資料館

それぞれのフィールドにおいて、自然との共生や環境保護活動などに精力的に取り組んでいらっしゃるオピニオンリーダーの方々との対談内容をご紹介いたします。

さかなクンに森と魚の関係を聞く 尾瀬の森が育む清らかな水と生き物たち-みんなで「いきもの応援団」に!-

<お魚らいふ・コーディネーター>さかなクン×<東京電力・永年尾瀬保護活動担当>竹内純子(たけうちすみこ)

今回のゲストは、テレビなどでもお馴染みのお魚らいふ・コーディネーター、さかなクン。そのキャラクターから断然“海派”だと思われがちですが、実は隠れ山ファンでもあり、学生時代にはフィールドワーク部に所属し、よく山に登っていた時期もあったとか。初めて見る水芭蕉、イワナの棲む清流、植林と「感動が大漁で魚(ぎょ)ざいます!」の一日となりました。

<お魚らいふ・コーディネーター>さかなクン

<お魚らいふ・コーディネーター>さかなクン

東京都出身。現在は千葉県館山市在住。お魚らいふ・コーディネーター、東京海洋大学客員准教授、環境省地球いきもの応援団、新潟県おさかな大使など、たくさんの肩書をもち、魚に関する各方面で活躍している。5000種以上の魚と、その料理法についての知識をもつ。

初めての水芭蕉

「こんな光景は初めて!」。初対面の水芭蕉に興味津々
さかなクン
わぁ! 水芭蕉の白い花、かわいい!
竹内
水芭蕉の花は黄色い軸のほうなんですよ。白いのは「苞(ほう)」といって花をまもってあげるものなんです。
さかなクン
ホウ!(苞)優しいですね! カエルちゃんもたくさんいて、入山口でこんなにすぐ輝く自然に出会える尾瀬って素晴らしい!
竹内
大好きなお魚のいる川があるので行ってみましょうか?
さかなクン
ありがとう魚(ぎょ)ざいます!よろしく魚(うお)願いします!

イワナは川の豊かさの指標

オモジロの滝の前で。「この清らかな源流がお魚やほかの多くの生き物を育むんですね」
竹内
イワナにも、棲む場所によって個性があって、いろんな種類がいるそうですね。
さかなクン
そうなんです。以前はイワナの1種類とされていましたが、今は2種6亜種に分けられています。尾瀬にはニッコウイワナがくらしているようです。
竹内
なにを食べるんですか?
さかなクン
川に落ちた水生昆虫や甲殻類、またカエルやサンショウウオのような両生類などです。昔読んだ絵本に、イワナが大きな口を開けて呑み込んだヘビが、イワナのお尻から出てきている絵があって、「こんなことあるのぉ!?こわぁ~い!」と思いました。ほんとにあるのでしょうか!?
竹内
肉食で、豊かな森に囲まれて多くの生物が棲む川でないと生きられないんですね。クマタカやオオタカなど大型の鳥類がいる森は豊かだと言われますが、川の場合はイワナがひとつの指標になるんでしょうか。
さかなクン
その通り! イワナやヤマメ、カジカといった渓流にくらすお魚は、水が本当に清らかじゃないと棲めないんです。また、たくさん釣ってしまうと、あっという間に数が減ってしまいます。とはいえ、数を増やそうと人が育てたイワナを放流するのも問題なんです。長い時間をかけて渓流でくらしてきたイワナと、人工で育てられたイワナが交雑したら、純粋なDNAではなくなってしまいます。
竹内
その環境で培われてきた「本来ある自然」を大切にしなければならないんですね。東京電力が平成9年から取り組んでいる植林ボランティアも、そこにとても気をつけていますので、ぜひ現場に行ってみましょう!

利根川の源流、尾瀬戸倉山林で

今年度の植林ボランティア実施場所で記念の植林
竹内
ここが昨年の植林地です。
さかなクン
よく見ると植林された木は何種類かあるんですね。
竹内
そうなんです。尾瀬戸倉山林はもともと、ブナを中心としてミズナラやトチなど広葉樹が多い森だったのですが、戦後復興期に首都圏の木材需要に対応して、多くの木が伐り出されてしまいました。その代わりに植えられたのが、成長の早いカラマツなどの針葉樹だったんです。平成8年に森の調査をしたところ、カラマツの林に一部成長のよくない場所があることがわかり、平成9年からボランティアのご協力で広葉樹の植林を始めました。1回に2000本のブナと、いろいろな広葉樹500本を混ぜて植えてます。これまでに3万本が植林されたんですよ。
さかなクン
すっ魚(ぎょ)いですね!! 森の木の多様性を大事にされているんですね。
竹内
「本来あるべき自然」に戻すことを目指していますので、苗木もこの森で生まれた木を小さいうちに取ってきて、苗畑で数年間育てているんです。
さかなクン
なるほど、故郷に戻してあげるのですね!
竹内
そして、この豊かな森から流れ出た沢が集まって片品川、利根川になって太平洋へと流れていくんですよ。
さかなクン
ええっ、利根川の水はここから流れてきているのですか!? さかなクンも木を植えて、この森を豊かにすることに協力させてください!
竹内
ぜひお願いします!

みんなで「いきもの応援団」に

さかなクンもびっくり。今回植林したブナが成長するとこんな大木に
さかなクン
本物の自然にふれると、川も海も森もみんなつながっていると実感しますし、守るべき自然は何かがわかりますよね。今日は最高です!
竹内
美しい自然にふれると、これを守りたいって、まさに“自然と”感じますしね。でも、身の回りに、自然への興味をかきたててくれるものはたくさんあるんですよね。さかなクンは昼食に出たお魚から、興味深い魚の話をたくさんしてくださいましたよね。私は今まで魚を「食べ物」としてしか捉えていなくて、命をいただくことにちゃんと感謝して見ていなかったので、さかなクンになれなかったんだなぁ、と反省しました(笑)。
さかなクン
そんなことはないです~。照れます~。
竹内
さかなクン同様、私も身近な生き物に興味をもち、「いきもの応援団」になりたいと思います。今日はありがとうございました!

渡り鳥は世界の自然をつなぐ

樋口広芳 東京大学農学部生物多様性学科研究室教授。

2009年3月19日更新

知識から行動への変革

東田研 東田テクノロジーリサーチ所長。

2009年3月16日更新

田口ランディさんに環境問題との距離感を聞く

田口ランディ 作家。

2008年12月17日更新

野口健さんのライフワーク 富士山清掃活動の現場で

野口健 アルピニスト。

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