海洋生物の飼育試験



2022年から実施してきたALPS処理水を使った海洋生物飼育試験については、計画していた試験をすべて完了し、2025年3月31日をもって終了しました。

海洋生物の飼育試験(2025年3月終了)とは

ALPS処理水を海水で希釈した水で、海洋生物を飼育しました。

「海洋生物の飼育試験」は、ALPS処理水の海洋放出にあたり、実施主体である当社が、実際に、ALPS処理水を海水で希釈した水で、ヒラメやアワビ等の海洋生物を飼育し、その飼育状況や結果を情報公開してきた一連の取組みです。
海洋放出前の2022年3月から練習飼育を始め、2022年10月から2025年3月までの間、ALPS処理水を使った飼育試験を実施しました。
飼育期間中、海洋生物の飼育状況や飼育で分かったことなどを随時、当社ホームページやSNSで発信し、また、飼育時のライブカメラ映像をSNSで広く公開してきました。

情報公開

海洋生物飼育試験の実施に合わせ、飼育日誌(web,X(旧Twitter))、飼育映像(YouTube)などを通じて、飼育状況を公開してきました。
アーカイブは下記リンクからご覧いただけます。

飼育試験を通じてお示ししたこと

飼育試験においては、下記の試験結果などを、目に見える形でお示ししました。

  • 「通常海水」と「海水で希釈したALPS処理水」の双方の環境下で飼育し、生育状況に違いがみられなかったこと。

  • 過去に複数の機関から報告された「生体内のトリチウム濃度が生育環境以上に濃縮されない」という学術的な知見と同様の傾向が、「海洋生物の飼育試験」においても確認されたこと。

※これらの試験結果については、動画でも詳しくご紹介しています。

リーフレット

飼育試験の内容

飼育環境 水槽
❶通常海水
水槽
❷海水で1,500ベクレル/㍑未満に希釈したALPS処理水
水槽
❸海水で30ベクレル/㍑程度に希釈したALPS処理水
水槽
❹環境へ放出された水
(260ベクレル/㍑程度)
飼育対象・試験開始 ヒラメ
  • ❶、❷、❸の水を使った飼育状況比較試験(成長の状況や生存率を比較)
  • 自由水型トリチウムの体内濃度試験(取込試験に❷、排出試験に❶の水を使用)
  • 自由水型トリチウムの体内濃度試験(取込試験に❸、排出試験に❶の水を使用)
  • 有機結合型トリチウムの体内濃度試験(取込に❷、排出に❶の水を使用)
  • 2024年10月15日から飼育のみを実施
アワビ
  • ❶と❷の水を使った飼育状況比較試験(成長の状況や生存率を比較)
  • 自由水型トリチウムの体内濃度試験(取込に❷、排出に❶の水を使用)
  • 2024年10月15日から飼育のみを実施
海藻類
  • 自由水型トリチウムの体内濃度試験(取込に❷、排出に❶の水を使用)
    -

飼育試験における環境設定

  • 通常海水

  • 海水で1,500ベクレル/㍑未満に希釈したALPS処理水

    ALPS処理水の処分に関する政府の基本方針において定められた1,500ベクレル/㍑未満を考慮し、飼育時のトリチウム濃度は1,500ベクレル未満に調整。

  • 海水で30ベクレル/㍑程度に希釈したALPS処理水

    拡散シミュレーションの放水トンネル出口周辺のトリチウム濃度が、30ベクレル/㍑程度であることから、30ベクレル/㍑程度に調整。

    拡散シミュレーションの放水トンネル出口周辺のトリチウム濃度(30ベクレル/リットル程度)

  • 環境中へ放出された水(260ベクレル/㍑程度)

    海洋放出開始後には環境中に放出された水(260ベクレル/㍑程度)でも飼育を実施。

    環境中に放出された水(260ベクレル/㍑程度)

飼育試験における主な取組み

飼育試験の実施にあたり、事前に半年以上にわたって練習飼育を行い、2022年9月30日からALPS処理水を使った飼育試験を開始しました。計画していた試験を全て終え、2025年3月31日をもって飼育試験を終了しました。

2022年

3月17日

発電所構外において通常海水での練習飼育開始 詳細はこちら

飼育練習用水槽

ヒラメ

6月9日

弱っていたヒラメのエラに寄生虫を確認 詳細はこちら

その後塩水浴やUV殺菌装置の設置などの寄生虫対策を実施

寄生虫の群体

取り出した寄生虫

9月13日

発電所構内の飼育試験用水槽でのならし飼育開始 詳細はこちら

飼育試験用水槽

輸送用生簀(いけす)で塩水浴中

9月30日

ヒラメの飼育試験開始 詳細はこちら

ヒラメの飼育試験開始1

ヒラメの飼育試験開始2

10月3日

試験用水槽にALPS処理水を添加 詳細はこちら

処理水添加中

10月25日

アワビの飼育試験開始 詳細はこちら

アワビの飼育試験開始1

アワビの飼育試験開始2

12月26日

ヒラメの体液中のトリチウム(自由水型トリチウム[以下FWTという])の取込・排出試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表 詳細はこちら

ヒラメの体液中のトリチウム(自由水型トリチウム[以下FWTという])の取込・排出試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表

2023年

5月1日

アワビのFWTの取込・排出試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表 詳細はこちら

アワビのFWTの取込・排出試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表

5月9日

海藻(ホンダワラ)の飼育試験開始 詳細はこちら

ホンダワラ採取中

ALPS処理水添加水槽中のホンダワラ

5月10日

海洋生物の専門家によるヒラメ、アワビの生育状況確認 詳細はこちら

海洋生物の専門家によるヒラメ、アワビの生育状況確認

5月31日

海藻のFWTの取込・排出試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表 詳細はこちら

海藻のFWTの取込・排出試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表

12月11日

ヒラメの筋肉中のトリチウム(有機結合型トリチウム[以下OBTという])の取込試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表 詳細はこちら

ヒラメの筋肉中のトリチウム(有機結合型トリチウム[以下OBTという])の取込試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表

2024年

1月10日

ヒラメのOBTの排出試験開始 詳細はこちら

ヒラメのOBTの排出試験開始

10月15日

環境中へ放出された水を使用した、ヒラメ、アワビの飼育開始 詳細はこちら

環境中へ放出された水を使用した飼育開始①

環境中へ放出された水を使用した飼育開始②

2025年

3月27日

2年半にわたるヒラメのOBTの取込・排出試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表 詳細はこちら

試験結果を海洋生物飼育日誌で公表

試験結果を海洋生物飼育日誌で公表

3月28日

海洋生物飼育試験終了にあたってのご挨拶 詳細はこちら

海洋生物の飼育試験 終了

海洋生物の飼育試験 終了

海洋生物の飼育試験 終了

海洋生物の飼育試験 終了

3月31日

海洋生物飼育日誌 終了 詳細はこちら