CHALLENGING 03 / NEW BUSINESS & OVERSEAS EXPANSION

挑戦編

新規事業立ち上げ&海外進出プロジェクト

いま、メディアから東京電力パワーグリッド(PG)の
新しい取り組みに関するニュースが続々と発信されている。
これまで構想段階だったプロジェクトが実際に形になって動いているだけではなく、
新たな領域への取り組みも増えているのだ。
ここでは、新たな未来を拓くために挑戦している彼らの姿と
なぜ、PGがこのような取り組みを行っているのかその背景に迫った。

木島 光駿
木島 光駿
2007年入社
株式会社エナジーゲートウェイ
ビジネス開発部
兼 システム開発部
三好 洋行
三好 洋行
2009年入社
東京電力パワーグリッド株式会社
海外事業推進室 海外戦略グループ
兼 海外事業推進グループ
川口 俊
川口 俊
2011年入社
東京電力パワーグリッド株式会社
事業開発室 事業戦略グループ

01 Challenging

電気技術×AI技術を組み合わせた新たな価値を創出する会社が誕生。

2018年2月、IoTプラットフォームサービスを提供する新会社が立ち上がった。「株式会社エナジーゲートウェイ」である。分電盤に取り付けたセンサーによって住宅内の電気使用状況の情報を収集し、AIを使って分析することで生活の質の向上を実現する様々なサービスに応用できる画期的な技術を開発。実証実験を経て、いよいよビジネス化に乗り出した。東京電力パワーグリッドの事業開発室でこの新事業に取り組んでいた木島は、2018年の事業会社設立とともに同社へ出向。現在は営業、サービス企画、システム開発など幅広い業務を担当している。「私たちの持つコアな技術は、1つのセンサーで電気の使用状況を家電ごとに分解できること。どの家電が、いつ、どれくらい使われているのかが分かることで、あらゆるサービスに応用できるのです。一つサービスの具体例をあげると“省エネ”。家電毎の使用状況が見えることで、ご家庭における最適な節電方法や非効率家電の買い替え提案が実現でき、利用者の大幅なコスト削減が可能となります」。

Challenging
Challenging

02 Challenging

我々のIoTプラットフォームを人々の生活を支える社会基盤に。

この技術のポテンシャルには、非常に大きな可能性が秘められている。「例えば電子レンジが頻繁に稼働しているご家庭にはお弁当のクーポンや配食サービスのご案内をお送りするなど、各家庭のライフスタイルに寄り添った生活支援サービスをご提案できます。また、一人暮らしの高齢者やお子さんの見守りサービスや、自宅の在・不在が把握できるため、不在配達の削減による宅配業務の効率化も可能となります。このように基本的には『B to B to C』のビジネスモデルで、様々な事業者が新サービス創出に活用できるオープンプラットフォームの構築を目指しています」。あらゆる可能性を秘めた技術。しかし、一方で難しい側面もあると言う。「日進月歩の技術進化スピードと同じスピード感で常にトライ&エラーをくり返さなければなりません。また、お客さまの課題やニーズをどれだけ多く引き出せるかも重要。いただいた情報から仮説を立てて、検証を繰り返すことでようやくサービスとしての検討がなされるのです。この会社は、東京電力だけではなく様々な企業から人財が集まってできています。お互いの意見を気兼ねなくぶつけながら議論を深め、迅速に行動する姿はまさにジョイントベンチャーの魅力です」。人々の生活を支える新たな社会基盤を目指して、木島の挑戦はまだまだ続く。

03 Challenging

国家レベルの大事業プロジェクト。日本政府要人とともに相手国と協議。

アジアの発展途上国。その中には、電力供給が不安定な地域がまだ多くある。そこで、東京電力パワーグリッドは、海外の送電線や変電所の建設プロジェクトに出資を行い、これまで国内で培ってきた技術的知見を活用した効率的な運用・保守を行うことで、地域の電力供給安定化と継続的な収益確保を目指している。海外事業推進室に所属する三好は、アジアのある国におけるプロジェクトの実施責任者として案件の発掘から携わっていた。「私の担当するプロジェクトは、まだ“グリーン”と呼ばれる開発すらされていない初期的なもの。相手国の政府や地元の電力会社などとの協議をくり返しながら案件組成したものになります」。電力設備の建設プロジェクトとなると国家レベルの大事業である。その国の制度の理解、設備設計、必要な資金の調達候補、施工業者など現地のパートナー探しなど様々な方面での検討を重ねる必要がある。さらに、国家間の協議も必要となることから、三好は日本政府の要人とともに相手国の首脳との協議を重ねていった。

