プレスリリース 2005年

柏崎刈羽原子力発電所5号機の原子炉自動停止の原因と対策について

                            平成17年8月3日
                            東京電力株式会社

 当社・柏崎刈羽原子力発電所5号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)
は、運転中のところ、平成17年7月3日午後2時37分頃、「復水器真空度低」に
よりタービンの保護装置が作動しタービン・発電機が停止、これにともない原子
炉が自動停止いたしました。
                    (平成17年7月3日お知らせ済み)

 事象発生の経緯を確認したところ、5号機は翌日から予定されていた第11回定
期検査にともなうプラントの停止操作のため、同日午後2時頃から、タービング
ランドシール蒸気*1(以下、「シール蒸気」という)の供給を蒸化器側から補
助ボイラー側へ切り替える操作*2を実施しておりました。この際、補助ボイラ
ー側からのシール蒸気の供給が十分でない状態で、蒸化器側からの蒸気の供給を
停止したため、タービン軸封部に供給されるシール蒸気の圧力が低下し、タービ
ン軸封部を通じて復水器内に空気が流れ込み、復水器の真空度が維持できなくな
ったことがわかりました。

 「復水器真空度低」に至った原因は、以下のとおりと推定しております。
(1)蒸化器側から補助ボイラー側へ切り替えようとした際、補助ボイラー側の
  蒸気供給弁のリミットスイッチ*3の設定方法が、以下の状況を考慮したも
  のではなかったため、全開とならず5%開度で停止してしまった。
  ・弁の点検時における摺り合わせ調整により、弁ストロークがわずかに増加
   していたが、この微少な変化を考慮したリミットスイッチの設定位置とな
   っていなかった。
  ・このため、当該弁の開操作時には、弁体と弁座が完全に離れて駆動トルク
   が低下する位置とリミットスイッチ設定位置がほぼ同等の位置に設定され
   ていた。
(2)当直長及び当直員は5%開度で停止したことに疑問を持ち、その妥当性に
  ついて確認を実施したが、以下の状況から不適合ではないと誤認識して、切
  替操作を継続してしまった。
  ・操作手順書の記載は当該弁を「開」にするとあり、「全開」でなくてもよ
   いと解釈してしまった。
  ・同手順書には、当該弁の開操作後、補助ボイラー側および蒸化器側のシー
   ル蒸気を制御する弁の開度が同程度であることを確認するよう記載されて
   おり、両制御弁の状態はこれに合致していた。

 このため、以下の再発防止対策を実施することといたします。

(1)設備面の対策
   当該弁のリミットスイッチ位置設定にあたり、「開」動作直後の大きな駆
  動トルクを確実にバイパスするように、当該バイパス領域を現状の5%から
  30%に変更する。
(2)操作面の対策
 a.シール蒸気の切り替えに係る操作手順書の記載が誤解を招きやすい表現で
  あったため、以下のように改訂する。
  ・弁の操作に関する記載について、「全開」「全閉」であるべき弁に対して
   は、「開」「閉」ではなく、「全開」「全閉」と明確に記載する。
  ・シール蒸気の切替状況を確実に判断できるように、補助ボイラー側の制御
   弁と蒸化器側の制御弁の切り替わり時における具体的な開度の目安値を追
   記する。
 b.操作の過程で一旦立ち止まるような事象が発生した場合、当直長は先入観
  にとらわれず、関係箇所に再確認を行うなど、総合的に判断をするよう周知
  ・徹底を図る。また、発電所内で事例検討会を行い、本事象の原因・対策、
  ならびに関係者の連携強化等について周知・徹底を図る。

  なお、シール蒸気の切替操作については、従来、発電機解列後の原子炉圧力
 を下げる過程で行っていましたが、5号機は国内他プラントのトラブル対策と
 して、第9回定期検査(平成14年)のプラント停止時より、当該操作を定格出
 力時に実施していました。しかし、前回(第10回)の定期検査時に設備的な対
 策工事を完了していることから、今後は、発電機解列後の原子炉圧力を下げる
 過程で当該操作を実施する手順に見直しすることといたします。

                                 以 上

*1:タービングランドシール蒸気
   タービン軸封部(タービン車軸とケーシングの隙間)から復水器への空気
  の侵入を防ぐとともに、タービン駆動蒸気が外部へ流出しないよう軸封部を
  気密化するための蒸気。
*2:蒸化器側から補助ボイラー側へ切り替える操作
   プラント通常運転時は、タービンからの蒸気を熱源とする「蒸化器」によ
  り復水を気化させた蒸気を使用しているが、プラント停止時は、タービンか
  らの蒸気が供給できなくなるため、事前に補助ボイラーから供給される蒸気
  に切り替える操作。
*3:リミットスイッチ
   当該弁は、「全開」「全閉」時の駆動モーターの制御をトルクを検知する
  ことにより行っている。弁動作の初期段階では比較的大きな駆動トルクを必
  要とすることから、動作開始直後はこのトルクによるモーター制御を一時的
  に除外するために、リミットスイッチが設置されている。

添付資料
・タービングランドシール蒸気系 系統概略図(PDF 29.9KB)補助ボイラー側の蒸気供給弁が5%開度で停止したメカニズム(PDF 52.2KB) 


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