2021年12月1日
東京電力リニューアブルパワー株式会社
Royal Dutch Shell plc
RWE Renewables GmbH
Stiesdal Offshore Technologies A/S

　東京電力リニューアブルパワー株式会社（本社：東京都千代田区、以下「東電RP」）、Royal Dutch Shell plc（本社：オランダ、以下「Shell」）、RWE Renewables GmbH（本社：ドイツ、以下「RWE」）、Stiesdal Offshore Technologies A/S（本社：デンマーク王国、以下「SOT」）は、事業会社であるTetraSpar Demonstrator ApS（本社：デンマーク王国、以下「TSD」）を通じて、テトラ・スパー型浮体式洋上風力発電実証プロジェクトを共同で実施しておりますが、11月29日、ノルウェー王国のスタヴァンゲル近くの海洋エネルギーテストセンターにおいて実証運転（出力3,600kW×1基）を開始しました。

　テトラ・スパー型は、工場で製作した小部材で大型の浮体部分を組み立てる点、港湾内で溶接など特殊な工程が不要である点、港湾で風車を組み立てるため沖合で特殊施工船舶による作業が不要な点などにより、製造・組立・設置の簡略化が可能という設計コンセプトを有しており、これまでの工程を通じて、コスト面・安全面ともに競争上の優位性を確認することができました。
　引き続き、3～5年の実証運転の中でデータを収集し、同型の性能と特性を分析しながら、運用面における技術の早期確立も図ってまいります。

　東電RP、Shell、RWE、SOTおよびTSDは、本プロジェクトから得られた知見を最大限に活用して洋上風力発電の可能性を拡大し、クリーンで持続可能なカーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。

東電RP　文挾 誠一代表取締役社長のコメント；
世界的に期待の大きい浮体式洋上風力。その中でも、とりわけチャレンジングな取り組みであるテトラ・スパー型の実証研究プロジェクトにおいて、今回、製造・組立・運搬・設置の各工程が進み実証運転を始めることができたことは、大きなマイルストーンへの到達であると同時に、テトラ・スパー型の商用化に向けた分水嶺を越えたことを意味します。日本では、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、2030年以降、浮体式洋上風力の拡大が見込まれています。テトラ・スパー型は、日本の自然条件下でも適用できる可能性があり、コスト面の優位性も見込めることなどから、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて重要な役割を担うことができる、将来有望な技術と考えており、今後、ノルウェー沖での数年間での実証で、テトラ・スパーの運転実績を積みあげていきたいと考えています。

Shell　Renewables and Energy Solutions 副社長 Thomas Brostrom氏のコメント；
このような重要な節目を迎えられたことを大変喜ばしく感じるとともに、浮体式という真に革新的なコンセプトの実現に貢献できたことを光栄に思います。当社は今後も、テトラ・スパー型のような有望技術に対し技術面、資金面で支援を行い、浮体式洋上風力事業の更なる発展に寄与してまいると同時に、浮体式洋上風力技術をグローバル展開し、お客様の事業や社会全体の更なる脱炭素化に努めてまいります。

RWE　CEO Sven Utermöhlen氏のコメント；
本プロジェクトは、チャレンジングであり、刺激的なものでした。テトラ・スパー型は、産業化を念頭に置いた製造・組立方法が特徴でもあり、これは長期的なコスト削減において欠かせないことです。本プロジェクトに参画することで、テトラ・スパー型の商用化実現に向けた貴重な情報を得られ、また、パートナー企業と共に、革新的な技術を提供することが出来たことは、大変素晴らしい経験となりました。さらに、当社が培ってきた着床式洋上風力の知見を、本プロジェクトに活かすことが出来たことは、大変重要なことです。今回の成功は、当社が今後も最先端のイノベーションを提供し続けることへの励みとなりました。

SOT　CEO兼TSD取締役会長 Henrik Stiesdal氏のコメント；
今回の実証運転開始は、本プロジェクトにおける重要なマイルストーンです。革新的なプロジェクトを実証運転開始まで事故もなく完遂出来たことを嬉しく感じています。今回のプロジェクト遂行には、パートナー企業の豊富な経験が不可欠でした。数年前まで実現が難しいと思われていたアイデアや設計構想に過ぎなかった新しい技術が実現できたことを、心から嬉しく感じています。浮体式洋上風力の商用化をという目標は、今回の成功により、実証レベルに留まらずウィンドファームの実現というレベルにまで達したと思っています。

以　上