供給にかかわる事業者には、燃料上流(資源開発)事業にも果敢に挑戦し、中長期的な資源調達の競争力を高めていくことや、使用する燃料に偏りのない電源構成を目指していくことが求められています。

各地域への調達資源

課題②:経済性
~資源価格の不安定化への対応~

化石燃料の輸送ルート変更によるコスト高騰

化石燃料は海上輸送されますが、近年は海賊・テロ問題のため輸送コストが跳ね上がっています。
日本のシーレーン全体を視野に入れると、シーレーン上の沿岸国間に海洋境界の緊張関係もあり、海賊・武装強盗事案も発生しています。エネルギー供給ネットワークをめぐる状況は安定しているわけではありません。

化石燃料の輸送ルート変更図

世界的なエネルギー需要の高まりによる原油価格の高騰

新興国でのエネルギー需要の高まりから価格が高騰し、限りある資源をめぐる競争は一層激しくなっていくことが予想されています。
エネルギー需要を拡大する新興国は、国営企業による資源開発・調達を積極化しています。こうした資源獲得競争や需要構造の変化は、長期的に資源価格の上昇傾向と、これまで以上に資源価格を乱高下させやすい状況を生み出しています。

資源価格の乱高下を示すグラフ図

課題③:環境保全
~増加する我が国のCO2排出量を低減する必要性~

当社が起こしてしまった福島第一原子力発電所事故以降、日本全体では依然として化石燃料による発電に依存しており、地球温暖化問題への対応も求められています。
当社を含む電力各社では、熱効率の向上や燃料使用量の削減、環境技術の向上などにより、温暖化問題に対応する努力を続けています。
政府は、2030年度までの長期のエネルギー需給を見通したうえで、再生可能エネルギーの導入拡大や、温室効果ガスの排出が少ない原子力発電の割合の増加など、電源構成比率(エネルギーミックス)を提示しています。

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