プレスリリース 2012年

柏崎刈羽原子力発電所5号機の燃料集合体ウォータ・ロッドの曲がりに関する指示文書に対する原子力規制委員会への中間報告について(続報)

平成24年11月6日
東京電力株式会社

 当社は、定期検査中の柏崎刈羽原子力発電所5号機において、燃料集合体チャンネルボックス*1上部(クリップ部)の点検作業を実施していた際に、使用済燃料集合体2体でウォータ・ロッド*2の一部に曲がりがあることを確認いたしました。
 この事象を受け、原子力規制委員会より同発電所5号機の燃料集合体ウォータ・ロッドの曲がりに関する状況把握および原因究明を行い、これらの結果について報告を求める旨の指示文書*3を受領いたしました。
 当社は、この指示文書に基づき、同発電所5号機の今後の調査計画を作成するとともに、曲がりが確認された2体の使用済燃料集合体の履歴や曲がりの詳細状況、他の使用済燃料集合体の点検状況等を取りまとめ、原子力規制委員会へ報告いたしました。
 これまでの確認においては、ウォータ・ロッドの曲がりは新燃料として原子炉内に装荷する前に、水中作業で再使用チャンネルボックスを取り付ける際の施工方法に何らかの原因があったものと推定しております。

平成24年10月26日までにお知らせ済み

 その後、当社は燃料集合体チャンネルボックス上部(クリップ)の点検の関連として、今後詳細点検を予定していた33体ならびに追加点検をすることとした14体*4のうち1体の合計34体について使用済燃料集合体の外観点検を行い、これらの点検結果を中間報告として取りまとめ、本日、原子力規制委員会へ報告しましたのでお知らせいたします。
 これまでの点検の結果、34体のうち18体(平成24年10月26日までに報告した2体含む)の使用済燃料集合体のウォータ・ロッドに曲がりを確認いたしました。
 これらの使用済燃料集合体は、いずれも新燃料として原子炉内に装荷する前に、水中作業で再使用チャンネルボックスを取り付けたものであり、曲がりの原因は、これまでの推定と同様であると考えております。
 また、当該燃料集合体18体を原子炉内で使用していた期間においては、放射線モニタの値に問題は確認されておらず、燃料の健全性に影響を与えるものではなかったと考えております。

 今後、残りの13体について、外観点検を実施するとともに、策定した計画に基づき、曲がりの状況把握および原因究明を行い、その結果について取りまとめて原子力規制委員会へ報告してまいります。

以 上

○添付資料
柏崎刈羽原子力発電所第5号機 燃料集合体ウォータ・ロッド曲がり事象に係る外観点検結果報告書(中間報告)(PDF 20.2MB)

*1 チャンネルボックス
 燃料集合体に取り付ける四角い筒状の金属製の覆いのこと。チャンネルボックスを取り付けることにより、燃料集合体内の冷却材の流路を定めるとともに、制御棒作動の際のガイドや燃料集合体を保護する役割を持つ。

*2 ウォータ・ロッド
 燃料集合体の中央部に燃料棒と並行して設けられている中空の管で、内部に水を通すことにより燃料集合体内部の出力の最適化を図るもの。

*3 指示文書
 東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所第5号機の燃料集合体ウォータ・ロッドの曲がりについて(指示)

 原子力規制委員会(以下「当委員会」という。)は、平成24年10月16日に東京電力株式会社から東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所第5号機(以下「5号機」という。)使用済燃料プールに貯蔵されている燃料集合体2体のウォータ・ロッドに曲がりが確認された旨、連絡を受けたところです。
 本事象による外部への放射性物質の影響は確認されていないものの、これまでに例のない事象であることから、下記の対応を実施することを求めます。

1.5号機にて確認された2体の燃料集合体のウォータ・ロッドの曲がり及び燃料集合体のその他の構成要素についての状況を把握し、その原因を究明するための調査の方針及び具体的な調査計画を策定し、平成24年10月26日までに当委員会に報告すること。
2.その際、併せて、曲がりが確認された2体の燃料集合体の履歴とそれまでに把握した曲がりの詳細状況及び5号機におけるその他の燃料集合体の点検状況についても、平成24年10月26日までに報告すること。
3.1.で策定した計画に基づき曲がりの状況把握及び原因究明を行い、その結果について速やかに当委員会に報告すること。

以 上

*4 追加点検をすることとした14体
 ウォータ・ロッドに曲がりが発生した原因を特定する観点から計30体の外観点検を行うこととしているが、その点検対象のうち16体は、燃料集合体チャンネルボックス上部(クリップ)の点検対象の燃料集合体33体と重複している。そのため、追加で行う外観点検対象は14体となる。
 なお、ウォータ・ロッドに曲がりが発生した原因を特定する観点から実施する外観点検は以下の通り行うこととしている。
・曲がりが確認された燃料集合体と同様に、新燃料として原子炉内に装荷する前に、水中作業で再使用チャンネルボックスを取り付けた燃料集合体:10体(当該燃料集合体2体を含む)
・曲がりが確認された燃料集合体と同時期に製造した燃料集合体のうち、水中作業でのチャンネルボックス取り付けを経験していない燃料集合体:10体
・現在は、チャンネルボックスを取り付ける水中作業で過大な力がかからないよう作業方法を見直しているが、その見直しを行った以降に、水中作業で再使用チャンネルボックスを取り付けた燃料集合体:10体


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