プレスリリース 2006年

株式会社東芝製の原子炉給水流量計および復水流量計に係る報告について

                              平成18年4月11日
                             東京電力株式会社

 当社は、株式会社東芝(以下、東芝)製の原子炉給水流量計および復水流量計の
実流量試験において疑義が確認された事象※1について、経済産業省原子力安全・
保安院からの指示※2にもとづき、事実関係の調査を行うとともにプラントの安全
性について確認し、その内容を取りまとめ、本日、経済産業省原子力安全・保安院
へ報告書を提出しましたのでお知らせいたします。

 調査の結果、東芝製の原子炉給水流量計および復水流量計を使用している対象プ
ラント4基(福島第一原子力発電所6号機、柏崎刈羽原子力発電所2・3・7号機。
以下、順に1F-6、KK-2・3・7)ならびに復水流量計のみ使用しているプ
ラント2基(福島第二原子力発電所3号機、柏崎刈羽原子力発電所1号機。以下、
順に2F-3、KK-1)において、過去に行われた原子炉給水流量計および復水
流量計の実流量試験について、一部のプラントに試験データの不正な変更や当社立
会時の差圧計の不正な操作が確認されました。
 一方で、当社はこの不正行為に関与していないことを確認しました。
 また、過去の運転データの実績を再評価し、流量計の製造記録もあわせて確認し
たところ、いずれのプラントにおいても原子炉熱出力は適切に管理されており、法
令上ならびに安全上の問題はないものと判断いたしました。

 報告書の概要は以下のとおりです。

1.実流量試験に関する事実関係について
  当社は、東芝に対して、同社が実流量試験を行い当社の原子力発電所に納入し
 たすべての原子炉給水流量計および復水流量計について、不正行為が行われてい
 なかったかどうか徹底的な調査と報告を求め、東芝による調査過程において適宜
 その内容を確認し、今般、同社より結果報告を受けました。また、当社としても
 本件に対する関与について改めて調査を行いました。
(1)東芝の調査内容について
   対象プラントのうち、1F-6およびKK-7の原子炉給水流量計について
  は、東芝の試験担当者の証言や過去の試験データの確認により、当時の東芝の
  試験担当者が、試験データの不正な変更および差圧計の不正な操作を行った事
  実が確認され、KK-7では復水流量計についても試験データの不正な変更が
  行われていたことが確認されたとの報告を受けております。
   また、KK-2、KK-3については、試験データの不正な変更の証拠は確
  認されていないが、原子炉給水流量計の実流量試験の当社立会時に差圧計の不
  正な操作を実施した可能性を示唆する証言があるものの、号機が特定されてい
  ないことから、試験データの不正な変更や差圧計の不正な操作が行われたかど
  うかは判断できないとの報告を受けております。
   一方、復水流量計のみ使用している2基(2F-3、KK-1)については、
  同様に試験データの不正な変更が行われていたかどうかは判断できないものの、
  差圧計の不正な操作をした可能性は低いと考えているとの報告を受けておりま
  す。
(2)当社の調査について
   当社は、本件に関する対策検討委員会を社内に設置するとともに、東芝へ延
  べ約160人・日の人員を派遣し、調査の取組方針・実施状況等を評価し、東芝
  側の調査・確認作業が公正かつ的確に行われていることを確認いたしました。
  あわせて対象プラントにおける社内資料の確認および過去に実流量試験に携わ
  った社員に対する聞き取り調査等を行い、試験データの不正な変更に対する当
  社の関与がなかったかどうかを調査しましたが、当社の関与は確認されません
  でした。

2.東芝から提出された試験結果等の品質記録と試験方案および当社の立会試験結
  果について
  当社が保有している原子炉給水流量計および復水流量計に関する品質記録と試
 験方案および当社の立会試験結果すべてについて調査を行いましたが、これらに
 試験データの不正な変更を示すものは確認されませんでした。

