第5回「原子力安全・品質保証会議」の開催について
当社は、第5回「原子力安全・品質保証会議」を11月7日に開催いたしました。
本会議は、原子力安全と品質保証に関する取り組みについて、有識者の方に、総合的に審議していただくことを目的とするものです。
1.開催日時等
- 日 時
- 平成15年11月7日(金) 14時00分~17時00分
- 場 所
- 東京電力株式会社 本店
- 出席者
- (議 長)矢川 元基 東京大学大学院 教授
- (敬称略)
-
(委 員)犬伏 由利子 消費科学連合会 副会長
高倉 吉久 東北放射線科学センター 理事
竹野下 喜彦 弁護士
高中條 武志 中央大学理工学部 教授
広瀬 弘忠 東京女子大学文理学部 教授 - 【当社側同席者】
勝俣社長、白土副社長原子力本部長、村田副社長、佐竹取締役原子力本部副本部長、尾崎原子力品質監査部長
2.矢川議長ご挨拶
- 本会議は重要な会議と認識しており、成合前議長のもと一定の成果を上げてきていると認識している。
- 今回の一連事は、技術の問題だけでなく、人、組織、社会が複雑に関係しており答えを出すのがなかなか難しい問題と思っている。
- 品質保証の構築には、最終的には元請企業や下請企業の隅々まで品質の考え方が到達しないと意味がない。微力ではあるが、お役に立てればと思う。よろしくお願いしたい。
3.議事等
(1)審議・報告事項
1)15年度上期テーマ監査結果について(審議事項)
- 監査結果
標記、監査結果について審議、了承(監査結果概要は別添PDFファイル参照)
なお、監査所見に基づく指摘・要望に対する各発電所の是正・改善状況については、今後、フォローアップを実施していく。
2)15年度下期監査テーマ選定について(審議事項)
- 監査テーマ選定
事務局(原子力品質監査部)より、テーマ候補として、
・社外委託業務の管理状況について
・主要業務の文書及び記録管理の状況について
・不祥事に関する再発防止対策の推進状況について
・不適合事象の社外への情報提供及び公表の状況についての4テーマを提案し、了承。
3)第4回原子力安全・品質保証会議議事録について(審議事項)
- 標記、議事録について審議、了承。
4)原子力品質監査部活動状況報告(報告事項)
- 原子力品質監査部の原子力本部に対する業務品質監査、原子力部門が6月から9月に実施した「原子力安全・品質特別強化活動」に関する監査、発電所品質監査部の「原子炉格納容器漏えい率検査」の実施状況監査、不適合処理状況監査等の活動状況について報告、了承。
5)原子力再生プロジェクト進捗状況報告について(報告事項)
- 不祥事発生以降、「世界最高水準の安全性と品質レベルを有する原子力発電所」の構築に向けて原子力部門が取り組んでいる再生プロジェクトの活動状況について報告、了承。
6)原子力発電所における品質保証体制の充実について(報告事項)
- 原子力発電所における品質保証、安全確保・向上に向けた体制整備の取り組み状況について報告、了承。
(2)主な意見
- 人材育成には、力量基準と関連づけて目標を定めることが重要。どれだけ、業務知識がつき、モラル、意識が変わったのかを評価することが重要。
- 教育訓練だけに絞らず、人材育成という観点に立った教育システムの在り方の検討も進めること。その際には、協力企業も含めて検討を進めること。
- 情報提供の在り方について、現状、東京電力が置かれている立場を勘案すれば、些細なことでも、即座に公表する心構えでないといけない。その認識がまだ不足している。情報公開の判断の一元化を進めること。
- 不適合報告において、判断に迷ったらすぐに報告することを徹底すること。そのために、担当者と管理者の意識のギャップを調査し、その結果をもとに本来あるべき姿の議論を進めること。また、処理が適切でなかった過去の事例をよく検討すること。
- 「ヒューマンエラー」、「予定外事象」、「想定外事象」、「不適合事象」などの用語の使い方に一貫性をもたせること。
- 再生プロジェクトの集中的なプロセス改善モデルと、コミュニケーションスキルの訓練は、東電の安全文化の強化のために有効である。ただし、訓練効果の持続、効果波及のために今後ともこの種の研修は継続される必要がある。また、この研修効果を定量化する方法を確立すべきである。
- 不適合がきちんと報告されないのは、東電と協力企業(元請、下請)の間で、強者と弱者の論理が働いているのではないか。協力企業に対して、ミスをした際にきちんと報告できるよう東電が担保することが必要。
- 一般消費者は怖さを持っている。工事に従事する作業員は、毎日同じ作業を繰り返すため、その意識が希薄になっているのではないか。
(3)次回の予定
- 第6回会議を来年4月下旬頃開催し、15度下期テーマ監査結果等を審議する予定。
以 上
<添付資料>