テクノロジーの進歩により、EVが人々にもたらす価値にも新たな進化の兆候が見え始めています。
クリーン(省CO2)な移動をするための手段としてはもちろんのこと、
クルマとともに過ごす時間がさらに便利で楽しくなるようなEVの可能性に期待が高まっています。
エネルギーのことを考えた時にも、これからのEVの進化には、
私たちがより小さなエネルギーで、より豊かに暮らせるような未来が詰まっています。
ここでは、そんなEVの現在と未来が
私たちの暮らしや社会にもたらすものをテーマに情報をお届けします。

※タイトル中・文章中の「EV」とは、EV・PHV・PHEVなど電動車両全般を意味します。

1.エコロジー

エネルギーを賢く使うEVと家の関係

EVの動力源である電気は多様性のあるエネルギー

日本のエネルギーの大半は、限りある資源である化石燃料からつくられています。最も消費が多いエネルギー源は石油であり、なかでも自動車に使われる割合は4割を占めています。

国内の一次エネルギー供給構成(2014年度)

出典:資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」をもとに作成

国内の石油の用途(2014年度)

出典:石油連盟「今日の石油産業データ集」をもとに作成

EVの動力源である電気は、燃料を使って発電する火力発電などのほか「なくならない資源」であるさまざまな自然の恵み、すなわち再生可能エネルギーからも生み出せるという特徴があります。再生可能エネルギーは太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの資源が多様であるという長所の一方で、日々の気象変化などによって発電量が大きく変動するため、電気の使い方を上手にコントロールすることや、発電した時にしか使えない電気を「貯めておく」ための蓄電池の役割が大切です。EVは、そうした多様性のある電気エネルギーを、蓄電池に貯めて走ることができるクルマなのです。

蓄電(EV)+蓄熱(エコキュート)を使って、
上手に再生可能エネルギーを貯める

家庭で再生可能エネルギーを貯めて上手に活用する方法としては、「蓄電」と「蓄熱」がポイントになります。EVと太陽光発電のある家庭の場合、「蓄電」の一番簡単な方法としては、太陽光発電量の多い時間帯にEVを充電しておくことが挙げられます。そうすることより、太陽由来のクリーンな電気エネルギーを利用した走行が可能になります。また、機器(EV用のパワーコンディショナー)を設置すれば、EVに搭載された大容量バッテリーを住宅用の蓄電装置として利用することも可能になります。また、機器を介して家とクルマが双方向で充電・給電を行うV2H(Vehicle to Home)は、太陽光発電の電気を暮らし方に合わせて安定的に使うことのできる方法のひとつなのです。
家庭で太陽由来のエネルギーを貯めるもうひとつの方法としては、ヒートポンプを活用した「蓄熱」です。エコキュートは夜間蓄熱式のヒートポンプ給湯機で、空気の熱を利用してタンクにお湯を貯めることができます。「蓄電」と「蓄熱」は、自然のエネルギーを活用してつくられる電気や熱を貯めておき、必要な時に無駄なく使うことのできる効率的なしくみなのです。

エネルギーの供給側と需要側、車の両輪として脱炭素化に成功すると...

エネルギーの供給者とエネルギーの需要者において、再生可能エネルギーを活用しながら脱炭素化と省エネが大きく進んだ場合、日本政府が温暖化対策の長期目標に掲げる2050年度において、どのくらいのCO2が削減できるのでしょうか。ひとつのモデルケース試算としては、2050年度には2013年度比でCO2排出量を最大で75%まで削減できる余地があるという分析があります(東京電力ホールディングス株式会社経営技術戦略研究所試算)。エネルギーの需要者側での電化比率を「現在の最終エネルギー消費における電力と非電力(化石燃料)の比率」で試算したケースでは、2050年のCO2排出量は約6億トンとなり2013年度に比べて50%程度の削減です。しかし、さらなる取り組みとして、電気だけでなく石油・ガス等の化石燃料の省CO2化の対策に加えて、将来を見通すことができるイノベーション技術(例えば運輸分野でのガソリン車に代わるEVの普及、熱需要での燃焼式給湯器に代わるヒートポンプ給湯機の普及など)を最大限に織り込むと、より一層のCO2排出量削減も不可能ではありません。
すでに省エネが進んでいる日本では、車両を含めた「社会のあらゆる部分における電化」の進展の先に、脱炭素化への大きなポテンシャルが考えられるのです。

