プレスリリース 2005年

柏崎刈羽原子力発電所1号機の手動停止に係る原因と対策について

                            平成17年3月11日
                            東京電力株式会社

 当社・柏崎刈羽原子力発電所1号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)
は、定格熱出力一定運転中のところ、平成17年2月4日、タービン建屋地下2階
復水器近くにある小口径のドレン配管*1(外径約60mm)からモヤ状に蒸気が漏
えいしていることを、パトロール中の当社社員が発見いたしました。
 当該事象は直ちに運転に影響を及ぼすものではありませんでしたが、点検およ
び原因調査のため、2月5日にプラントを停止いたしました。
 その後、当該配管のソケットエルボ*2出口近くの直管部に、直径1mm程度の
ピンホール(貫通孔)を2箇所確認しております。
             (平成17年2月4日および2月7日お知らせ済み)

 当該配管については、これまで減肉管理を実施しておりましたが、ピンホール
が確認されたソケットエルボの出口近くの直管部については、溶接箇所が近いた
め、超音波を用いた肉厚測定が難しい部位でした。またソケットエルボについて
も、超音波を用いた肉厚測定が難しい部位でした。
 この観点から、当該配管に設置されているソケットエルボおよびその出口近く
の直管部を中心に、放射線および超音波を用いた肉厚調査*3を実施したところ、
当該配管に設置されたオリフィス*4上流側には顕著な減肉傾向は認められない
こと、オリフィス下流側のソケットエルボとその出口近くの直管部においては、
全般的に背側(曲り部の内面外側)の減肉量が大きいことを確認いたしました。
 このため、当該配管のオリフィス下流側を切断し、内面を詳細に調査したとこ
ろ、復水器付近に設置されているソケットエルボ及びその出口近くの直管部の背
側において、内部を通過する蒸気の流れによりエロージョン(浸食)が発生した
ものと考えられる模様を確認いたしました。

 これらの調査結果から、今回の事象の原因は、
 ○ 当該配管に導かれた凝縮水を含む湿った蒸気が、オリフィスを通過し真空
  状態の復水器へ向かう過程で急激に減圧され、凝縮水を含む高速の蒸気流と
  なった
 ○ この凝縮水を含む高速の蒸気流により、当該配管の内面にエロージョンが
  発生し、徐々に配管の減肉が進展して蒸気の漏えいに至った
と推定いたしました。
 また、ソケットエルボやその出口近くの直管部は超音波を用いた肉厚測定が難
しい部位であったため、直接、当該部位の点検をしていなかったことも今回の事
象が発生した一因でした。

 今回の調査においては、当該配管の類似配管についても、オリフィス下流側に
設置されているソケットエルボおよびその出口近くの直管部を中心に、放射線を
用いた肉厚調査を実施し、これらの部位については、いずれも十分な肉厚を有し
ていることを確認いたしました。
 また、至近の配管減肉事例における類似の部位について調査を行い、いずれも
十分な肉厚を有していることを確認いたしました。

 対策として、当該配管のオリフィス下流側の配管を全て同寸法・同材質の新品
へ取り替えるとともに、今後の配管減肉管理において、以下を実施してまいりま
す。
 ○ 今回の事象を踏まえ、配管減肉管理における代表部位の選定や点検頻度等
  の見直しを行い、当社の配管減肉管理指針に反映し、復水器に接続されてい
  る凝縮水を含む蒸気流の排水配管について適切に配管減肉管理を実施する。
 ○ 今回、ピンホールが確認されたソケットエルボの出口近くの直管部は、従
  来の超音波を用いた肉厚測定による点検が困難な部位であったことから、こ
  のような部位については、放射線を用いた点検を行い、配管の健全性を確認
  する。

 他プラントの当該配管および類似配管についても、計画的に点検を実施してま
いります。

 1号機については、準備が整い次第、プラントの起動操作を開始することとい
たします。

                                 以 上


*1:復水器近くにある小口径ドレン配管
    当該小口径配管は、リード管(主蒸気止め弁から高圧タービン入口まで
   の配管)に発生した凝縮水を復水器へ排出するための配管。
*2:ソケットエルボ
    直管(直線状の配管)と直管を直角に接続する際に、その曲り部に用い
   るもの。
*3:放射線および超音波を用いた肉厚調査
    放射線を用いた肉厚調査とは、対象物にX線またはγ線を照射すると透
   過する性質を利用してフィルムに撮影し、配管内部の異常の有無などを確
   認するもの。
    超音波を用いた肉厚調査とは、超音波が測定物の裏面に反射して戻って
   くるまでの時間を測定することにより、配管の肉厚を計測するもの。
    今回の調査においては、ソケットエルボ等の継手部の肉厚を放射線によ
   り調査し、ソケットエルボ等の出口近くの直管部の肉厚を放射線および超
   音波により調査した。超音波による直管部の肉厚調査については、可能な
   限り溶接部の近くまで実施した。
*4:オリフィス
    配管内を流れる気体もしくは液体等の流体の流路中に設置される絞りで、
   流量を制限するとともに、流体を減圧する効果がある。

添付資料 
・柏崎刈羽原子力発電所1号機 系統概略図(PDF 15.2KB)蒸気漏えい箇所(PDF 31.0KB) 


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