夏にはキンコウカが黄色い絨毯のように花を咲かせた尾瀬の湿原は、秋には赤、オレンジ、黄色といった様々な色の草紅葉(くさもみじ)へと装いを変えます。草紅葉は、標高が高い会津駒ケ岳(標高2,133m)から始まり、燧ケ岳の熊沢田代(標高2,000m)、アヤメ平(標高1,900m)へと続き、現在は尾瀬ヶ原(標高1,400m)がピークを迎えています。草紅葉の紅葉は日々刻々と進み、あっという間に見ごろを迎えます。
葉の色味による違いも楽しめますが、日当たり次第で色の濃淡も違ってきます。また、陽が当たる角度や時間帯によっても表情が変わり、その姿は、尾瀬の草紅葉の魅力の一つと言えるでしょう。さらに秋風が吹くと、かさかさと葉音が湿原一帯に響き、その音もまた心地よいものです。
10月下旬に近づくと、例年、赤、オレンジ、黄色に染まっていた湿原は、金色一色の世界へと姿を変えていきます。ここまでくると、尾瀬の秋も終わりで、冬支度が始まります。
あっという間だからこそ価値のある紅葉を見に、尾瀬へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
アヤメ平の草紅葉
沼尻湿原ヒツジグサの紅葉
10月初旬の尾瀬ヶ原の朝
10月初旬の尾瀬ヶ原夕刻
夕日に染まる燧ケ岳
やがて黄金色へと変わっていく湿原