5月初旬、「水芭蕉プロジェクト」メンバーである東京パワーテクノロジーと、東京パワーテクノロジーから委託を受け、ミズバショウの育成業務を担っている東電ハミングワークの園芸グループスタッフ、群馬県立尾瀬高校2年生の皆さまで大清水湿原に入り、自分たちが大切に育て湿原へ戻したミズバショウの開花状況を調査しました。雨がぱらつき肌寒さを感じる天候のなか、「湿原に本当に入っていいの?」という気持ちを抱きつつ、通常は立ち入りが禁止されている大清水湿原の中へ。一輪一輪丁寧に数え、合計5,221輪のミズバショウが花を咲かせていることを確認しました。中には、白い仏炎苞(ぶつえんほう)※が2枚ある希少な品種の「オチクラミズバショウ」もありました。
自然の中ではミズバショウは発芽から花が咲くまで10年近い歳月が必要と言われています。そのため、かつてのようにミズバショウが湿原に咲き乱れるほどの復活は自然の力だけでは厳しいと言えます。そこで「水芭蕉プロジェクト」では、ある程度の大きさの苗になるまで別の場所で大事に育て、それを大清水湿原へ戻す活動をしています。プロジェクトの目標である「2030年までに2万株の開花」を実現するには、まだまだ課題があります。課題を1つひとつクリアする努力をし、大清水湿原の環境保全とミズバショウの栽培・移植を続ける「水芭蕉プロジェクト」を見守っていきます。
※ミズバショウは中央にある黄色の棒状部分が花で、白い花びらのような部分は仏炎苞と呼ばれ、花を保護する葉のような役割をはたしています。

大江湿原でのミズバショウ開花調査の様子

希少な品種のオチクラミズバショウ