2017.09.08

シーズンレポート

長い歴史の1ページに、
ちょっとだけ
触れている誇りを胸に。

初めて自分で発注した工事が
完成したときは感動しました。

異常がないかを定期的に確認する保守点検は、電力を安定供給するための重要な作業。
異常がないかを定期的に確認する保守点検は、電力を安定供給するための重要な作業。 異常がないかを定期的に確認する保守点検は、電力を安定供給するための重要な作業。

地図に残るような大きな施設で仕事がしたい。幼いころから、そんな夢を漠然と思い描いていました。ただ、就職先の候補に東京電力は入っていなかったんです。工業高校の土木科で学んだ私に合う仕事は、東京電力にはないだろうなあと思い込んでいたんですね。ところが、土木科の範疇でダムの仕事があることを知り、東京電力を志望して今に至ります。

現在の主な仕事は、ダムや導水路などの土木設備の保守点検です。仕事は現場で覚えていく、というのが私の所属する沼田事業所の方針。入社後に2週間の研修を受けた後に今の職場に配属され、すぐに先輩の後について点検作業に向かいました。本当にまだまだ分からないことが多く、日々勉強中です。そんな中で、最近、初めて自分で発注した工事が完了したんです。完成した現場を見て、ちょっぴり感動しました。先輩の指導を受けながら発注した工事でしたが、仕事に対する自信が少しだけ生まれたように思います。

点検作業や設備の補修を終えたときの
達成感には格別のものがあります。

全面結氷した尾瀬沼。奥に見えるのは日本百名山の燧ヶ岳(ひうちがたけ)。 全面結氷した尾瀬沼。奥に見えるのは日本百名山の燧ヶ岳(ひうちがたけ)。
尾瀬沼にある設備の除雪作業へはヘリコプターを使って移動。 尾瀬沼にある設備の除雪作業へはヘリコプターを使って移動。

ダムや発電所の保守点検で大変なのは、現場に行くまでに相当な時間がかかることです。例えば尾瀬沼にある設備の場合、事務所からクルマで1時間30分、そこから歩いてさらに3時間かかります。当然、日帰りはできないので、尾瀬の山小屋に泊まって3日がかりの作業です。

冬場に設備の除雪に行ったときは、移動こそヘリコプターを使うので時間は短縮されますが、防寒具をはじめ、服装や装備は大がかりなものになります。今は慣れましたが、仕事に就いて間もないころは疲れて体調を崩すことがあり、仕事を覚える前に体調管理を覚えなければと痛感しました。また、ダムの点検作業では安全確保にも気をつかわなければなりません。それだけに、点検作業や設備の補修を終えたときの達成感には格別なものがありますね。

造られてから100年以上経つ
ダムや発電所。先輩たちの
技術力の高さに驚かされます。

昭和6(1931)年に竣工した丸沼ダムは、日本の発電用ダムとして初めて重要文化財に指定された。 昭和6(1931)年に竣工した丸沼ダムは、日本の発電用ダムとして初めて重要文化財に指定された。

保守点検を担当しているダムや発電所には、造られてから100年以上経つものがあり、その中には全国的に珍しいバットレス式の丸沼ダムがあります。資材の少ない時代に、複雑な構造にすることでコンクリート材料を減らしています。先人たちの高い技術と高品質な維持管理によって、今も現役で使われていることに驚かされます。

バットレスダムは遮水する壁を格子状の梁で支える構造で、巨大なワッフルのような外観をしています。日本に現存しているのは丸沼ダムを含めて6基だけ。土木学会の土木遺産と国の重要文化財に指定されていて、ダムファンのあいだではすごく人気があるんですよ。

こうした貴重な設備の維持管理に携わることができるのは、私にとって喜びであり、誇りでもあります。長い歴史の1ページに、ちょっとだけ触れている感じです。まだまだ先輩の指示に従って作業しているので、初めて作業した設備は写真に撮ってポイントを覚えるようにし、2回目の作業に備えています。パソコンに入っている設備の写真は、今ではかなりの数になりました。

尾瀬の風の音に耳を澄まして、
美しい星空を見上げてほしい。

片品村で採れるみずみずしい高原野菜。
尾瀬の澄み切った空気を物語る美しい夜空。 上:片品村で採れるみずみずしい高原野菜。下:尾瀬の澄み切った空気を物語る美しい夜空。

私にとって片品村は、尾瀬沼の施設の保守点検のために訪れる仕事の現場であり、同時に、楽しい思い出の場所でもあります。子どものころからスノーボードが趣味で、雪質の良い丸沼高原スキー場には何度も通っているんです。

そうそう、片品村の高原野菜を食べたときはびっくりしました。野菜の直売場で先輩から勧められてキャベツを試食したのですが、それまでに味わったことのない甘さで。忘れられない片品村の味ですね。それから、山小屋で見た星空も感動的でした。尾瀬の風の音に耳を澄まして、ぜひ夜空を見上げてください。空気もきれいですから、いっぱい深呼吸をして…。今は仕事で片品村を訪ねることがほとんどなので難しいですが、きれいな水や空気、おいしい高原野菜をゆっくりと楽しみたいですね。

新井拓海

新井拓海

平成9(1997)年生まれ。東京電力ホールディングス株式会社リニューアブルパワー・カンパニー 沼田事業所 土木保守グループ所属。職場の先輩やほかの職場の同期とのコミュニケーションを、仕事上の課題解決や改善に役立てているそう。

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