プレスリリース 2000年

福島第一原子力発電所6号機の手動停止の原因と対策について



                                                  平成12年8月2日
                                                  東京電力株式会社

 すでにお知らせいたしましたとおり、当社福島第一原子力発電所6号機
(沸騰水型、定格出力110万キロワット)は定格出力にて運転中のところ、
7月21日午前3時39分の茨城県沖地震発生後、気体廃棄物処理系の流量が
増加し、その後流量に減少が見られないことから、原子炉を停止し調査を
行っておりました。(7月21日お知らせ済み)

 調査の結果、タービン建屋内にあるクロスアラウンド管逃し弁(*1)
6台の内、1台の付属小口径配管(*2、外径34mm)の取付部に割れによ
るすきまがあり、この部分から吸い込まれた空気が復水器を介して気体廃
棄物処理系の流量を増加させたことがわかりました。
 この割れを詳細に調べたところ、付属小口径配管をクロスアラウンド配
管逃し弁に取り付けるためのネジのネジ谷部が、通常のネジに比べ鋭角に
加工されており、割れが生じやすくなっておりました。こうした状況から、
プラントの起動・停止の繰り返しによるクロスアラウンド管の熱変位によ
り取付部に応力が生じ、割れがネジ谷部から発生・進展した結果、ネジ全
周をほぼ貫通していたところに、最終的に地震力によって開口し、すきま
が生じたものと推定いたしました。
 対策としては、当該の付属小口径配管を全て撤去し、それぞれ当該部位
を止栓することといたします。

 なお、外部への放射能の影響はありません。
 また、資源エネルギー庁による国際原子力事象評価尺度(INES)暫
定評価では、0-となっています。

                               以上

<参考>

*1 クロスアラウンド管逃し弁
   原子炉で発生した蒸気は、主蒸気管を通り高圧タービンを回転させ
  た後、湿分分離器を経て低圧タービンへ入ります。当該逃し弁はクロ
  スアラウンド管内の圧力が何らかの原因により異常に上昇した場合に、
  蒸気を復水器へ排気し、系統の圧力を低下させるために設置されてい
  ます。

*2 クロスアラウンド管逃し弁付属小口径配管
   逃し弁の作動を安定させるため、流路側とボンネット側を均圧させ
  る目的で念のために設置しているもので、逃し弁本体ボンネット側と
  復水器の間を接続している管であり、撤去してもクロスアラウンド管
  逃し弁の機能上問題となるものではありません。

        
                     








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