3.保安規定に規定している「原子炉熱出力が運転上の制限範囲にあること」につ
  いて、流量計運転時からこれまでの実績および評価
(1)原子炉熱出力の実績
   東芝製の原子炉給水流量計が設置されている1F-6、KK-2、KK-3、
  KK-7について、原子炉熱出力の実績を確認した結果、いずれも保安規定上
  の運転上の制限値(1F-6、KK-2、KK-3については3,293MW以下、
  KK-7については3,926MW以下)を満足して運転してきていることを確認
  いたしました。
(2)原子炉給水流量計の測定値の精度評価
   1F-6、KK-2、KK-3、KK-7の原子炉給水流量について、復水
  流量計の測定値との比較評価等を実施した結果、原子炉給水流量計の測定値は
  標準偏差1.76%の測定精度内にあることを確認したことから、原子炉給水流量
  計の測定値の精度には問題がないと評価いたしました。
   なお、復水流量計の測定値は原子炉熱出力の算出には用いておらず、また、
  復水流量計オリフィス※3については製造記録等により、JIS規格に従って
  製作されていることを確認しております。

4.現在の流量計について、保安規定を遵守できるとする場合の根拠について
  今回の東芝の調査において、1F-6、KK-7については、原子炉給水流量
 計の実流量試験データの不正な変更が行われる前の原データが確認されましたが、
 このデータは実流量試験での実際の試験結果を正しく反映したものであることが
 確認されております。この原データから算出される流出係数を用いて計算すると、
 結果として、従来は原子炉熱出力を実際よりも大きく算出していたこととなり、
 保安規定遵守の観点からは安全側の運転管理となります。
  また、KK-2、KK-3を含めた調査対象プラントの原子炉給水流量計エレ
 メント※4について、ASME(米国機械学会)の規格にもとづき製作されてい
 ることを改めて確認いたしました。これにより、エレメント単体としては基本的
 にASMEの規格が保証する精度を有しているものと評価されますが、念のため、
 製造データが残っていない部分に関する補完調査を行い、さらに誤差を付加した
 保守的な評価を行った場合でも、原子炉給水流量全体の測定精度である1.76%内
 にあることを確認いたしました。

 当社といたしましては、このたびの東芝による不正行為はもとより、東芝による
調査結果において一部に不正の有無を明らかにできない点があったことについて、
誠に遺憾であります。
 引き続き、東芝に原因調査と再発防止対策の検討を要求するとともに、その結果
を踏まえて、さらなる業務品質の向上と安全管理の徹底に向けて取り組んでまいり
ます。

                                  以 上


※1:原子炉給水流量計及び復水流量計の実流量試験について疑義が確認された事
   象
   平成17年9月に当社企業倫理相談窓口へ原子炉給水流量計に関するご指摘が
  寄せられたことから、事実関係を調査したところ、平成5年に福島第一原子力
  発電所6号機で試験データの不正な変更や立会試験時に不正な操作が行われて
  いたことが確認され、その後、柏崎刈羽原子力発電所7号機においても疑義が
  確認された事象
                (平成18年1月31日、2月10日お知らせ済み)



※2:経済産業省原子力安全・保安院からの指示
   東芝製の原子炉給水流量計および復水流量計の実流量試験に関する事実関係
  調査、およびプラントの安全性に関する報告を求める指示(平成18年2月10日
  付)
  (指示内容)
   ・実流量検定試験に関する事実関係
   ・株式会社東芝から提出された試験結果等の品質記録と試験方案及び東京電
    力株式会社の立会試験結果
   ・保安規定に規定している「原子炉熱出力が運転上の制限範囲にあること」
    について、流量計運転時からこれまでの実績及び評価
   ・現在の流量計について、保安規定を遵守できるとする場合の根拠

※3:復水流量計オリフィス
   タービンを回転させるために用いられた蒸気は、復水器で凝縮され給水側に
  送り込まれるが、その送る水の量(復水流量)を測定する計測器のこと。当社
  で採用している復水流量計は、配管内の中央に円形の穴が開いたドーナツ状の
  円板が設置され、流量に応じてその前後に差圧を発生させるタイプで、差圧を
  測定することで流量を算出できる。

※4:原子炉給水流量計エレメント
   タービンを回転させるために用いられた蒸気は、復水器で凝縮され再び原子
  炉に送り込まれるが、その原子炉に送る水の量(給水流量)を測定する計測器
  のことで、原子炉に通じる給水配管に取り付けられている。当社で採用してい
  る給水流量計は、流れを絞ることで絞り部と上流部との間に差圧を発生させる
  タイプで、差圧を測定することで流量を算出できる。

添付資料
・株式会社東芝製の原子炉給水流量計および復水流量計に係る調査結果について 
 (PDF 244KB) 


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