出典:東京電力ホールディングス(株)
経営技術戦略研究所

2.安心・安全

安心・安全なコミュニティをつくるEVと街の関係

度重なる災害を乗り越え、サスティナブルな街を目指す日本

日本は度重なる災害と向き合ってきました。そのたびに、それぞれの地域はその土地にふさわしい新しい技術やしくみを取り入れ、サスティナブルな街を目指して強くなってきました。その地に暮らす人々のつながりや大切な文化風土を継承していくために、現在、まちづくりにおいては、災害発生時にも致命的な被害を回避する自律的な強さと、速やかに回復するしなやかさをもつ社会システムの構築が進められています。

いざという時に支え合える街にするため、EVが活用されている

大規模災害の発生時、ガスや水道やガソリンスタンドなどのインフラの復旧には時間がかかりますが、電気のインフラについては復旧が比較的早いという面があります。大震災の発生直後においても電気の復旧は他のライフラインと比較して短期間であったことから、ガソリン入手が困難な状況下で電気を動力源とするEVが避難所間の移動手段として使われました。
2016年4月の熊本地震においても復旧支援のためにEVが緊急配備される動きがありました。EVの中には、車内のコンセントから最大1500Wの電力を使うことが可能なクルマがあり、災害発生後の行動の手助けとなる「情報機器」や「照明」などの電源を供給することができるのです。
最近の街づくりにおいても、災害復旧までの“生きるエネルギー”の源となる電気のエネルギーを絶やさないことを考慮して、非常時のライフラインを街の中に備える手段としてEVが活用され始めています。

いつもはエコロジーな移動手段、非常時には共用電源にもなるEV

例えば、集会所に太陽光発電とEVを配備すれば、停電の際にも自立して運用のできる「街の共用非常用電源」を確保することが可能となります。集会所はいざという時に、暮らしを復旧するまでのステーションになりますし、普段のEVは共用のエコロジーな移動手段として利用できます。
電気のモビリティは、1〜2人乗りの小回りのよい超小型電気自動車から大型の乗用車まで多様な形があり、コンセントさえ設置すればどこでも充電できるという長所があります。安心できるコミュニティの装置として、便利な移動の手段として、EVはそれぞれの街のニーズに合わせた課題解決が可能です。

参考写真提供:Fujisawa SST協議会

参考写真提供:Fujisawa SST協議会

3.快適・便利

クルマがネットワークにつながることで変わるEVと人の関係

さまざまな社会問題の解決に貢献する自動運転

EVはネットワークと常時つながることで、利便性が高められてきました。例えば、電力消費など車の状態を知らせたり、走行ルート周辺の充電スポットを案内したり、携帯電話からの遠隔操作で充電のタイマー設定や車内空調のオンオフを指示するなど、クルマ生活をサポートするためにさまざまな機能の向上が進んでいます。
そして現在、クルマ自らがセンサーで認識した情報に加え、道路や他のクルマと通信して得られる情報をもとにAI(人工知能)の判断力でドライバーのサポートを行う技術、すなわち自動運転の技術の進化に大きな注目が集まっています。自動運転は長時間の走行時や渋滞などの低速走行時において、アクセル、ブレーキ、ステアリングのすべてを自動的に制御し、ドライバーの負担を軽減します。
自動運転の実現は、国策のひとつとなっており、その目的には、道路交通問題の解決と道路利用の利便性向上が挙げられています。自動運転のシステムが人の代わりにスムーズな運転をすることで、交通渋滞の緩和や交通事故の削減が期待されています。渋滞が緩和できればCO2削減にもつながります。また自動運転は、ドライバーがリラックスできる移動時間を生むだけではありません。日常の移動手段に課題を抱えていた高齢者、通院患者、過疎地における買物弱者などの移動を支援するモビリティとしての色々なサービスの広がりも考えられます。
クルマに乗るだけで、安全に自動で目的地まで連れて行ってくれる。そんな便利な自動運転を実現するには、IoT(Internet of Things )を駆使した画像認識技術の向上やインフラ整備、法整備なども必要で、まだ時間がかかるようです。しかしそうした課題が解決され、必要な情報がリアルタイムでクルマに収集され、暮らしにおける情報端末としても機能するようになれば、クルマがまさに動くリビングルームのような空間となることも夢ではありません。ドライバーを含めた乗員全員で、目的地に到着するまでの時間をもっと楽しく有効に過ごすこともできるでしょう。

