プレスリリース 2007年

福島第一原子力発電所2号機残留熱除去系熱交換器の海水流量調整弁における弁棒折損に関する調査結果について

                            平成19年10月18日
                            東京電力株式会社

 当社・福島第一原子力発電所2号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)
は定格出力にて運転中ですが、平成19年9月11日、定期検査中の同3号機で発生し
た残留熱除去系*1熱交換器の海水流量調整弁の弁棒折損事象における水平展開と
して、10月10日、2号機の残留熱除去系(B系)熱交換器の海水流量調整弁の動作
確認を実施したところ、弁棒が所定の位置で停止しないことから弁棒折損の疑いが
あるものと判断し、原子炉の停止操作を行い、当該弁の点検および修理を行うこと
としました。
 これによる外部への放射能の影響はありません。
                     (平成19年10月10日お知らせ済み)

 10月12日に原子炉を停止し当該弁を点検したところ、弁棒が折損しており、折損
した弁棒を調査したところ、以下のことがわかりました。
 ・弁棒の折損は、弁棒表面に施した肉盛り溶接*2の境界部付近で発生しており、
  そこで腐食が確認されたこと。
 ・折損面には、振動などによる繰り返し応力が加わった際に見られる縞模様が確
  認されたこと。
 ・弁棒の他の肉盛り溶接の境界部において腐食によるき裂が確認されたこと。

 以上のことから、弁棒が折損した原因は、3号機と同様に弁棒の製作時に施した
肉盛り溶接の影響*3によって弁棒の耐食性が低下していたところに、海水により
腐食が発生・進行してき裂となり、さらに当該系統の運転にともなう振動が弁棒に
加わったためそのき裂が進展し、折損に至ったものと推定しました。
 対策として、当該弁棒については、肉盛り溶接を施していない弁棒に取り替えま
した。
 今後、準備が整い次第、プラントの起動操作を開始いたします。

                                  以 上

*1 残留熱除去系
   原子炉を停止した後の冷却(燃料の崩壊熱の除去)機能とともに、非常時に
  原子炉水位を維持する低圧注水系、原子炉格納容器内の冷却を行う格納容器ス
  プレイ系等の機能を持つ(A系、B系の2系統ある)。
*2 弁棒表面に施した肉盛り溶接
   母材の表面の硬度、耐摩耗性等を増加させる目的で金属を溶着している。
*3 肉盛り溶接の影響
   肉盛り溶接時に加える熱により、母材との境界部に炭化物が析出し、耐食性
  を低下させること。

添付資料
・2号機残留熱除去系 系統概略図及び、流量調整弁概略構造図(PDF 166KB) 


pdfデータをご覧になるにはAcrobatリーダーが必要です。 アクロバットリーダー



	

	



			
			
		

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