プレスリリース 2009年

福島第二原子力発電所4号機の出力低下に係る原因と対策について

                             平成21年10月22日
                             東京電力株式会社

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<概要>
(事象の発生状況)
 ・平成21年10月15日、福島第二原子力発電所4号機において、原子炉内の水を循
  環させるためのポンプ(以下、原子炉再循環ポンプ)1台が停止し、出力が低
  下しました。
 ・本事象による外部への放射能の影響はありません。
               (平成21年10月15日お知らせ済み・公表区分I)
(調査結果)
 ・事象発生当時、原子炉再循環ポンプに電源を供給する装置の部品の取替作業を
  実施しており、作業員が部品の配線を別の部品に接触させたことで短絡(ショ
  ート)しました。
 ・同装置内の部品に、短絡により発生した電流による故障が確認されました。
 ・作業現場は狭隘でした。また、絶縁板による短絡防止が十分ではありませんで
  した。
 ・部品取替作業に係る手順等が作業要領書に具体的に定められておらず、短絡の
  可能性がある手順で作業を行っていました。
 ・部品取替作業は、定期検査時の実施が可能であることがわかりました。
(推定原因)
 短絡が発生した原因は、以下のとおり推定しました。
 ・当該箇所は絶縁板による保護が十分ではなかったこと。
 ・作業要領書に具体的な手順や注意事項の記載がなかったこと。
 ・狭隘な作業環境であったこと。
  また、今回の事象を踏まえると、プラント運転中に部品取替作業を行ったこと
 は、短絡による出力低下の可能性に対する配慮が十分ではありませんでした。
(対策)
 ・故障した装置内の部品を、新品に交換しました。
 ・短絡防止の観点から、絶縁板等の改善を実施します。
 ・原子炉再循環ポンプに電源を供給する装置の部品取替作業は、原則として定期
  検査中に行います。
(今後の対応)
 ・今後、準備が整い次第、停止した原子炉再循環ポンプを起動し、運転状態を確
  認しながら、原子炉の出力を上昇させてまいります。

詳細は以下のとおりです。
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1.事象の発生状況
  定格熱出力一定運転中の福島第二原子力発電所4号機(沸騰水型、定格出力
 110万キロワット)において、平成21年10月15日、再循環MGセット発電機(以
 下、MGセット)*1(A)の励磁機*2のブラシ*3取替作業を行っていたと
 ころ、「再循環MGセット発電機(A)ロックアウトリレー*4トリップ」の警
 報が発生し、原子炉再循環ポンプ*5(A)が停止したため、発電機出力が定格
 出力(110万キロワット)から約36万キロワットまで低下しました。
  MGセットの励磁機のブラシホルダー支え*6に、作業の際に付いたと思われ
 る短絡(ショート)の痕が確認されており、今後、原因について詳細に調査いた
 します。
  なお、本事象による外部への放射能の影響はありません。
               (平成21年10月15日お知らせ済み:公表区分I)

  その後、プラントをより安定な状態とするため、制御棒を原子炉に挿入すると
 ともに、原子炉再循環ポンプ(B)の速度を下げ、原子炉の熱出力を30%未満に
 保持した状態でプラントの運転を継続しております。

2.調査結果
  調査の結果、以下のことがわかりました。
 ・取替えをしていたブラシのリード線(プラス側)およびブラシホルダー支え
  (マイナス側)に短絡した痕が確認されたこと。
 ・MGセット励磁機に接続されている自動電圧調整装置*7内の部品に、短絡に
  より発生した電流による故障が確認されたこと。
 ・MGセット励磁機のブラシ取替作業を行う点検口が狭隘(縦約17cm×横約16cm)
  で、作業時の手元確認や姿勢の確保が難しく、また、ブラシホルダー(プラス
  側)とブラシホルダー支え(マイナス側)との距離が近接(約3cm)している
  こと。
 ・ブラシホルダー支え(プラス側とマイナス側)の間には短絡防止のため絶縁板
  が設置されていたが、短絡をおこした箇所は絶縁板による短絡防止が十分では
  なかったこと。
 ・ブラシ取替時の作業要領書には、具体的な手順や注意事項の記載がなく、今回
  の作業においては、短絡の可能性がある手順(ブラシとリード線を同時に取外
  す)で行っていたこと。
 ・MGセット励磁機のブラシ取替えは、プラントの運転中に行っているが、定期
  検査時のMGセットの試運転時に実施することも可能であること。

3.推定原因
  以上の調査結果から、MGセット励磁機のブラシ取替作業時に作業員が短絡を
 発生させ、原子炉の出力低下に至った原因は、以下のとおりと推定いたしました。
 ・ブラシホルダー支え(プラス側とマイナス側)の間には短絡防止のため絶縁板
  が設置されていたが、短絡をおこした箇所は絶縁板による短絡防止が十分では
  なかった。
 ・作業要領書に具体的な手順や注意事項の記載がなく、短絡の可能性がある手順
  で作業を実施していた。
 ・励磁機のブラシ点検口が狭隘であったため、ブラシ取替作業時において手元確
  認や作業姿勢の確保が難しい環境であった。

  これらの原因から、ブラシ取替作業時に作業員が短絡を発生させ、自動電圧調
 整装置が機能を喪失して、MGセット(A)が自動停止し、原子炉再循環ポンプ
 (A)の電力供給が止まって同ポンプが停止した結果、出力の低下に至ったもの
 です。

  また、今回の事象を踏まえると、プラントの運転中にMGセット励磁機のブラ
 シ取替作業を行ったことは、短絡による出力低下の可能性に対する配慮が十分で
 はありませんでした。

4.対策
  今回の短絡で故障したMGセット(A)に接続されている自動電圧調整装置内
 の部品については、新品に交換いたしました。
  さらに、以下の対策を実施いたします。
 ・短絡防止の観点から、絶縁板等の改善を検討し、次回定期検査終了までに実施
  する。
 ・プラントの運転に影響を及ぼすことを防止するため、定期検査でプラントが停
  止している際に、次の運転期間を想定したブラシの寿命評価を行い、原則とし
  て定期検査で実施されるMGセットの試運転時にブラシの取替を行うこととし、
  同運用についてマニュアルに反映する。

  また、ブラシ取替作業の手順や注意事項等を作業要領書に記載するとともに、
 作業環境改善として点検口の拡張を検討いたします。同様の作業をしている協力
 企業に本事象を周知し、再発防止に努めてまいります。

5.今後の対応
  今後、準備が整い次第、停止した原子炉再循環ポンプ(A)を起動し、運転状
 態を確認しながら、原子炉の出力を上昇してまいります。

                                  以 上

*1 再循環MGセット発電機
    原子炉再循環ポンプに電源を供給する装置。
*2 励磁機
    発電機の回転部(コイル)に電流を供給するための機器。
*3 ブラシ
    発電機等の回転体に電流を供給するカーボン製の端子。
*4 ロックアウトリレー
    再循環MGセット発電機に何らかの異常があった場合、自動的にMGセッ
   トを停止させる装置。
*5 原子炉再循環ポンプ
    原子炉圧力容器内の水(冷却材)を循環させるポンプ(2台設置)で、運
   転中はポンプの回転速度を制御することにより、原子炉の出力を制御してい
   る。
*6 ブラシホルダー支え
    3個のブラシホルダーを固定する導体。
*7 自動電圧調整装置
    再循環MGセット発電機の電圧を一定にする装置。

添付資料
・再循環MGセット系統概略図(PDF 50.2KB)



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