CHALLENGING 04 / SMART METER

挑戦編

スマートメーター推進プロジェクト

サービスエリア全域約2900万のお客さまに設置された電力メーター。
これを通信機能のあるスマートメーターに変えることで省エネの推進やお客さまサービスの充実を目指す。

電力メーターは、もともと10年に1度は取り替えることが法律で定められている。
その都度取り替えていけば10年で自動的に切り替わるが、ミッションの期限は2020年。
いくつもの部署が力を合わせて進めるミッションは、あくなき効率化への挑戦だ。

竹林 篤史
竹林 篤史
2010年入社
東京電力パワーグリッド スマートメーター推進室 スマートメーターオペレーションセンター 運用グループ
有田 慎一
有田 慎一
2002年入社
東京電力パワーグリッド スマートメーター推進室 通信設備グループ
山口 拓哉
山口 拓哉
2007年入社
東京電力パワーグリッド スマートメーター推進室 配電設備グループ
渡辺 美紀
渡辺 美紀
2009年入社
パートナー 暮らし&ビジネスサービス事業本部 くらしTEPCOグループ

01 Challenging

サービスエリア全域約2900万の電力メーターのフルモデルチェンジが自由化競争の鍵

お客さまごとの電気使用量を計算する電力メーターは、東京電力のサービスエリア全域に約2900万台が設置されている。これまでの旧式メーターでは、月に1回指示数を確認し、前月との差分から1カ月の電気料金を請求していたが、今その常識が変わろうとしている。30分ごとにお客さまの電気使用量が記録され、そのデータを通信機能によって収集し、細かく把握できるのが「スマートメーター」だ。電気使用量を細かく把握することで、お客さまにとっては、ライフスタイルに合った省エネ方法が分かったり、料金プランの選択にも活用できる。お客さまの暮らしに根ざした新たなサービス開発も考えられるだろう。スマートメーターによって収集した電気使用量データをいかに活用していくかは、電力自由化後の競争を勝ち抜く鍵となるに違いない。

Challenging
Challenging

02 Challenging

複数の部署が多重的に絡み合う。ビッグプロジェクトならではの困難。

サービスエリア全域の電力メーターをスマートメーターに取り替える。これだけを聞けばシンプルに思えるミッションだが、メーターを取り付ける配電部門、通信機能を担う電子通信部門、お客さまとのやりとりを進める営業部門、さらにはセキュリティ部門など、多くの部署が多重的に関わりながらの作業は一筋縄ではいかない。各部署との調整を円滑化させることでプロジェクトを一気に進めるための組織が「スマートメーター推進室」。そこに配電部門として参加しているのが山口だ。「スマートメーターの設置にあたっては、社内の部署間や協力会社との調整が非常に重要です。円滑にスマートメーターへの交換を進めるためには、従来の業務運行とは違う新しいルールや制度をつくっていかなくてはいけないところが複雑ですね」。

03 Challenging

地域ごとの特性を見極めベストな通信方式を探っていく。

設置にあたってスマートメーターと旧式のメーターの大きな違いは、通信機能の有無。ビルや山といった障害物によって影響を受けてしまう。一軒家とマンション、都市部と山間部などさまざまな条件がある中で、いかに通信機能を発揮していくか。通信部門の有田は、設置作業に先立って、その方法を検討している。「通信方式には、3つのタイプがあります。1つ目は、携帯電話と同じように、スマートメーターから直接基地局へデータを送信するタイプで、基本的に密集しない地域に向いています。2つ目は、メーター同士がデータをバケツリレーのようにして送っていくマルチホップ方式で、これは逆に密集した地域向き。3つ目は、電線を使ってデータを送るPLCというタイプ。今の時点ではこの3タイプを考えていますが、まだまだ手探りの状態。今後設置をしていく中で新たな方式の開発も必要になるかもしれません」。

Challenging
Challenging

04 Challenging

従来とは違う新しいルールとせめぎ合いながら進める設置作業。

通信部門が選定した通信方式によって、実際にスマートメーターに取り替えるのが配電部門。その役割を山口に聞いた。「主に設置の作業をするのは、協力いただいている工事会社さん。私たちは各部署と調整しながらその運用ルールをつくっていくのが基本的な役割です。もともとメーターの取り替えは、システム化されていて定期的に行われているのですが、スマートメーターが入ることでシステムも変えなくてはいけません。そうした中で生まれる不具合を解消しながら、最適な運用を模索し続けている状態。時にはマンパワーでデータを打ち替えることもあります」。約2900万台というビッグプロジェクトだからこそ、作業工程も運用ルールもすべてが試行錯誤のくり返し。誰も持っていない答えは、自らつくりあげるしかない。

05 Challenging

30分ごとの電気使用量というデータを勝機に変える。

30分ごとの電気使用量、つまりライフスタイルに関するデータを把握することは、お客さまにどんなメリットをご提供することにつながるのか。『くらしTEPCO』というWEB上のサービスを企画運営する渡辺は、これから続々と設置されていくスマートメーターを活かした新たなサービス展開を模索している。「くらしTEPCOはお客さまが毎月の電気使用量をグラフで見られたり、家庭のタイプ別に電気使用量を比較できるコンテンツなど、生活の中で役立ったり、ヒントになるさまざまなサービスを詰め込んだサイトです。また、スマートメーターが設置されているお客さまは30分ごとの電気使用量もご覧いただけます。これからスマートメーターの設置がさらに進んでいく中で、よりきめ細やかな省エネ提案や、お客さまのライフスタイルに合った様々な料金プランの展開、見守り等のサービスにも使えるんじゃないかとか、いろいろな可能性が見えてきています」

Challenging
Challenging

06 Challenging

ゴールは、2020年。これからが本当のスタート。

お客さまの詳細な電気使用量を通信で送るスマートメーターに秘められているのはチャンスだけではない。オペレーションセンターでセキュリティを担当しているのが竹林だ。「時間ごとの電気使用量は、お客さまのライフスタイルといった重要な情報。セキュリティ対策は大きなテーマです。データはスマートメーターからヘッドエンドシステムと呼ばれる集約装置やMDMSと呼ばれる運用管理システム等を経由して、そこから各処理システムに送付されますが、オペレーションセンターでは、外部からの不正なアクセスによりお客さま情報が漏えいしないように24時間365日監視。万が一何かが起こった時の対応手順、体制を策定し、訓練や教育を実施することでセキュリティへの意識を高めています」。これまでにトラブルは起きていないが、今はまだ全体の約1割の設置が終わったところ。これから加速期に入る中で状況は目まぐるしく変わっていくだろう。すべての部署が連携しつつ、試行錯誤をくり返す。期限は2020年。本当のスタートは、これからだ。

そして、現在。

スマートメーターの設置は10月30日現在で約1400万台。2020年度末の全数設置に向けて順調に設置が進む。スマートメーターの通信接続率は99%を超え、高い品質を維持しており、安定稼働の継続や更なる接続率向上に向けてチャレンジは続く。
また、スマートメーターから得られるビッグデータや首都圏全域をカバーする通信ネットワークを活用した、自社設備形成の合理化や業務効率化、さらには防災などの公共利用や産業分野での活用も視野に入れ、各種検討を進めている。
スマートメータープロジェクトは、巨大システムの構築というフェーズから、社会貢献、海外進出も含めた事業領域の拡大といった新たなステージへと進む。

責任編
挑戦編