 |
 |
| 竹内 |
尾瀬は、平成17年にラムサール条約に登録されました。以前から法的にもしっかり保護されていたこともあって、登録による具体的変化は特にはなかったのですが、こうした条約の意義をどうお考えになりますか。 |
 |
| 樋口 |
ラムサール条約は水鳥を中心に考えていますが、自然はつながっていて、その保護には国際協力が不可欠だと認識するよいきっかけだと思います。尾瀬は、渡り鳥たちの重要な越冬地や渡りの中継地でもありますから、乾燥化したり荒廃してしまうと、渡り鳥にとっても大変大きな問題です。 |
 |
| 竹内 |
尾瀬も温暖化の影響で乾燥化しているのでは、とご心配いただくことも多いんですよ。ただ、周囲の山から土砂が流入して湿原が草原になっていくのも自然の流れとしてありえますし、どこまでが自然の変化で、どこからが人間社会の影響かは判断が難しい。たしかに雪の減少など気になる変化はあるのですが……。 |
 |
| 樋口 |
鳥は人間よりも敏感に環境の変化を感じとります。たとえばヒバリやムクドリは湿地より乾燥した場所を好む鳥で、昔はいなかったのに、乾燥化が進むなかで尾瀬でも見られるようになっているんじゃないかと思います。 |
 |
| 竹内 |
環境の変化を伝えてくれているんですね。鳥からのメッセージをこちらも敏感に感知しなければいけませんね。
ところで最近は鳥インフルエンザなどの問題で、鳥が悪役のようにいわれることもありますよね。先生にとっては残念な状況ではないですか?
|
 |
| 樋口 |
鳥インフルエンザに関しては誤解されている部分が多く、複雑な思いがあります。野生の鳥が伝播にどう関わっているかは、実はまだよくわかっていないんです。 |
 |
| 竹内 |
世界の自然をつなぐ大変な役割を果たしてくれているが故に、そうした宿命も背負っているのかもしれませんね。身近な鳥たちが、素晴らしい能力をもっていて、大事な役割を果たしてくれているということが、今日やっとわかりました。 |
| 樋口 |
自然は、漫然と見ているだけでは、ありがたみが感じられません。でも、そこにいる鳥が何千キロも旅してこの場所に来てくれたことを知ると、感激しますよね。自然の仕組みやそこに棲む生き物の暮らしを知ることが、私たちの意識を変え、自然をまもる活動につながる。だから、尾瀬の魅力や自然の楽しみ方を伝えてくれるこうした企画には大賛成です。 |
| 竹内 |
ありがとうございます! 今日はマンツーマンの「世界一贅沢な授業」をありがとうございました(笑)。 |
 |