プレスリリース 2006年

福島第一原子力発電所2号機の原子炉再循環ポンプ(A)自動停止にともなう出力低下に関する原因と対策について

                             平成18年5月18日
                            東京電力株式会社

 当社・福島第一原子力発電所2号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)
は、定格出力にて運転中のところ、平成18年3月14日、原子炉再循環ポンプ*1 
(A)「インバータ*2(A)重故障」の警報が発生し、当該ポンプが自動停止し
たため、発電機出力が約33万キロワットまで低下しました。その後、発電機出力
を降下させて原因調査を行ったところ、インバータ内の電気回路の一部に故障が
認められたことから、詳細な調査および対策を実施するため、プラントを手動停
止することといたしました。
                 (平成18年3月14日、20日お知らせ済み)

 原子炉再循環ポンプ(A)インバータ内の電気回路を点検した結果、インバー
タ主回路(以下、「主回路」)の部品(GTO*3 5個およびその付属部品)、お
よびGTOを制御する基板内の部品の損傷が確認されました。
 なお、原子炉再循環ポンプ(A)および同電動機には異常は認められませんで
した。

 調査の結果、当該インバータが故障し、原子炉再循環ポンプ(A)が自動停止
に至った原因は、短絡電流検出基板*4が電圧変動の影響を受けて誤動作により信
号を発信したため、主回路の保護機能が作動しましたが、主回路内に大きな電流
が流れている状態でGTOをしゃ断したため主回路の部品等が損傷したことによ
るものと推定いたしました。
 原子炉再循環ポンプ(A)の自動停止に至るメカニズムは以下のとおりです。
(1)主回路内または短絡電流検出基板電源の電圧変動の影響を受けて、短絡電
   流検出基板が誤動作により信号を発信したため、制御系*5が働いてすべて
   のGTOが通電状態となり、主回路内に大きな電流(直流)が流れるとと
   もに、電動機からインバータ側に大きな電流(交流)が逆流した。
(2)制御系が電動機から逆流した大きな電流を検知し、主回路を保護するため
   GTOをしゃ断してインバータが停止したが、本来、主回路内に大きな電
   流が流れている状態ではその電流を減衰させてからGTOをしゃ断すると
   ころ、十分に電流が減衰する前にGTOをしゃ断したため、GTO1個が
   損傷した。
(3)一方、短絡電流検出基板が誤動作により信号を発信したことで、インバー
   タの再起動は制御系が切り替わって予備側で行われたが、上記のGTOが
   損傷していたため、主回路内で短絡が発生した。
(4)これを検知した短絡電流検出基板が信号を発信したことから、制御系が働
   いてすべてのGTOが通電状態となったため、再び主回路内に大きな電流
   が流れるとともに、電動機からインバータ側に大きな電流が逆流した。こ
   の結果、1個目の損傷と同様に、十分に電流が減衰する前にGTOをしゃ
   断したため、他のGTO4個が損傷した。
   なお、GTO(5個)の損傷にともない、GTOを制御する基板内の部品
   およびGTOの付属部品が損傷した。
(5)予備側の制御系でもインバータが停止したことにより、原子炉再循環ポン
   プ(A)が自動停止した。

 対策として、損傷した当該インバータの部品についてはすべて新品に取り替え
ました。また、当該インバータおよび原子炉再循環ポンプ(B)インバータにつ
いて、以下の処置を行いました。
・短絡電流検出基板に、電圧変動の影響による誤信号の発信を防止するための回
 路を追設した。
・すべてのGTOが通電状態となりGTOに大きな電流が流れている際には、G
 TOをしゃ断しない保護回路に変更した。

 また、2号機の原子炉再循環ポンプのインバータについては、平成16年4月の
使用開始以降、直接的な関連性はないものの、本事象を含め不具合により停止す
る事象*6が3回発生していることから、あらためてインバータの基本設計につい
て検証を行い、そこで得られた知見を反映し、基本設計で要求される機能を満た
していることを確認いたしました。

 今後、準備が整い次第、原子炉の起動操作を開始する予定です。

 なお、今回のプラント停止中に、原子炉内に装荷されていたハフニウム板型制
御棒22本については取り替えを実施いたしました。

                                 以 上

*1 原子炉再循環ポンプ
    原子炉圧力容器の中の水(冷却材)を循環させるポンプで、運転中はポ
   ンプの回転数(スピード)をインバータで制御することにより、原子炉の
   出力をコントロールしている。このポンプは2台設置されている。
*2 インバータ
    一定周波数の交流電源を一度直流電源に変換し、その直流電源を所定の
   周波数の交流電源に変換する装置。
*3 GTO(Gate Turn-Off Thyristor)
    半導体の一種で、スイッチの役目があり、信号を加えることで電流をオ
   ン・オフ(入・切)する機能を有している。1台のインバータに12個あり、
   これらが適切な組み合せ・タイミングでオン・オフすることで、所定の周
   波数の交流電源を作り出す。通常運転時に、すべてのGTOが同時にオン
   またはオフの状態になることはない。
*4 短絡電流検出基板
    主回路に大きな電流が流れた場合にすべてのGTOと短絡器を通電状態
   にしてGTOを保護するための基板。
*5 制御系
    インバータの主回路を制御するもので、二重化されている。
*6 事象
    1回目は平成16年9月29日に発生した原子炉再循環ポンプ(B)のイン
   バータが重故障により停止した事象。2回目は平成17年10月9日に発生し
   た原子炉再循環ポンプ(B)のインバータが重故障により停止した事象。

添付資料
・福島第一原子力発電所2号機原子炉再循環ポンプ制御の概要図(PDF 18.3KB) 


pdfデータをご覧になるにはAcrobatリーダーが必要です。 アクロバットリーダー

ページの先頭へ戻ります

公式アカウント:
  • 東京電力 公式Twitterアカウントのご案内ページへリンクします
  • facebook公式アカウントサイトへリンクします
  • Instagram公式アカウントサイトへリンクします
  • youtube公式アカウントサイトへリンクします