プレスリリース 2005年

福島第一原子力発電所2号機の原子炉再循環ポンプ(B)停止にともなう出力低下に関する原因と対策について

                            平成17年11月9日
                            東京電力株式会社

 当社・福島第一原子力発電所2号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)
は、定格出力にて運転中のところ、平成17年10月9日、原子炉再循環ポンプ*1 
 (B)「インバータ*2(B)重故障」の警報が発生し当該ポンプが自動停止した
ため、発電機出力が約33万キロワットまで低下しました。
 その後、プラントを安定に維持するため発電機出力を約18万キロワットまで降
下させ、原因調査を行ってまいりましたが、詳細な調査を実施するためプラント
を手動停止*3することといたしました。
 なお、これによる外部への放射能の影響はありません。
                    (平成17年10月10日お知らせ済み)

 調査の結果、インバータの主回路部品(GTO*4)を制御する基板(GUG基
板*5)のうち1個について、二重化されているGUG基板への供給電源の両方が
停止していたことが確認され、これによりインバータが停止し、原子炉再循環ポ
ンプ(B)の自動停止に至ったことがわかりました。
 また、この両方の供給電源について詳細に調べたところ、ヒューズ取り付け部
(ヒューズホルダ)の板バネと端子の接触部に、摩耗した跡と電気抵抗の大きい
酸化粉の付着が確認されました。なお、原子炉再循環ポンプ、電動機、インバー
タのその他の部品には異常は認められませんでした。
 GUG基板への供給電源が停止した原因は、ヒューズホルダの板バネと端子の
接触部に、インバータの運転にともなう振動により擦れて発生した金属粉が酸化
して電気抵抗の大きい酸化粉となって堆積し、接触不良の状態になったものと推
定いたしました。

 対策として、当該ヒューズホルダおよびインバータに使用されている同型のヒ
ューズホルダを、振動の影響を受けにくい構造のものに取り替えました。
 なお、この二重化されたGUG基板への供給電源については、片方の電源に故
障があってもそれを早期に検知するシステムとなっていなかったことから、片方
の電源が喪失した場合でも中央操作室に警報が発生するよう改造いたしました。
 また、社内の設計標準書に今回の事象で得られた知見を反映し、今後の設計に
活用してまいります。

 今後、準備が整い次第、原子炉の起動操作を開始する予定です。

                                 以 上

*1 原子炉再循環ポンプ
    原子炉圧力容器の中の水(冷却材)を循環させるポンプで、運転中はポ
   ンプの回転数(スピード)をインバータで制御することにより、原子炉の
   出力をコントロールしている。このポンプは2台設置されている。
*2 インバータ(可変周波数電源装置)
    直流電源を所定の周波数の交流電源に変換する装置。
*3 手動停止
    平成17年10月10日午後11時57分、原子炉停止。
*4 GTO(Gate Turn−Off Thyristor)
    半導体の一種で、スイッチの役目があり、信号を加えることで電流をオ
   ン・オフ(入・切)する機能を有している。インバータ1台に12個ある。
*5 GUG基板(Gate Unit for GTO)
    GTOにオン・オフ(入・切)の信号を加える基板。GTO1個に1枚
   ある。

添付資料
・ヒューズホルダ概略図(PDF 26.7KB) 


pdfデータをご覧になるにはAcrobatリーダーが必要です。 アクロバットリーダー



	

	



			
			
		

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