AI搭載車参考写真:CES2017 TOYOTA展示コンセプトカー

AI搭載車参考写真:CES2017 TOYOTA展示コンセプトカー

EVとともに、さらなる進化を続ける自動運転

EVに使われる電気モーターには「加速発進時や低速走行時における高精度な制御が得意」という特徴があります。レスポンスがよく、滑らかに細やかに車両を動かすことができるため、エンジン走行よりも電動式のモーター走行の方が自動運転との親和性が高いと言われています。例えば、自動運転がもたらす大きな効果のひとつである「交通渋滞の緩和」においても、問題解決にEVの強みが発揮されることが期待されています。渋滞が起こる一因は、前後のクルマ間での速度の調和の乱れや間隔の開きによって全体の運行の流れに相対して速度が低下してしまうことと言われています。従って渋滞緩和に効果的な対策は、車間距離が短いながらもクルマ同士がぶつからないように、お互い加速・減速するタイミングを一致させることが挙げられています。こうした綿密な制御の必要性を考えると、EVは自動運転に適していると言えるのです。
また、渋滞の速度低下で排気ガス量が増えるガソリン走行からクリーンな電動走行に代わると、自動運転による環境負荷軽減をさらに効果の大きいものにできる可能性があります。EVに高度化した情報ネットワークと自動運転の機能が搭載される頃には、安全性の向上はもちろん、EVがネットワークの情報を利用して電気も上手に活用できるような、クリーンでより便利なクルマ社会がきっと実現することでしょう。

電気の強みを活かした未来のクルマ社会

スマートな選択

EVは、エコロジー&エコノミーな暮らしのパートナー

ガソリン車とは全く異なる魅力を持つEV

地球温暖化問題やエネルギー問題を背景に、CO2排出量を削減できるエネルギー効率の良いEVへの期待が高まっています。
現在主流のガソリン車よりも長い歴史を持つEVは、エネルギー効率がガソリン車より優れていることから100年以上前から理想的なクルマと考えられていました。しかし当時のバッテリーは電気を蓄える能力(エネルギー密度)が低く、1回の充電では長距離が走れないことが普及の妨げになりました。昨今では、リチウムイオンなどの高性能電池の開発や電池の大容量化、下り坂や減速する時にタイヤの回転で発電してバッテリーに充電するエネルギー回収機能の発達などにより、航続距離が格段に伸びています。日本全国には充電スポットも整備され、遠距離ドライブも気軽に楽しむことができるようになりました。
電動での走行は、エンジンのような燃料の燃焼がないため、走行中の振動・騒音が小さく、静かで快適な乗り心地です。また、パワフルな加速発進や、床下へのバッテリー配置により重心が低くなるため、コーナリング時にはスポーツカーのような安定感があることなど、走る楽しさがあります。
そして、燃料の代わりに自宅で簡単に電力補給ができる便利さも、乗ってすぐに実感できるEVの魅力です。

暮らしと社会にメリットをもたらすEV

EVが暮らしにもたらす大きなメリットのひとつは、ランニングコストがガソリン車と比較して安く、経済的であるということ。電動モーターでの駆動はガソリンをエンジンで燃焼させるよりもエネルギー効率が高く、自宅で充電する電気代はガソリン代よりも経済的で、例えば100円で走行できる距離を考えた時、夜間が割安になる料金メニューの電力を使って充電した場合には、EV走行できる距離はガソリン車の約3倍にもなります。
また、社会にもたらすメリットとして走行中のCO2が削減できることから、低炭素社会の実現に向けて先進的な取り組みを行う世界の国々でEVに対する期待が高まっています。もしも、太陽光発電設備がある家であれば、発電量が多い日の昼間に充電するだけでもより環境にやさしい走行をすることができるのです。
電動車両には、電気のみで走行する環境性・経済性に優れるEV(電気自動車)、モーターとエンジンを効率的に使い分けながら走行し航続距離の制約が少ないPHV(プラグインハイブリッド車)・PHEV(プラグインハイブリッド電気自動車)などがあり、それぞれのご家庭のニーズに合わせて選べるよう車両のバリエーションは年々増えています。さまざまな電動車両に合わせて提供開始した当社のサービス「eチャージポイント」もぜひチェックしてみてください。

計算条件
〈ガソリン車条件〉
  • ◎燃費:21.9km/L 国土交通省 自動車燃費一覧「ガソリン乗用車のJC08モード燃費平均値の推移」(2016年4月)
  • ◎ガソリン単価:143.0 円/L 一般財団法人 日本エネルギー経済研究所 石油情報センター2019年9月11日調査分 レギュラーガソリン 関東局
〈電気自動車条件〉
  • ◎電費(交流電力量消費率):114Wh/km(JC08モード 日産リーフ 主要諸元)
  • ◎電力量料金単価(通常料金):30.57円/kWh スタンダードSの第3段階料金
  • ◎電力量料金単価(夜間料金):17.78円/kWh スマートライフSの夜間時間料金

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