尾瀬を知る

尾瀬だより

第19回 「2011年も頑張ります」

平成23年1月1日

明けまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。2010年を振り返ると、私は、尾瀬保護活動担当として尾瀬の1シーズンを初めて過ごさせていただきました。春から冬へと移り変わる季節の中で、尾瀬の自然を守りながら、様々な人たちに出会い、たくさんのことを教えていただき、とても貴重な経験をさせていただきました。2011年も気を引き締めていきたいと思います。

さて、今回は、2010年の尾瀬を振り返り、これまでの尾瀬だより各回から1枚写真をピックアップし、ご紹介をしたいと思います。そして、今年の尾瀬はどんなシーズンになるのでしょうか。今から楽しみですね!!

【5月半ばなのに、猛吹雪】
記念すべき第1回の尾瀬だより。この時は山開きの1週間前。尾瀬ヶ原へ行った時には辺り一面が銀世界となり、春から冬へと逆戻りした日でした。防寒対策をしっかりしたものの、顔には吹雪があたり、ちくちくしたのを覚えています。前日までは暖かく、木道や山々の雪があちこち溶け始めていたのに、自然の厳しさの洗礼を受けたような気分でした。

【弟14回ブナ植林ボランティア】
昨年も5月末に3日間で約250名のボランティアの方たちと植林ボランティアを行いました。初日は雨が降っていたのですが、2日目、3日目はお天気に恵まれた中、北は北海道、南は宮崎からと全国から集まり、約0.5haに約2500本の苗木を植えました。地元の尾瀬高校の生徒も参加し、若い子たちのパワーをいただきながら、私もせっせと植林作業に励みました。苗木がすくすくと育ってくれるといいな。植林ボランティアの時の様子はこちらのスナップ写真からご覧になれます。

【木道工事のトップバッター】
昨年は、尾瀬ヶ原だけではなく、アヤメ平や至仏山へ向かう登山道の木道の架け替え工事を行いました。まず、先頭を切ったのが、尾瀬ヶ原の中心部。木道は、10年に一度のペースで架け替えを行いますが、毎年シーズンの終わりに木道の傷み具合等を見ながら、計画的に進めています。昨年もハイカーの皆様のご協力とご理解をいただきましたおかげで無事に終了することができました。ありがとうございました。

【脳科学者・茂木先生と】
脳科学者・茂木先生はホームページコンテンツ『TEPCOのECO対談』に登場いただきました。茂木先生は、尾瀬を訪れるのが20年越しの夢だったそうで、ちょうど満開のワタスゲが、尾瀬ヶ原を白く染めていて、夢中になっていらっしゃいました。昨年は、ワタスゲの当たり年だったそうです。また、竹内が尾瀬の楽しみ方(裏技!?)を教えたところ、大変満足していただけたそうで、とても尾瀬を気に入ってくださいました。私はとても嬉しく思いました!次はぜひ、ニッコウキスゲの時期に!!

【樹木調査】
東京電力が管理している木道沿いにおいて、倒木のおそれのある木(危険木)の腐朽状況の調査を環境省の自然保護官である速水さんと東京電力環境保全スタッフたち、辰井で行ってきました。危険木調査は、万が一、木道上の木や枝を折れた時にハイカーの方に危険が及ばないように、調査をし、管理を行っています。とはいえ、国立公園の特別保護地区、そして特別天然記念物にも指定されているので勝手に伐採はできないため、環境省の立ち会いのもと、対応処理を決めています。

【森のささやき】
毎週火曜日フジテレビで放映されている「森のささやき」の特別版、「森のささやきに包まれて」のロケが7月下旬に行われ、私も一緒に行ってきました。出演者は「森のささやき」の語りでもおなじみの田中好子さん、そしてドラマで親子役を演じた国仲涼子さんです。田中さんと国仲さんは初尾瀬だそうで、本当の親子のような雰囲気で楽しく歩かれ、尾瀬を満喫されているようでした。そして、同じくこの番組に出演した東京電力自然学校の七五三木、写真家の新井幸人さんと一緒に一面に咲くニッコウキスゲの前でパチリ! 貴重なショットとなりました。

【弟12回下草刈りボランティア】
5月に植林ボランティアを実施した後は、毎年8月に下草刈りボランティアを実施しています。植林して2~3年経った植林地で、苗木の周りに生えた雑草を刈り取る地道な作業ではあるのですが、昨年も多くの方々が参加してくださいました。夏休みの時期に実施することもあり、今年は小学生の男の子や女の子だけではなく、高校生や大学生の女の子も参加してくださいました。とても日射しの強い中、暑さにも負けず、苗木が太陽の光を浴びることができるように、慣れない手つきながらも一生懸命刈り取ってくれました。下草刈りの様子はスナップ写真よりご覧になれます。

