当社は、第21回「原子力安全・品質保証会議」を11月6日に開催いたしました。
 本会議は、原子力安全と品質保証に関する取組みについて、有識者の方に、総合的に審議していただくことを目的としています。また、後半では、柏崎刈羽原子力発電所の現況について報告しました。

1.開催日時等

日 時
平成21年11月6日(金) 14時00分~17時10分
場 所
東京電力株式会社 本店
出席者
(議 長)矢川 元基 東京大学 名誉教授
(敬称略)
(委 員)犬伏 由利子 消費科学連合会 副会長
河野 武司 慶應義塾大学法学部 教授
鈴木 和幸 電気通信大学電気通信学部 教授
高倉 吉久 東北放射線科学センター 理事
竹野下 喜彦 弁護士
【当社側同席者】
清水社長、武黒副社長原子力・立地本部長、武井常務、立地地域部長、原子力設備管理部長、原子力・立地業務部長、原子力品質・安全部長、原子力運営管理部長、原子燃料サイクル部長、資材部発電設備調達センター所長、原子力品質監査部長、福島第一原子力発電所長、福島第二原子力発電所副所長、柏崎刈羽原子力発電所ユニット所長

2.矢川議長ご挨拶

 先般、富津火力発電所を見学させていただき、最新鋭火力のハイテク技術を見て、大変勉強になった。本日の主なテーマは「原子力保全部門と協力企業との連携について」であるが、前回テーマの人材育成と同様に、今回も難しい問題である。今回はこれに加え、協力企業との関係があり、インターフェイスが増え、複雑になる。今後の課題である技術者の育成や、コミュニケーション、技術継承も含め、忌憚のない審議をしたいと考えるので、よろしくお願いする。

【会議の様子】

会議の様子

3.議事等

(1)審議・報告事項

1 第20回原子力安全・品質保証会議議事録の確認について(審議事項)

標記議事録について審議、了承。

2 平成21年度上期テーマ監査結果について(審議事項)

標記テーマ「原子力保全部門と協力企業との連携(工事管理および工事評価の視点)」の監査結果を会社側より報告し、審議、了承(監査結果の概要は別添PDFファイル参照 )。
なお、監査結果に基づく課題については、今後、フォローアップを予定。

(主なご意見)

  • マニュアルの整備は進んでいるようだが、自分の業務範囲だけの整備になりがちである。業務範囲以外のことは気にしないため、現場の変化に気が付かず事故につながってしまう。マニュアルは手順書に過ぎず、マニュアルにとらわれ過ぎているのではないか。
  • 我々が求めているものは安全である。マニュアルは、その作成された意味を考えることが大切。そして、何のために作業をしているかを話し合うことが、有効なコミュニケーションである。
  • コミュニケーションにおいては、フォーマルなものも良いが、インフォーマルな腹を割った話し合いも大切。
  • 他産業では、遵守すべき項目について、画像等による視覚的で分かり易いマニュアル等が多い。東電もポイントをおさえた工夫があると良い。
  • マニュアル化の背景は、欧米の契約社会における「相手への不信感」によるもの。安心感という意味では、マニュアルは必須であるが、どこまで詳しく書くべきかは難しい。
  • 安全の見える化は重要であり、今後も進めてほしい

(総括コメント)

  • 今回の監査で良かった点は、「エリア管理の実施」による効果確認。「見える化の拡大」が進んでいることである。
  • 一方で、マニュアル、コミュニケーション、施工要領書など、今後議論が必要なことも明らかになった。
  • 長い目で見ると、世の中では現場力やメーカー技術力が落ちてきていると思う。技術者を目指す若者が、減少してきている昨今、企業も含めて技術者の育成に力を入れるべきである。

3 平成20年度下期テーマ監査結果に基づく課題等のフォロー状況について

(主なご意見)

  • 会社側より説明し、審議、了承。

4 平成21年度下期監査テーマの選定について(審議事項)

監査テーマ候補として、会社側より、「原子力保全部門と協力企業との連携(保全計画の策定、設計管理および調達管理の視点)」を提案し、審議、了承。

5 柏崎刈羽原子力発電所の現況について

発電所の最新状況、火災・人身災害防止に向けた再発防止対策と撲滅に向けた取組み等について、会社側より説明し、報告。

(2)次回の予定

 第22回会議は、来年5月、本店において開催予定。

以 上