プレスリリース解説
「IoTプラットフォーム構築に関する共同実証試験」って、なに?

2016/12/19

東京電力グループのプレスリリースをわかりやすく解説します。

東京電力パワーグリッドは、日立製作所・パナソニックと共同で、「IoTプラットフォーム構築に関する共同実証試験」を11月から開始しました。
この実証試験の内容はどのようなものか、どのようなビジネスが創出され、お客さまの利便性が向上する可能性があるのか―――。わかりやすく解説します。

最近よく耳にする「IoT」ってなに?

「IoT(Internet of Things)」とは「モノのインターネット」のこと、つまり、モノとインターネットを接続して、モノの状態を把握できるようにすることをいいます。
例えば、玄関のドアがIoT化すると、扉の開閉状況や鍵の施錠状況をスマートフォンなどですぐに確認することができます。鍵のかけ忘れをチェックするだけではなく、扉の開閉履歴から家族の帰宅や外出が把握でき、防犯として活用することも可能になるかもしれません。
このように、モノとインターネットを繋げることで、より便利で豊かな暮らしが期待できることから、「IoT」は非常に注目されています。

どのようなことをするの?

今回、参加モニターの住宅(約110戸)に、2つのセンサーを設置し、データを収集します。具体的には、電力センサーで測定できる住宅全体の電気使用状況のデータと、環境センサーで計測できる室内の温度、湿度、照度、振動などのデータです。また、収集した電気使用状況のデータから家電製品の種類ごとに電気使用状況の分解(ディスアグリゲーション)も行います。
これらのデータをさまざまなサービス事業者さまが利用できる場(プラットフォーム)を構築し、幅広いサービスをお客さまに提供していただこう、ということが今回実証試験を行う目的です。(いわゆるB to B to Cのモデル)

どの部分が実証試験なの?

まず、専用センサーからインターネット回線を通じてデータ収集システムまでデータが収集されるプラットフォームにおける、データの伝送・処理性能などを検証します。また、一部の住宅では、センサーからのデータを既設のコンセントを通じて電力線を利用し、インターネットへ接続するための機器(ブロードバンドルータ)まで伝送できるか、その性能を検証します。
さらに、データ収集システムに集まった大量のデータを一元的に蓄積し、事業者さまが活用可能な形へ加工するプラットフォームの有効性を検証します。
これらの実証試験結果を踏まえて、センサー性能やシステム構成、通信方式などを検討していく予定です。

電気の見える化ってはじめてのことなの?

家電製品ごとに電気の使用状況を分けることができるシステムは、HEMS(Home Energy Management System)と言われる、住宅内の電気を見える化するものがあります。HEMSは、家電製品ごとの電気の使用状況が分かるようにするために、家電製品一つ一つにすべてセンサーを取り付ける必要がありますので、センサーの数が多くなってしまいます。また、1時間ごとや30分ごとの計測が限界です。
一方、今回使用している電力センサーは、それ1つで電気の使用状況を機器ごとに分離でき、しかもリアルタイムに検知することができます。
また、今回の実証試験は、単に「見える化や省エネ」というサービスにとどまらず、さまざまなサービスを創出することを目的にしている点も、大きな違いであると言えます。

どのようなサービスが期待できるの?

リアルタイムで家電の種類ごとの電気の使用状況を「見える化」することができるので、「(家電製品の)***を使いすぎているから消そう!」と指摘したり、「人がいないのに電気がついたまま!」と警告したりするサービスが考えられます。
そして、電気の使用状況や室内温度などから、家族の帰宅時間を確認することができたり、離れて暮らす家族の生活状況を把握できたりする「見守りサービス」も可能です。
また、普段と電気の使用状況が異なる家電製品を検知できるので、故障する可能性を予測するようなサービスも可能と考えられます。家電量販店が、故障しそうな家電製品の「おすすめ」を提案し、購入できるサービスが展開されることも期待できます。
さらに、在宅状況を把握することができれば、宅配業者さまが留守を避けて、在宅時に荷物を届けることができるサービスも提供されるかもしれません。効率良い配達を実現することで、宅配業者さまの無駄な走行距離が短縮され、CO2削減に繋がることも考えられます。

このように、IoTプラットフォームが構築されれば、サービス事業者さまからさまざまなサービスが提供され、ますますお客さまの生活が便利になっていくことでしょう。

現在、当社ではサービスを検討されている事業者さまを募集中です。当実証の取得データは参加を希望されている事業者さまにオープンに提供させていただきます。

関連ページ

「メーターからさらに先」 -Beyond the Meter-

東京電力パワーグリッドは、電気を安定供給することを最大の使命として事業活動をしてきましたが、これまでその範囲はお客さまの電力メーターまででした。
今回のサービスをきっかけに、メーターまで電気を安定供給することにとどまらず、今まであまり足を踏み入れてこなかった「メーターからさらに先」(Beyond the Meter)の事業領域にも進出し、お客さまの生活をより快適かつ便利にしていきたいと考えています。

関連ページ

  • プレスリリース 2016年11月7日
    住宅内の情報を収集・蓄積・加工するIoTプラットフォーム構築に関する共同実証試験の開始について

ページの先頭へ戻ります

  1. HOME
  2. 東京電力報
  3. 「IoTプラットフォーム構築に関する共同実証試験」って、なに?