東京電力は、昭和26年の設立時、尾瀬国立公園内の広大な森林を引き継ぎました。私たちは、この森林を「尾瀬戸倉の森」と名付け、大切に守り続けています。
昭和30年代の戦後復興期には、木材需要に対応するため、クロベ、ミズナラの木などを伐採して木材を供給し、伐採地にはカラマツを植え、人工林にしました。平成8年頃からは生育の悪いカラマツを切り、ブナやミズナラといった広葉樹を植え、より豊かな森林とするための整備を行ってきています。
そんな尾瀬戸倉の森ですが、オオハンゴンソウという大きな脅威が忍び寄ってきています。オオハンゴンソウは黄色い花を咲かせる植物で、漢字で「大反魂草」と書きます。繁殖力がとても強く、自生していた在来植物を根絶やしにするほどどんどん増えるため、特定外来生物にも指定されています。
尾瀬の豊かな在来植物をこの危機から守るため、東京電力リニューアブルパワーは、今年からオオハンゴンソウの駆除作業を始めました。草刈り機で草の部分を切り取るだけではまたすぐに生えてきてしまうため、手作業で根を抜き取る必要があります。オオハンゴンソウも簡単に抜かれまいとしっかりと根を張っているため、この作業がすごく大変です。
そんな特定外来生物であるオオハンゴンソウですが、花の部分は草木染めとして活用することが可能です。黄色い花部分を摘み取り、1時間ほど鍋で煮詰めた後、石や紐を使って絞り模様を描き、最後に媒染液に浸けて生地に色を定着させると、味のあるオリジナルの草木染めハンカチが作れます。
豊かな自然は見守るだけでは守れません。今後も片品村や尾瀬保護財団の皆さまなどと連携しながら活動を拡大し、尾瀬国立公園への特定外来生物の侵入を防いでいきます。
オオハンゴンソウの駆除作業
オオハンゴンソウの駆除作業
オオハンゴンソウ
草木染したハンカチを自然乾燥
オリジナルの草木染めハンカチ