海洋生物の飼育試験



計画していた海洋生物の飼育試験はすべて完了したことから、2025年3月31日をもって飼育試験を終了いたします。

飼育状況の公開

海洋生物の飼育状況は、飼育日誌や月報、ライブ映像等を通じて、タイムリーに、広く情報公開しています。

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目的

放出する水の安全性を「目に見える形」でお示しします

ALPS処理水の海洋放出にあたり、海洋生物の飼育試験を実施し、その状況を「目に見える形」でお示しすることを通じて、放出する水の安全性をお伝えしてまいります。

飼育状況の結果

ヒラメ体内のトリチウム濃度の測定結果と考察

自由水型トリチウム(FWT):生物の体内で水の形で存在しているトリチウム

有機結合型トリチウム(OBT):生物の体内で、炭素などの分子に有機的に結合しているトリチウム

  • 測定結果をグラフ化する際、検出限界値未満及び不純物の混入が疑われるデータを除いている
  • 過去に、同様な分析結果が下記文献で報告されている。
    (公財) 環境科学技術研究所 「平成21年度 陸・水圏生態系 炭素等移行実験調査報告書」

【動画の概要】

動画の概要
  • ヒラメ体内のトリチウム濃度は、
    育成しているALPS処理水を含む海水のトリチウム濃度以上にはならない。
    【トリチウム取込試験】
  • 一定期間で、育成環境の海水と同じくらいの濃度に保たれる。
    【トリチウム取込試験】
  • その後、通常の海水へ戻すと、時間の経過とともにヒラメ体内のトリチウム濃度が
    速やかに下がる。
    【トリチウム排出試験】
から、ヒラメ体内において、トリチウムが蓄積・濃縮されないと考えています。
  • アワビと海藻も、ヒラメと同様の結果となっている。現在は、ヒラメのOBT濃度試験を実施している。

飼育試験の概要

飼育試験では、「通常海水」と「海水で希釈したALPS処理水」の双方の環境下で飼育し、生育状況を比較します。また、「海水で希釈したALPS処理水での飼育において生体内のトリチウム濃度が一定期間で平衡な状態に達すること」や、「トリチウム濃度が生育環境以上にならないこと」を確認します。

  • 福島県沖の近海に生息している、ヒラメ、アワビ、海藻を飼育対象として選定。

    飼育対象[ALPS処理水海洋放出開始前]

    魚類
    ヒラメ(幼魚)800尾程度
    貝類
    アワビ(稚貝)800個程度
    海藻
    ホンダワラ 数kg程度
  • 放射性物質の取り扱いに注意し、閉鎖循環式の環境で飼育。

  • 飼育対象全てのトリチウム濃度等を測定、評価。

※水槽の水を浄化し、飼育用水として繰り返し使用する飼育方法です。管理対象区域である発電所構内では、飼育水を捨てることができないため、飼育水を浄化して繰り返し使って飼育しています。

飼育試験における環境設定

  • 通常
    海水
    通常の海水 [発電所周辺の海水を採取]

  • 条件 海水で希釈したALPS処理水 [トリチウム濃度:1,500ベクレル/㍑未満]

    ALPS処理水の処分に関する政府の基本方針において定められた1,500ベクレル/㍑未満を考慮し、飼育時のトリチウム濃度は1,500ベクレル未満に調整。

  • 条件 海水で希釈したALPS処理水 [トリチウム濃度30ベクレル/㍑程度]

    拡散シミュレーションの放水トンネル出口周辺のトリチウム濃度が、30ベクレル/㍑程度であることから、30ベクレル/㍑程度に調整。

    拡散シミュレーション結果による放水出口近傍の年間平均最高濃度(30ベクレル/リットル程度)

  • 参考 環境へ放出された水 [トリチウム濃度1,500ベクレル/㍑未満]

    海洋放出開始後には環境中に放出された水(トリチウム濃度1,500ベクレル/㍑未満)でも飼育を実施。

    環境中に放出される濃度(100~300ベクレル/リットル程度)

飼育試験の状況

飼育試験の状況

これまでの実績

飼育試験の実施にあたり、事前に半年以上にわたって練習飼育を行い、2022年9月30日から飼育試験に移行しました。

2022年

3月17日

発電所構外において通常海水での練習飼育開始 詳細はこちら

飼育練習用水槽

ヒラメ

6月9日

弱っていたヒラメのエラに寄生虫を確認 詳細はこちら

その後塩水浴やUV殺菌装置の設置などの寄生虫対策を実施

寄生虫の群体

取り出した寄生虫

9月13日

発電所構内の飼育試験用水槽でのならし飼育開始 詳細はこちら

飼育試験用水槽

輸送用生簀(いけす)で塩水浴中

9月30日

ヒラメの飼育試験開始 詳細はこちら

ヒラメの飼育試験開始1

ヒラメの飼育試験開始2

10月3日

試験用水槽にALPS処理水を添加 詳細はこちら

処理水添加中

10月25日

アワビの飼育試験開始 詳細はこちら

アワビの飼育試験開始1

アワビの飼育試験開始2

12月26日

ヒラメの体液中のトリチウム(自由水型トリチウム[以下FWTという])の取込・排出試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表 詳細はこちら

ヒラメの体液中のトリチウム(自由水型トリチウム[以下FWTという])の取込・排出試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表

2023年

5月1日

アワビのFWTの取込・排出試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表 詳細はこちら

アワビのFWTの取込・排出試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表

5月9日

海藻(ホンダワラ)の飼育試験開始 詳細はこちら

ホンダワラ採取中

ALPS処理水添加水槽中のホンダワラ

5月10日

海洋生物の専門家によるヒラメ、アワビの生育状況確認 詳細はこちら

海洋生物の専門家によるヒラメ、アワビの生育状況確認

5月31日

海藻のFWTの取込・排出試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表 詳細はこちら

海藻のFWTの取込・排出試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表

12月11日

ヒラメの筋肉中のトリチウム(有機結合型トリチウム[以下OBTという])の取込試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表 詳細はこちら

ヒラメの筋肉中のトリチウム(有機結合型トリチウム[以下OBTという])の取込試験結果を「海洋生物飼育日誌」で公表

2024年

1月10日

ヒラメのOBTの排出試験開始 詳細はこちら

ヒラメのOBTの排出試験開始

10月15日

環境中へ放出された水を使用した、ヒラメ、アワビの飼育開始 詳細はこちら

環境中へ放出された水を使用した飼育開始①

環境中へ放出された水を使用した飼育開始②