廃炉プロジェクト > 実施作業と計画 > 燃料取り出し > 1号機建屋カバー解体作業の概要
A.1号機では、放射性物質の飛散を抑えるため、平成23年10月に原子炉建屋全体を覆うカバーを設置しましたが、今後、燃料取り出しに向けて、がれきを撤去するため、建屋カバーを解体することとしています。この作業は、燃料デブリ取り出しの第一歩です。廃炉に向けて一歩前進する作業になります。
建屋カバー解体作業自体では、がれきを動かすことはありませんが、平成25年8月の3号機がれき撤去作業時の反省を踏まえて、放射性物質の飛散を抑える対策や、空気中の放射性物質濃度を監視する体制を強化しています。
A.平成25年8月、3号機のがれき撤去工事において、放射性物質が付着したチリやほこりが舞い上がり、空気中の放射性物質の濃度が一時的に上昇しました。
当社が敷地内に設置している計測器から評価をおこなったところ、放射性物質は2時間程のあいだに、北西方向に1300億ベクレルから2600億ベクレル飛散した可能性があり、当時、敷地境界でわずかに放射線量の上昇が見られました。その値は2時間の積算値で合計0.02マイクロシーベルトで、自然界から1年間に受ける量の100,000分の1程度のレベルであり、人体に影響を与えるレベルではないと考えております。
しかしながら、私たちはこのことを重く受け止めて、二度と同様の飛散を起こさないよう、1号機のカバー解体工事においては、飛散防止剤をまく頻度や範囲、濃度を見直し、飛散を抑える対策を強化しました。
A.カバー解体の作業は、オペレーティングフロア(建物最上階にある作業フロア)上で設置したダストモニタによってダストの飛散を監視しながら、約1年かけて慎重に行います。
A.敷地境界8箇所に、既設のモニタリングポスト(空間中の放射線を監視する装置)に加えて、ダストモニタ(空気中の放射性物質濃度を測定する装置)や、ダストサンプラ(空気中の放射性物質の採取装置)を追加設置しました。また、原子炉建屋近くのダストモニタを1箇所から3箇所に、そのほか構内のダストモニタを4箇所から5箇所に、追加設置しています。さらに、1,3号機のオペフロ4箇所ずつにダストモニタを設置し、監視体制を強化しています。
モニタリングポストや、ダストモニタで警報が発生した場合は、直ちに作業を中断して、全面マスクの着用や飛散防止剤の散布などの対応を行うとともに、速やかに自治体へ連絡し報道関係者お知らせします。
A.1号機のがれき撤去は以下の手順で行う予定です。
(1) 原子炉建屋北側に、がれき撤去用構台を設置します。
(2) 使用済燃料プール等を防護します。
(3) がれき撤去用構台の上に、がれき撤去用の小型重機を配置します。遠隔操作による無人施工です。
(4) 小型重機により、建屋北側よりがれきを撤去します。
(5) 天井クレーン・燃料取扱機を撤去します。
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