Challenging
Challenging

04 Challenging

電力を安定供給するインフラをつくり発展途上国の経済発展に寄与する。

当然海外事業にはリスクが伴う。一つが政治、経済、治安、国民性といったカントリーリスク。もう一つが債務返済能力の懸念であるゾブリンリスクである。これらを踏まえた上でビジネスとしての実現性や収益性を評価していく必要があるのだ。「お互いに母国語ではない、英語でのコミュニケーションと正確な意思伝達をすることに苦労しました。実現性・収益性に関する議論も行いますが、一番重要な議論は相手国の電力ネットワークにおける課題を、当社の知見や技術を導入することでいかに解決できるかに関するもの。またプロジェクト自体が、相手の求める品質で継続的な安定供給を提供でき、同時に現地の雇用の創出や、経済成長にもつながるのもしっかりと伝え、納得してもらうことが重要となります」。現在、PGではベトナムの工業団地における配電事業への参入をはじめ、シンガポールに東南アジア進出への足がかりとなるGreenway Grid Global Pte.Ltd.を設立。この地を拠点として、ビジネスの拡大を目指している。また、三好が所属する海外事業推進室も、たった一年で人員が5倍以上にもなった。「当社が保有する技術や知見を海外事業に展開し、一つでも多くの送電線建設や運営事業を世界で展開していくことができれば、世界中の人々に貢献することができるのです」。三好の壮大なプロジェクトは、一歩ずつだが着実に前に進んでいる。

05 Challenging

3つの方針を打ち立て未開の領域へ挑戦する。

PGでは現在、国内外を含め数多くの新規事業が立ち上がっているが、それはなぜなのか?事業開発室に所属する川口がその理由を語ってくれた。「大きく三つあります。まず一つ目は、福島への責任を果たすため。当社のあらゆる強みを活かすことで収益拡大を実現し、福島への責任を果たしていきます。二つ目が、公益性の高い事業を行っていることによる社会的使命。例えば、水道事業では現在設備老朽化が進み、地域によっては保全の担い手が少ないという課題があります。当社はインフラの保全維持が得意分野なので、何かお役に立てることはないか検討をしています。三つ目が、ディスラプション事業への挑戦。蓄電池やEVなどの普及により、エネルギーの分散化が進むと、将来的に当社の託送事業の毀損に繋がる恐れがありますが、社会的に必要とされ、当社が培ってきた系統運用技術等の強みが十分に生かせる分野であれば、積極的に参入を検討していきます。」事業戦略グループの川口は、PGにおける新規事業全体の戦略方針の立案に関わっているのだ。

Challenging
Challenging

06 Challenging

電力事業だけに留まらない、新しい「当たり前」をつくる。

一方、新規事業で収益を上げると言っても、その道のりは簡単なものではない。現在は各プロジェクトが手探りをしながら進めている状況だと言う。「これまでPGは安心・安全・安定したエネルギー環境を実現する託送事業を長年にわたり担ってきたことによる知見・ノウハウをベースとしつつ、多くの業務で標準化が進んでいる一方、新しいプロジェクトは、そのほとんどが“未開の領域への挑戦”。いわば、レールのない所にレールを敷くこと。当然マニュアルなどは存在しないため、全てのプロジェクトが手探りをしながら前へと進んでいます。そこで我々の部署が各プロジェクトを横串で横断することによって、新規事業間の連携や方針策定を進め、プロジェクトの効率化や実現までの速度を上げることを狙っています」。そのため、川口はあらゆるプロジェクトに頻繁に顔を出し、事業化推進に有益な情報を収集しているのだ。「私たちの最終的な目標は、電力事業だけに留まらない、新しい“当たり前”を自らの手で創り出し、社会全体にとってより良い価値を提供し、責任を持って支え続けていくことなのです」。PGの社員はその想いを抱き、未開の領域を切り拓く業務に邁進しているのだ。

責任編
挑戦編