【尾瀬サミット2010】
9月初旬、群馬・福島・新潟の3県知事と関係者が年に1度、尾瀬に一堂に集まって行われる「尾瀬サミット」が開かれました。当社からは社長の清水が出席しました。このサミットは、毎年、群馬県・福島県・新潟県と持ち回りでの開催となり、今年は群馬県で行われました。「みんなの尾瀬をみんなで守り、みんなで楽しむ」をテーマに、3県の知事、各関係者の方々と『尾瀬の保護と利用のバランス』について、活発な意見交換を行いました。私は初めての出席でしたが、全てのことが勉強になったものの、メモを取るのに必死でした・・・。

【登山家・田部井さんと】
尾瀬サミットに出席していた登山家の田部井さん。私は初めてお会いしたのですが、とてもエネルギッシュあふれる元気な方で、お話をするだけでも自然とパワーをいただいたような気分になりました!私もいただいたパワーで、今年は「元気印・桑原」で頑張りたいと思いました。

【十二様山神祭り】
毎年、9月12日に山ノ鼻で「十二様山神祭り」が行われ、行ってきました。当日は朝からずっと雨だったのですが、毎年、この日に限って雨が降るらしいようです。雨はよく嫌われるといいますが、今年は「晴れ」続きだったこともあり、今年は「恵みの雨」だったそうです。祈願をしたあとは、恒例の持ちつき大会が行われ、寒さを吹き飛ばすほど、熱気ムンムン。きなことあんこをつけたつきたてのお餅がとてもおいしく、何個もパクパクとお代わりしてしまいました。冷えた身体に温まる食べ物は最っ高です!!

【ぼっかさんたちと一緒に】
尾瀬に行くと、必ず一度は見かける「歩荷(ぼっか)さん」。昨年は、7人の歩荷さんたちが活躍していました。尾瀬ヶ原にある山小屋へ食料や飲み物をほぼ毎日鳩待峠から運んでいます。重い時には100kg以上の荷物を背負う歩荷さんは、休憩所で合うと、疲れも見せない充実した顔で、挨拶をしてくれます。今年もまた会えるといいな!!

【アヤメ平の湿原回復作業】
毎年、秋になる頃、アヤメ平での湿原回復作業に取り組んでいます。アヤメ平は昭和40年代から回復作業に取り組んできていますが、緑は戻ってきたものの、まだ1割は回復するまでに時間がかかりそうです。一昨年より、まだ回復していない箇所を中心に、試験的に新しい工法で実施しました。その成果を見ながら、今後につなげていく予定ですが、少しでも「復活」の姿が見られるといいな。約半世紀を経て、緑が戻ってきていますが、アヤメ平は、一度失った自然を取り戻すには、とても長い時間をかかるということを教えてくれる場所でもあります。

【冬支度】
10月半ばを過ぎると、尾瀬の山小屋や尾瀬ヶ原にかかる橋は冬支度の準備を始めます。尾瀬では、約2~3mほどの雪が積もる豪雪地帯のため、雪の重さでつぶれることのないように、橋板を取り外したり、山小屋の入り口をふさぐ作業をしています。尾瀬のシーズンは本当にあっという間に過ぎ去っていったように感じました。今年の尾瀬シーズンが待ち遠しいな!!

【田代山・帝釈山】
尾瀬国立公園の中にある田代山・帝釈山に東京電力環境保全スタッフたちと一緒に行ってきました。10月にもかかわらず、前日の夜から雪がしんしんと降り、雪山と姿を変えていました・・・。群馬県側のことなら何でもわかるスタッフ達ですが、福島県側は専門外。そのため、今回は研修を兼ねて福島県側でガイドをされている方に同行いただき、たくさんの話を聞かせてくださいました。私の今年の尾瀬シーズンは季節外れの「春の雪」で始まり、「秋の雪」で終わったような気がします。以上、「尾瀬だより」振り返りでした。

【社外講演会に行ってきました】
ここからは昨年の12月のできごとをお伝えします。フォーラム「食とみどり、水をまもる全国集会」の場で尾瀬の自然保護活動のお話をさせていただきました。社外の方々にお話をする度、緊張をしてしまうのですが、参加してくださった方々は熱心に聞いてくださり、落ち着いて話をすることができました。

(12月11日 都内にて)

【尾瀬沼】
尾瀬沼に行く途中にある三平峠では、30cm以上ほどの雪が積もったそうです。でも、東京電力自然学校スタッフの話によれば、尾瀬がある片品村でも尾瀬ヶ原や尾瀬のふもと・戸倉以外はまだまだ雪が積もらないそうです。とはいえ、冬はこれから本番ですよね。長い長い冬の眠りがこれからやってきそうですね!!以上、昨年12月のできごとのお知らせでした。

(12月13日 三平峠)

次回は、1月中旬以降に、最近の尾瀬の様子をお伝えします。

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