変電
変電について
高品質の電気を少ないロスで効率的に送るために、電圧をコントロールしているのが変電所です。変電所は、発電所を出発した電気の行き先を振り分けることもしています。
交流は、直流と違って、変圧器で電圧を自由に変えることができます。電圧が高いほど送電ロスが少なくなり、電線も細いもので済むため、発電所でつくられた電気は電圧を上げて消費地の近くまで送電し、変電所で電圧を下げるようにしています。
変電所の中には電圧を調整する巨大な変圧器と、電気の行き先を決めたりストップさせたりする巨大なスイッチである遮断器があります。電気の流れを集中し、分配することにより、落雷などで部分的に電気の流れが途絶えても停電することのないようになっています。
これらを行うのが変電所の役割で、いわば電気を効率的に送電する「要」といえます。
東西で異なる周波数を変換する新信濃川変電所
電圧制御で高品質の電気を効率よく送る
変電所には所内の最高電圧が50万Vの50万V変電所、27万5,000Vの超高圧変電所、15万4,000Vの一次変電所などの送電用変電所と、一般のご家庭などのお客さまに直接電気をお届けする6万6,000Vの配電用変電所などがあり、それぞれ電圧の高さや電気の流れを調整し電気を安定して送れるようにする、コントロールセンターとして機能しています。
変電所の点検のようす
東西で周波数が異なる日本
かつて明治、大正時代の電気事業黎明期に現在よりも多くの電力会社が全国で営業していました。静岡県の富士川から新潟県の糸魚川あたりを境にして、東側では ヨーロッパ系・50Hz、西側ではアメリカ系・60Hzの発電機を輸入していました。その後、しばしば全国統一の努力が行われましたが、莫大な費用と時間がかかるため実現せず、現在に至っています。
東日本が50Hz、西日本が60Hzと周波数が異なっているため、電力を東と西で融通するには周波数を変換する必要があります。この変換のできる所は日本には新信濃変電所(当社、60万kW)と佐久間周波数変換所(電源開発、30万kW)、東清水変電所(中部電力、30万kW)の3か所があります。
電力融通には、供給コストを低くするための経済融通、故障時など緊急時の応援融通があり、これにより全国的な発電設備の効率的運用、電力の安定供給が図られています。