トップメッセージ

自然の恵みをエネルギーに、そして社会に

 東京電力リニューアブルパワー株式会社は、2020年4月、東京電力ホールディングス株式会社の再生可能エネルギー事業を承継し、今年、再生可能エネルギー専業会社として3年目を迎えました。

 世界的にカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みは一層拡大してきており、お客さまからのCO2フリー電気への関心も急速に高まっています。例えば、事業運営に必要なエネルギーを再生可能エネルギーで100%まかなうことを目指す「RE100」加盟企業は年々増加しています。

 東京電力リニューアブルパワー株式会社は、このような流れをビジネスチャンスと捉え、長年にわたり水力発電や風力発電等の開発・計画から建設、O&Mを一貫して手掛けてきた経験・ノウハウを活かして、2030年度までに国内外で600~700万kWの電源を新規開発し、再生可能エネルギーの「主力電源化」を推し進めていきます。

 主力事業である国内水力事業では、監視制御拠点等の集中化や、現在も取り組んでいる中小経年水力のリパワリングを通じて、発電所の近代化・効率化を図ります。また、センシング、ビックデータ・アナリティクス、AIなどを活用したスマートO&Mといったデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組み、組織能力の強化や更なるビジネスモデルの変革に繋げていきます。

 さらに、国内水力事業での経験・ノウハウを基に水力を中心とした海外事業にも積極的に進出してまいります。2022年2月には、海外3号案件としてインドネシアの再生可能エネルギー事業者に出資参画いたしました。今後も開発ポテンシャルが高い国・地域において積極的に案件開発に取り組み、培った技術力を活かして出資参画した発電所のバリューアップを図り、海外においても経済的な再生可能エネルギーを普及させていきます。

 洋上風力については、銚子沖で日本初の着床式洋上風力の実証試験及び実証機の商用化を通じて、周辺環境との調和や漁業との共生に配慮しながら、厳しい海象、気象の下での建設やO&Mを経験してきました。これらの知見を活かして、洋上風力の開発・計画から建設、O&Mを一貫して手掛けていきます。
 また、今後の浮体式洋上風力の事業展開を見据えて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業やノルウェー沿岸におけるテトラ・スパー型風車の実証運転を行う共同実証プロジェクトに参画しています。
 600~700万kWの開発を進めるための資金調達としては、2021年度に二度に亘りグリーンボンドを発行しました。今後もサステナブルファイナンス、プロジェクトファイナンスなど柔軟な資金調達を実現していきます。

 東京電力リニューアブルパワー株式会社は、「自然の恵みをエネルギーに、そして社会に」を理念に、自然の恵みを最大限に活用して安定的に低廉な電気をお届けすることで、国内外に再生可能エネルギーを普及させ、社会全体のカーボンニュートラルの実現と地域に根差した産業の発展に貢献し、サステナブルな「未来エネルギー社会」を創造する会社を目指します。

O&M:オペレーション&メンテナンスの略

2022年4月 東京電力リニューアブルパワー株式会社 代表取締役社長 永澤 昌

代表取締役社長 永澤 昌