2016年4月22日
東京電力ホールディングス株式会社

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、2011年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 2013年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項

4月22日午前8時30分頃、構内の大型機器点検建屋において、改修工事に従事していた協力企業作業員が、鋼管杭を跨いだ際に体勢を崩して股間を負傷。入退域管理棟救急医療室にて医師の診察を受けたところ、搬送の必要があると判断されたことから、同日午前9時28分に救急車を要請し、いわき市内の病院へ搬送。当該作業員に意識はあり、身体に放射性物質の付着はない。

※4月20日午後7時20分頃、構内のG6タンクエリアへの移送配管より、G6タンクエリア外堰の外側に水が滴下していることを当社社員が発見。
滴下が確認された配管はストロンチウム処理水を移送する配管であり、ストロンチウム処理水の移送先をG4タンクエリアからG6タンクエリアに切り替え操作を行った後の現場確認において、当該配管の保温材より水の滴下があることを確認したもの。
発見時の滴下量は1秒に1滴程度であり、滴下の範囲は当該配管下部に約30cm×30cmの範囲にとどまっており、構外への影響はないと考えている。
水の滴下箇所の地面に吸水材を設置および配管にビニールによる養生を実施するとともに、滴下箇所周辺に土嚢を設置。また、滴下した水については、吸水材による回収を行っている。
吸水材の設置およびビニール養生を実施した滴下箇所について水の滴下状況を継続的に確認しているが、現在、ビニール養生内に留まっており、地面への滴下はないことを確認。また、当該配管から地面へ滴下していた時間は90分程度と推定しており、滴下した量は最大で約2.7Lと推定。
滴下した水の放射能分析結果は以下のとおり。
 ・全ベータ  :260,000Bq/L
 ・セシウム134: 1,100Bq/L
 ・セシウム137: 5,100Bq/L
上記分析結果から、滴下した水は当該配管内のストロンチウム処理水と判断。
また、滴下した水のセシウム134、セシウム137および全ベータの放射性物質の濃度(告示濃度限度に対する割合の和)が、実施計画にて定めた排水基準(0.22)を超えていることから、4月20日午後11時18分に核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第62条の3に基づき制定された、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則第18条第12号「発電用原子炉施設の故障その他の不測の事態が生じたことにより、核燃料物質等(気体状のものを除く)が管理区域内で漏えいしたとき」に該当すると判断。
なお、4月20日午後11時10分現在、B・C排水路の連続側溝モニタにおいて有意な変動は確認されていない。
4月21日午後1時35分より、当該配管下部の滴下した範囲について、土壌の回収作業を開始。その後、同日午後3時頃、当該配管の滴下した箇所に設置したビニール養生内の水量を確認し、有意な増加がないことを確認。
また、滴下が発見された当該配管の敷設位置は、構内B・C排水路から約70mの距離にあることから、滴下した水の排水路への流入はない。
同日午後5時12分から午後7時35分にかけて、水の滴下箇所の調査等を行うため、滴下箇所(配管フランジ部)を切り離して配管内の水抜き作業を行い、約0.5m3の水を回収し水の滴下が停止。回収した配管内の水については、G6タンクエリア付近に設置した仮設タンクへ保管するとともに、仮設タンクを取り囲むように角材および養生材による仮堰を設置。
滴下が確認された移送配管下部の土壌回収については、4月21日午後1時35分より実施し、4月22日午前10時18分に回収が完了。
土壌を回収した結果、滴下箇所の雰囲気線量は周辺の値と同等(約10µSv/h)まで低下。
なお、回収した土壌(約0.3m3)については、土壌回収袋に入れて当該エリア近傍に仮置きしている。

※4月21日午前10時20分頃、サブドレン他水処理施設において、No.4中継タンク出口配管のフランジ部より2秒に1滴程度の滴下があることを協力企業作業員が発見。
このため、午前10時34分に揚水ポンプによる汲み上げおよびNo.4中継タンクから集水タンクへの移送を停止。その後午前10時40分に滴下が停止していることを確認。
なお、No.4中継タンク周辺には漏えい拡大防止の堰が設置されており、滴下した水も堰内にとどまっている。
現場確認の結果、滴下した水の範囲は約1m×約0.5mであり、滴下した量は約0.5L推定。また、当該フランジ部からの滴下を発見後、直ちに滴下した水の拭き取りを開始し、同日午前11時までに拭き取りを完了。
なお、当該フランジ部については、4月20日にNo.4中継タンク出口配管の清掃を行った際にパッキンを交換するとともに、当該フランジ部の漏えい確認を行い、異常がないことを確認していた。
当該フランジ部については、滴下を確認した後にフランジの増し締めを行うとともに、ビニールシートによる養生および受け皿を設置して、午後2時50分に漏えい確認を行ったところ、20秒に1滴程度の滴下があることを確認。滴下した水については、養生内に収まっている。今後、準備が整い次第、当該フランジ部の分解点検を行う。

《1号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中

《2号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

《3号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

《4号機(2012年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了

《5号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《6号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・6号機使用済燃料プール冷却系の除熱系統である6号機補機冷却海水系について、ストレーナ他点検のため、4月11日午前10時31分に、6号機使用済燃料プール冷却系を停止し、午前10時49分に残留熱除去系(A)系の非常時熱負荷モードを起動し、使用済燃料プール冷却を開始。6号機補機冷却海水系については、午前11時22分に停止。(停止予定期間4月11日から4月22日)
当該作業が終了したことから、4月22日午前10時18分に補機冷却海水系を起動。
補機冷却海水系の起動に伴い、6号機使用済燃料プール冷却については、午前11時39分に残留熱除去系(A)系の非常時熱負荷モードを停止後、午後0時3分に使用済燃料プール冷却系を起動して、使用済燃料プール冷却の切り替えを実施。
なお、使用済燃料プール水温度は、切り替え前後ともに15.5℃で変化はなく、運転上の制限値(65℃)以下となっている。

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備停止中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中

《サブドレン他水処理施設の状況》
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクAの分析結果[採取日4月15日]について、運用目標値を満足していることを確認。4月22日午前10時12分より港湾内へ排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時25分に漏えい等の異常がないことを確認。

サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクBの分析結果[採取日4月16日]について、運用目標値を満足していることを確認。

《地下水バイパスの状況》
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の分析結果[採取日4月6日]について、運用目標値を満足していることを確認。4月19日午前10時22分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時36分に漏えい等の異常がないことを確認。その後、午後4時6分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は1,388m3

《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
4月21日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、2013年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
2013年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。3,4号機間においては2015年4月1日、ウェルポイントからの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、2013年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
 
《地下貯水槽の状況》
※2013年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
4月21日に採取した地下貯水槽i~iii観測孔の水の全ベータ放射能分析結果、地下貯水槽i(漏えい検知孔水)南西側ならびに北東側の水の全ベータ放射能分析結果およびその他の分析結果について、前回値(4月20日採取)と比較して有意な変動は確認されていない。
引き続き、地下貯水槽観測孔について監視を強化するとともに、全ベータ放射能が上昇した原因を調査していく。

《1~3号機放水路の状況》
※1~3号機放水路については、1号機放水路上流側立坑および2号機放水路立坑において、セシウム137の濃度が上昇したことから定期的に水質調査を実施。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。