当社は、第20回「原子力安全・品質保証会議」を5月29日に開催いたしました。
 本会議は、原子力安全と品質保証に関する取組みについて、有識者の方に、総合的に審議していただくことを目的としています。また、後半では「新潟県中越沖地震危機管理検証委員会」として柏崎刈羽の復旧状況等を報告しました。

1.開催日時等

日 時
平成21年5月29日(木) 13時15分~16時20分
場 所
東京電力株式会社 本店
出席者
(議 長)矢川 元基 東京大学 名誉教授
(敬称略)
(委 員)犬伏 由利子 消費科学連合会 副会長
河野 武司 慶應義塾大学法学部 教授
鈴木 和幸 電気通信大学電気通信学部 教授
竹野下 喜彦 弁護士
【当社側同席者】
清水社長、武黒副社長原子力・立地本部長、武藤常務原子力・立地本部副本部長、内藤常務、原子力・立地業務部長、原子力品質・安全部長、原子力運営管理部長、原子力設備管理部長、立地地域部部長、原子力品質監査部長、福島第一原子力発電所長、福島第二原子力発電所副所長、柏崎刈羽原子力発電所長

2.矢川議長ご挨拶

 柏崎刈羽原子力発電所7号機は5月20日11時10分に発電を開始した旨、報道により了解している。現在出力50%の段階まで来たということで、委員一同うれしく思っている。今後もstep by stepで、情報公開の面も含め、着実に実施願いたい。
 本日の主なテーマは「原子力保全部門の人材育成と要員確保について」であるが、安品会議委員にも大学の先生が3人おり、人材教育の観点から関心が高い。忌憚のない審議をしたいと考えるので、よろしくお願いする。

【会議の様子】

会議の様子

3.議事等

(1)審議・報告事項

1 第19回原子力安全・品質保証会議議事録の確認について(審議事項)

標記議事録について審議、了承。

2 平成20年度下期テーマ監査結果について(審議事項)

標記テーマ「原子力保全部門の人材育成と要員確保について」の監査結果を会社側より報告し、審議、了承(監査結果の概要は別添PDFファイル参照 )。なお、監査結果に基づく課題については、今後、フォローアップを予定。

(主なご意見)

  • バブル崩壊期をうまく乗り越えた企業とそうでない企業を品質管理の面から分析すると、前者は人材育成を重視した企業である。東電全体の人材育成についてのビジョンを踏まえ、社内で着実に具体化すべき。
  • 力量確認について複数の方法がとられているので、結果系から見て、どういう方法が適切かよく検討し、部門で統一すべき。
  • 3発電所間の人事交流は従来より乏しい状況にあるが、会社としてのポリシーを明確にし、後継者の育成といった柱を明らかにして、人事交流を着実に実施することが肝要。
  • 原子力部門におけるコストと安全性の関係について、安全性を損なわないことを大前提とし、その上で企業としてコスト低減を考える必要もあるだろう。国の規制による制約が大きいのであれば、ボトムアップで訴える必要があるのではないか。
  • 広報活動に一層力を入れるべき。一般の人に原子力発電所をもっと知ってもらうために、従来より説得力のある広報のあり方を考えてほしい。また、発電所のプラス面の情報がもっと報道されれば、働く所員のやりがい、モチベーションがあがるのではないか。

(総括コメント)

  • 原子力保全部門の人材育成について、組織としての目標は、現場力向上、課題解決力向上を図りつつ世界のトップの発電所を目指すことであり、個人の観点では、やりがい、達成感、繁忙感の面から改善・向上を図ることである。
  • 人事交流の今後について、監査部でフォローしてほしい。

3 平成21年度上期監査テーマの選定について(審議事項)

監査テーマ候補として、会社側より、「原子力保全部門と協力企業との連携について」を提案し、審議、了承。

4 平成20年度上期テーマ監査結果に基づく課題等のフォロー状況について

(主なご意見)

  • 会社側より説明し、審議、了承。

5 平成21年度品質監査計画策定の方針について

  • 会社側より説明し、審議、了承。

6 柏崎刈羽原子力発電所の現況について

  • 発電所の復旧状況および火災防止に向けた抜本的強化策の実施状況等について、会社側より説明し、報告。

(2)次回の予定

 第21回会議は、本年11月、本店において開催予定。

以 上