2016年12月13日
東京電力ホールディングス株式会社

 当社は、本年11月にOSIsoft社※1と、IoTの活用によるリアルタイムな経営判断や業務効率の向上を可能にするとともに、新たに開発するIoTソリューションを国内外に展開することに向けた包括的な戦略提携に合意いたしましたが、このたび、東京電力グループ各社が保有するデータを活用した事業化検討を開始いたしました。
 世界各国のインフラ業界にIoT情報基盤の導入実績のあるOSIsoft社と包括的な戦略提携に合意したのは、国内電気事業者としては初めてのことです。

 この提携合意により、東京電力グループが有する電気事業のさまざまなオペレーションと、OSIsoft社の有する産業向けIoTプラットフォーム、IoT領域におけるグローバルな知識・経験の融合が実現し、当社はグループ全体の経営や新規事業の開発・推進を加速してまいります。

 具体的には、OSIsoft社が保有するIoT情報基盤の世界標準ソフトウェアPI System※2を利用して、東京電力グループ各社が有する電力事業のさまざまなビッグデータを集約し、知的資産として活用いたします。
 また、OSIsoft社から、グローバルで先進的なIoTの活用事例やマーケティング情報を入手することで、当社はさまざまな分野において「TEPCOソリューション」を生み出し、お客さまをはじめとした社会の皆さまに新しい価値をご提供いたします。

 なお、こうした取り組みは、本年11月に経済産業省が設置した「電力インフラのデジタル化研究会(E-Tech研究会)」※3における議論とも方向性が一致したものであり、電力産業の競争力強化にも貢献できると考えております。

 当社は、「TEPCOソリューション」を日本の電力業界、世界のエネルギー業界に展開することにより、新たな収益を確保するとともに、エネルギーシステム全体の効率化ならびにコスト低減を目指してまいります。

【東京電力フュエル&パワー株式会社の例】
・一部の火力発電所(約600万kW)の運転データを活用して、2017年1月から遠隔監視を開始。
・これにより、故障予兆検知で予期しない発電所の異常・停止を回避し、また熱効率管理で発電効率を向上させることにより、発電コストの低減を実現。
・今後は、PI Systemの活用により、遠隔監視を行う火力発電所の範囲拡大や海外の発電所へ展開する。

【東京電力パワーグリッド株式会社の例】
・実証実験中の次世代監視制御システム※4について、2019年3月からPI Systemを活用した本格運用を予定。
・これにより、設備効率および業務効率が向上し、設備保全のトータルコストが削減できるとともに、業務品質が担保され、電力のさらなる安定供給を実現。
・今後は、次世代監視制御システムからの運転データ等を設備保全システムと連携させるなどしてIoT情報へと変換し、新たな価値を創出していく。

以 上

※1  OSIsoft社
オペレーション情報管理の世界的なリーディング企業。1980年創業。IoT情報基盤のPI Systemを開発、展開。米国における全発電設備の情報基盤で50%~60%のシェアを占め、世界の電力・ガス・水道などのインフラ業界では1,000社以上の導入実績がある。従業員は約1,200人。本社は米カリフォルニア州サンレアンドロ。

※2  PI System(パイシステム)
OSIsoft社が開発する世界で最も広く使用されているIoT情報基盤の1つ。127か国以上、19,000か所を超える拠点に導入済。

※3  電力インフラのデジタル化研究会(E-Tech研究会)
電力インフラのデジタル化が実現しうる具体的な価値を広くアセスメントしつつ、国全体の電力産業の競争力強化に資する項目にフォーカスを絞りながら、具体施策を議論している研究会。2016年11月に経済産業省が設置。

※4  次世代監視制御システム
これまで複数箇所に分散していた給電所および制御所などを大規模に集中化した新しい監視制御システム。東京電力パワーグリッド株式会社が2018年度から2021年度にかけて設置する予定。

参考資料

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