RESPONSIBILITY 01 / FUKUSHIMA

責任編

福島復興への取り組み

福島第一原子力発電所での原子力事故後、東京電力は福島復興本社を設立し、
福島の復興のための活動に取り組んでいる。
この取り組みが「廃炉」への取り組みと共に車の両輪となって、福島復興の原動力となることを信じて…

福島復興本社では、「復興推進活動」として、1日も早い福島復興の実現に向け、
一時帰宅の際の線量測定や家屋の清掃・除草などを行っている。
また、「除染推進活動」として、除染という前例のない仕事に対し、
線量測定・線量分析技術の提供や、社員による除染作業などを通じて
国や自治体が実施する除染活動をサポートしている。

この取り組みは、福島復興本社の社員だけでなく、
普段は関東圏で働く社員が交代で、年間延べ10万人を目標に
「復興推進活動」などに参加する「10万人派遣プロジェクト」によって支えられている。
社員一人ひとりが被災現場や避難場所に足を運び被災者の方々の想いを真摯に受け止め、
自分に何ができるか考えること、これが今の東京電力の社員には求められている。

首藤 英俊
首藤 英俊
1990年入社
福島復興本社 復興推進室 派遣調整グループマネージャー(2016年7月より東京電力パワーグリッド武蔵野支社に所属)
黒川 雄太郎
黒川 雄太郎
1999年入社
福島復興本社 復興推進室 大熊町グループ(2015年11月より福島復興本社 復興調整部に所属)
深野 かおり
深野 かおり
1997年入社
福島復興本社 復興推進室 南相馬市グループ(2015年7月より福島復興本社 復興調整部に所属)
伊藤 圭
伊藤 圭
1994年入社
福島復興本社 除染推進室 除染企画グループマネージャー

01 Responsibility

それぞれが迎えた3.11。福島復興への責任と決意。

その日、福島第一原子力発電所で広報を担当していた深野は、正門付近を車で走行中に大きな揺れを感じた。免震重要棟に設置された緊急対策室には騒然とした空気が漂っていた。東京で社内研修の講師をしていた首藤は、参加者約70名の安全の確保に集中した。埼玉県草加市で料金業務を担当していた黒川は、各家庭を回っている検針スタッフ全員の無事を確認した。川崎の研究所で研究に没頭していた伊藤は、耐震構造の建物が大きくしなるのを感じた。全員がしばらくして東北が震源の巨大地震だったことを知る。2013年1月、福島復興本社が設立。別々の場所にいた彼らは、自分たちだからできること、自分たちにしかできないことを必死で探り、実践しながら福島復興のミッションに立ち向かっていくこととなった。

Responsibility
Responsibility

02 Responsibility

多い日には1日に400名を超える社員が福島に入る、自治体の要請に基づく復興推進活動がスタート。

福島復興に向けた「復興推進活動」では、国や自治体、住民の方からのご意見・ご要請に基づき、東京電力の社員が現場に赴き、被災地の方々が1日も早く住み慣れた街に帰還できるよう、自宅進入路の除草、屋内清掃、墓地清掃、仮設住宅の雪下ろし、神社の清掃、除染活動への技術協力などを行っている。現在では毎日約200~400名の社員が福島に入り2~3泊し、各自治体での復興活動にあたっている。「事故後、社員たちは非常に複雑な気持ちを抱えました。多くの仲間が去ったり、家族が批判にさらされたり、仕事に対しての誇りを失いかけた方もいました。福島の状況を見て、被災地で汗を流すことで、気持ちの整理もついてくるのだと思います。」(首藤)

03 Responsibility

各事業所からの復興推進活動への参加者が、滞りなく、安全に作業にあたれる手配をする。

派遣調整グループは、各自治体の窓口となるグループからの要請に応じて、各活動に必要な人数を集約し、関東の各事業所に派遣要請をかける。また、交通手段、宿泊施設の確保はもちろん、現場での活動に際しての事前レクチャーをJヴィレッジで行うのもこのグループの役割になる。現在では社内システムを使ってエントリーができるようになっており、活動に参加したい意志を上長に伝えれば誰でも参加することができる。中には何度も参加している社員もいる。震災当初は1日で多くても50名程度の受け入れだったが、今では200〜400名の社員を受け入れている。そのため、数人だった事務局も今は20人以上にまで増員された。2013年1月の復興本社設立以降、復興推進活動への参加人数は34万人に達している(2017年3月末現在)。

Responsibility
Responsibility

04 Responsibility

住民の方、自治体の方からの厳しいご意見にも最後まで耳を傾ける。

復興推進室は自治体ごとにグループが分かれ、社員が自分の担当する自治体の窓口になり、福島復興本社とのパイプ役を務める。ここで集められた情報をベースに復興推進活動は動いている。「なぜ避難しないといけないのか!」「なぜ家に帰ったらいけないのか!」震災直後の被災地の現場では、暮らしの基盤を原子力事故により奪われた方々のやり場のない怒りにひたすら頭を下げる社員の姿が至る所で見られた。「100%満足いただけることはきっとできない。でも自分たちにできることで、お役に立てることはすべてやるつもりです」。(深野)家を、畑を、当たり前の毎日を奪われた方々にできることは、真剣に汗を流すほかない。うわべだけの行動は現場ではまったく通用しない。ただ、最近では復興推進活動に参加した社員に対し「ありがとう」という感謝の言葉を頂戴する機会も増えてきた。このような体験を通じて、福島の現場で真剣に汗を流すことが復興や信頼の回復につながることと確信し、積極的に本活動に取り組む社員が数多く存在する。

05 Responsibility

除染という前例のない仕事を、人員、技術協力でサポートする。

東京電力は、事故直後から除染活動の技術的な支援をスタートしている。除染推進室では、除染に関する情報を国内外から収集し、除染に関する課題を先取りしながら当社の活動方針を策定し、国や自治体の除染関連活動への協力を実施している。具体的には、国や自治体の除染工事の発注作業や工事監理業務、各種モニタリング(定点・歩行・自動車走行等による放射線測定等)作業、除染推進室所属の社員による除染作業がメインになる。「最初はあまりの除染範囲の広さに茫然としました。でも、放射性物質による汚染は、日々の活動により徐々に、しかし、着実に軽減しています。これまでに11市町村中9市町村の避難指示が解除されました(2017年4月末現在)。」(伊藤)それでも自宅に戻ることが出来た方はまだわずか。長い道のりになるが、最後までやりきるという強い意志がそこにはあった。

Responsibility
Responsibility

06 Responsibility

福島の復興なくして、東京電力の改革、再生はあり得ない。

「引き続き福島が置かれている現実や復興の進捗を多くの社員に見てもらい、一緒に額に汗しながら、全社員と福島への想いを共有していきたい」。2016年からは電力が全面自由化されエネルギー業界の競争は激化する。信用を大きく損ねてしまった東京電力の再生においては、福島の復興は絶対に成し遂げなければならない最重要ミッションだ。復興推進活動では自治体や住民の方との信頼関係を築いていくこと、除染活動では受け身になるのではなく、積極的に国や地方自治体に提案をしていくスタンスが求められる。「今、このタイミングで当社を志望するのは非常に勇気がいると思う。それでも一緒に日本の未来をつくる意志のある人と挑みたい。」(黒川)福島復興への責任を果たすための東京電力の活動はこの先も受け継がれていく。

責任編
挑戦編