プレスリリース 1999年

柏崎刈羽原子力発電所1号機の出力降下の原因と対策について



                                               平成11年9月9日
                                               東京電力株式会社

 すでにお知らせいたしましたとおり、当社・柏崎刈羽原子力発電所1号
機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)は、定格出力にて運転中のと
ころ、復水器真空度の低下により、発電機出力を降下させ、その後発電機
出力約70万キロワットにて運転を継続し、原因調査を行ってまいりました。
(9月2日発表済)

 調査の結果、気体廃棄物処理系の弁操作を行う制御盤に給電している非
常用電源盤(注1)の受電しゃ断器(注2)が、過電流を検知する変流器
(注3)の内部異常により作動し、これに伴い弁が閉じたことから、復水
器内のガスの抽出が行われなくなり、復水器の真空度が低下したことがわ
かりました。
 このため、異常の認められた変流器を健全なものと交換し、内部異常の
原因を詳細調査しておりました。
 その結果、変流器内部にある巻線の絶縁材に短絡と思われる焦げが確認
され、また、巻線が断線していることがわかりました。
  変流器内の短絡は、変流器製造時巻線に傷が生じ、今回の事象発生時に
行っていた非常用ディーゼル発電機の月1回の起動試験により変流器を流
れる電流が増加したことで巻線が断線し、放電したことによるものと推定
されました。
 このタイプの変流器は、相当の使用実績があり、これまで同様の不具合
が見られなかったこと、使用中には傷が生じることが考えられないことか
ら、今回の傷は製造時にごくまれに生じたものと考えております。
 対策としては、先にお知らせしたように健全品との交換を行っておりま
す。
 なお、資源エネルギー庁による国際原子力事象評価尺度(INES)暫
定評価では、0+とされております。

                                                         以 上

(注1)電動機や小容量の所内低電圧回路の動力電源盤のしゃ断器(スイ
    ッチ)や保護継電器(リレー)を、コンパクトに収納した盤で 
    す。
(注2)各家庭の分電盤にあるNFB(ブレーカと呼ばれるもの)と同じ
    機能を持つもので、電源をON/OFFさせる機器です。
(注3)ケーブルに流れる電流を測定するための一種の変圧器



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