プレスリリース 2000年

マイクロタービンを搭載した「タービンEVバス」の購入について

~東京電力グループのもつノウハウを活用し、排ガス・騒音対策に優れた環境性能を持つバスを来年3月に購入~



                                                              平成12年10月30日
                                                              東京電力株式会社
 

 当社は、本日、マイクロタービンとバッテリーを搭載したシリーズ型(注)ハイブリッ
ド車である「タービンEV(Electric Vehicle)バス」を、ニュージーランドのデザイ
ンライン社から来年3月に1台購入することといたしました。

 「タービンEVバス」は、米国キャプストン社製のマイクロタービンを搭載し、軽油
・CNG(圧縮天然ガス)・LPG(液化石油ガス)などを燃料といたします。基本的
な構造は電気自動車ですが、マイクロタービンで発電した電気をバッテリーに貯蔵し、
その電気によって走行するため、バッテリーのみの電気自動車に比べて長距離走行が可
能となります。
 排ガスは、最新のディーゼルエンジンバスに比べて、NOx(窒素酸化物)が4分の
1以下、CO(一酸化炭素)は2分の1程度となります。また、騒音についても、従来
型バスの75dB(デシベル)に比べて55dBとなるなど、電気自動車と同レベルの静粛性を
持つきわめて環境性能の優れた低公害車であります。

 自動車における大気汚染に関しては、ディーゼル車の排ガスによる環境への影響が、
近年、問題化されており、排ガス対策を強化する自治体が増加しております。
 一方、当社は自家発システムの一括受託事業を行うマイエナジー株式会社を本年3月
に設立し、マイクロタービンに関する技術を蓄積するとともに、これまでに電気自動車
の研究やNAS電池をはじめとした電力貯蔵技術の研究に取り組んでまいりました。
 こうしたなか、当社は、東京電力グループがこれまで蓄積したノウハウを生かして、
環境性や経済性に優れた「タービンEVバス」をディーゼル車の排ガス対策に関する新
たな方策として位置づけたいと考えております。
 
 当社は、11月下旬から12月にかけて、LPGを燃料とした「タービンEVバス」をニ
ュージーランドで実際に運行しているクライストチャーチ市からレンタルし、京浜地区
で試乗会を実施いたします。さらに、運輸省への新型自動車の届出に向け、3月に購入
する「タービンEVバス」の公道での走行試験を実施するとともに、国内ユーザーへの
販売・メンテナンスについて、事業化を前提とした検討を行ってまいります。現時点で
は、首都圏の自治体をはじめとするバス運行者のみなさまに、路線バスとしての採用の
可能性を検討していただいているところです。

                                                                        以 上

(注)原動機で発電した電気をバッテリーに貯蔵し、バッテリーから供給する電気によ
      ってモーターがタイヤを駆動するシステム。基本的な原理は電気自動車であり、
   平均速度があまり高くなく、加減速が頻繁に行われる市街地走行に適している。




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