プレスリリース 2006年

福島第一原子力発電所3号機の点検停止の調査結果について

                            平成18年6月21日
                           東京電力株式会社

 当社・福島第一原子力発電所3号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワッ
ト)は、定格熱出力一定運転中のところ、平成17年10月10日、原子炉再循環ポ
ンプ(B)軸封部(メカニカルシール)*1からの漏えい水が増加しているこ
とを示す警報が発生したため、同日より関連パラメータ*2の確認頻度*3を増
やし、監視強化を実施いたしました。
 その後、平成17年12月下旬頃より格納容器内機器ドレン*4量の緩やかな増
加傾向が認められ、さらに平成18年1月下旬頃より当該軸封部の温度の緩やか
な上昇が確認されたことから、当該ポンプのシール機能は維持されているもの
の、当該軸封部のシール性が低下していると判断し、2月22日より計画的にプ
ラントを停止し、当該軸封部の取り替えを行うことといたしました。
          (平成17年10月11日、平成18年2月20日お知らせ済み)

 当該軸封部を点検した結果、第1段および第2段軸封部の静止リングと回転
リングのシール摺動面において、静止リング側と回転リング側の表面に傷およ
び面荒れ(摩耗)を確認いたしました。
 この傷および摩耗は、軸封部の摺動部に微細な異物が混入し、当該シール摺
動面にかみ込んだことにより発生したものと考えております。これにより、第
2段軸封部のシール機能が低下してシール水が漏えいし、格納容器内機器ドレ
ン量の増加に至ったものと推定いたしました。また、軸封部の温度上昇につい
ては、第1段軸封部のシール機能が低下し、原子炉水が混入したことによるも
のと推定しました。
 当該軸封部については、新品(別タイプ)に取り替え、健全性を確認いたし
ました。また、対策として、従来から実施している異物混入防止管理の徹底を
継続するとともに、今後、シール摺動面の更なる安定性向上に向けて、構造・
材料などの検討および開発を実施することといたします。

                                以 上

*1 軸封部(メカニカルシール)
    ポンプ内部の水(冷却材)が軸を通してポンプ外部に出ないようにす
   るために設けられている部分。軸封部は2段構成となっており、2段の
   どちらか一方のシール機能が低下した場合でも、他の1段でシール機能
   が維持できるよう設計されている。
*2 関連パラメータ
    原子炉再循環ポンプ軸封部圧力・温度および格納容器内機器からの排
   水量等。
*3 関連パラメータの確認頻度
    原子炉再循環ポンプ軸封部の圧力と温度の確認頻度を1日1回から1
   時間に1回に、格納容器内機器ドレン量の確認頻度を1日1回から6時
   間に1回に増やす。
*4 格納容器内機器ドレン
    格納容器内で発生する低電導度・高放射能濃度の廃液であり、当該軸
   封部からの漏えい水を含んでいる。

添付資料
・3号機原子炉再循環ポンプ軸封部概略図(PDF 16.6KB) 


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