尾瀬をまもる取り組み

緑をまもる

尾瀬の美しさは国民的財産
尾瀬の美しさは国民的財産。東京電力はそう考えて、土地所有者として長年尾瀬をまもる様々な取り組みを行っています。尾瀬の美しさを象徴する「緑」「水」「空気」そして、「みんなの尾瀬をみんなでまもる」をキーワードにご紹介します。

アヤメ平の回復作業

現在も、緑の回復が十分でない場所を中心に、計画的に作業を行っています。

ミタケスゲ種子採取

尾瀬全域の湿原に分布し、乾燥した場所でも良く成長するミタケスゲ。こういった植物が戻ってくると、徐々に湿原に分布する様々な植物が繁殖できるようになる。

土留め区画設置

ミタケスゲの種子が雨などで流失しないよう、板を設置する。
水はけを考慮し、穴があけられている。

ミタケスゲ種まき作業

採取したミタケスゲの種子をまく。

わらごも敷き

まいた種子が風に飛ばされたり、流されたりしないよう、わらごもで覆う。

東京電力による湿原回復作業

1966年(昭和41年)、最初に群馬県が植生回復を試み、東京電力は1969年(昭和44年)より群馬県の実施方法~回復作業を実施してきました。

昭和44年~昭和45年(約0.2ha)

群馬県が実施した方法を参考に、アヤメ平と、アヤメ平尾根筋5ヶ所で最初の回復作業を行った。荒廃を免れた健全地から、影響を最小限に留めるよう植物群落をブロック上に切り取り、荒廃湿原に等間隔に移植を実施した。さらにこの移植した植物群落の間と、植物群落を切り取った跡地には、ミタケスゲの種子を播いた。
※このブロック移植は、昭和45年を最後に行っていない。

昭和52年~昭和59年(約0.2ha)

1966年(昭和41年)及び、1966、1967年(昭和44、45年)当時に移植された植物群落の多くは、ブロック状のまま繁殖することができなかった。なかでも枯死寸前の植物群落を再生させるために、株を掘り上げ、小さく分けて等高線上に列植し直した。また、泥炭層の流出が比較的少ない荒廃地には、ミタケスゲの種子を播き、雨水等による種子の流出を防ぐために、ワラゴモで覆った。さらに、泥炭の流出を防止するために、木道の廃材を利用して土留めを行った。

昭和60年~平成3年(約0.2ha)

移植株や種子がより発育しやすい土壌をつくるため、粉炭(木炭を砕いて粉にしたもの)の利用を考案した。荒廃地の泥炭は、含水量が少なく植物の根や種子の発育を困難にしているとの考えから、まずこの泥炭を細分化し、そこに、含水性を高め植物の根系の発育を助ける効果のある粉炭を混ぜ合わせた後に、列植や播種を行った。

平成4年~平成8年(約0.5ha)

従来の作業方法に次のような改良を加えた。一つは、ブロック移植株の再移植(列植)の方法。列間を空けていたものを、列問への自然繁殖が進まないことから、間を空けずに植えるようにした。(平成6年以降)次に、土留板の改良。土留には木道の廃材を利用してきたが、水を通過させにくいため、水たまりができて種子が腐るという欠点ができ、そこで、水はけを考慮し、薄いカラマツ板に穴を空けたものを使用するようにした。

今後の取組み

荒廃した約1haにわたり作業が一巡し、アヤメ平は徐々にかつての姿を取り戻しつつある。自然繁殖できず枯死寸前だったブロック移植株は、再移植によって再生し、荒廃前の植物を繁殖させている。また、ミタケスゲを播種したところでは、ミタケスゲが代償植生として緑の絨毯をつくっており、すでに自然移入したキンコウカ等の開花が見られる。今後は、まだ緑が戻らない初期の作業地を中心に、積極的に回復作業を進めていく。そして、近い将来には、キンコウカの花で一面が鮮黄色に輝く、かつての“アヤメ平”が蘇ることを確信している。

コラム 「アヤメ平」地名の由来

キンコウカを見る

キンコウカという植物の葉をアヤメと見間違えたことから

アヤメ平、と聞くとアヤメが咲き乱れる湿原を想像されるかもしれませんが、アヤメ平の地名の由来は、キンコウカという植物の葉をアヤメと見間違えたことによる、と言われています。キンコウカは北海道、本州中部以北に分布していて、7~8月頃に鮮やかな黄色の花を咲かせます。葉の形は剣状で、確かに似ていますが、長さが短いので、アヤメと間違えたことが少し不思議に感じられます。尾瀬にはおもしろい地名がたくさんありますので、それぞれの由来を調べてみるのも、尾瀬の楽しみ方の一つかもしれませんね。

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