プレスリリース 1999年

豪州ニューサウスウェールズ州森林局の植林プロジェクトへの参加について



                                                            平成11年7月7日
                                                            東京電力株式会社

  当社はこのたび、大気中のCO2の吸収・固定を目的として、豪州ニューサウスウェール
ズ州森林局が推進している、植林プロジェクトへの参加に向けた「意思表明書」(レター・
オブ・インテント)に署名し、明日(7月8日)、同文書を交換することといたしました。

  当社は、かねてより環境保全を経営の最重要課題のひとつと位置づけ、地球温暖化問題
に対しても、原子力を中心としたエネルギーのベストミックスの推進、火力発電所の熱効
率向上、省エネルギーの推進などを通じて積極的に取り組んできております。
  一昨年12月の地球温暖化防止京都会議(COP3)で採択された京都議定書に定められた、
温室効果ガスを効果的に削減するための仕組みとしては、
・排出権取引(炭素クレジットの売買)
・共同実施  (先進国間で協力してCO2排出削減を実施。実施者は応分量を自らの削減
       量としてカウントできる。)
・クリーン開発メカニズム(CDM)(先進国と途上国の間で協力してCO2排出削減を実施)
がありますが、これらについても、国内対策を補完する手段として有効と考え、国内外の
組織・企業との連携もすすめています。特に、昨年6月には「世界銀行カーボンファンド
構想」へ参加をするため、わが国で初めて世界銀行との間で趣旨合意書を締結しております。

 当プロジェクトの内容となる「植林」について、京都議定書は先進国の温室効果ガス削
減目標達成のための一方策として「植林による炭素固定」を認めています。これを受けて、
ニューサウスウエールズ州は「森林に吸収・固定した炭素(注)の権利」(Carbon Sequestra
tion Right)を昨年11月に世界で初めて、取引も可能な一種の財産権として法律(州法)
で定めました。同時に、同森林局は森林管理、木材の生産・販売面での豊富な経験・実績
を生かして、植林プロジェクトを推進しており、参加を各方面に呼びかけています。 
 こうした状況をふまえ、当社は、本プロジェクトが世界の森林資源の保全に貢献し、大
気中のCO2を森林に直接固定するという現実的な温暖化防止対策であることから、CO2
排出抑制に向けた国内対策の補完手段として位置づけ、出資へ向けての第1段階である
「意思表明書」に署名した次第です。この植林プロジェクト参加の「意思表明書」への署
名は、当社が最初となります。
 当社は将来、本プロジェクトが京都議定書が定めている「共同実施」として認められる
よう期待しています。
 今後は具体的協議が整い次第、正式契約を締結して来年約1,000haの植林に着手し、将来
的には今後10年間で植林面積を1~4万haの規模へ拡大することを検討してまいります。
  なお、例として1万haの土地に植林したとすると、その面積は東京ドームの約2100倍に
相当し、そこで吸収・固定されるCO2量は年間4~5万炭素換算トン程度と試算されます。

 今後とも、当社は地球環境保全に向け積極的に取り組んでいく所存です。
                                                                       以 上  


注) 森林に吸収・固定された炭素:
 森林による大気中のCO2吸収・固定については、来年5月の「気候変動に関する政府間
パネル」における報告書提出を目標に科学的検討が進められている。
 植林は大気中のCO2吸収・固定に直接寄与する現実的対策であり、また生態系の維持・
水源涵養林の保全など地球温暖化以外の環境問題にも広く貢献する優れた対策であると考え
られている。

<資 料>

豪州ニューサウスウェールズ(NSW)州森林局植林プロジェクトの概要


(提案のきっかけ)
・ NSW州は、昨年11月に州法を改正し、世界で初めて植林により吸収・固定された炭
  素に対する法的権利を設定した。これを背景としてNSW州森林局は、当社に対し、
  同州内での植林による大気中のCO2吸収・固定プロジェクトを提案。

(役割分担)
・ 当社は、植林による大気中のCO2の吸収・固定を主目的として投資を行い、将来の炭
  素クレジット獲得を期待。
・ 同森林局は、用地の確保・造成、植林、森林の維持・管理、植林による炭素の固定量
  の測定・登録、木材の収穫・販売を行う(木材の販売に伴う利益は東京電力に帰属)。

(今後の予定)
・ 当社は、来年に1000ha(東京ドームの約210倍)の植林を行う意向であり、将来的には
  今後10年間で植林面積を1万~4万haの規模へ拡大することを検討。

・  仮に1万haの土地に植林したとすると、そこで吸収・固定されるCO2量は年間4~5
  万炭素換算トン程度と試算される。これは出力60万kW級(設備利用率70%程度)の石
  油火力発電所が排出するCO2量の25日分。

                                       以 上



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