プレスリリース 1999年

大仁変電所電力貯蔵用NAS電池設備の運転開始について

-変電所設置用6,000キロワット級実用性能試験設備の完成-



                                                           平成11年10月27日
                                                           東京電力株式会社

 当社は、鉛電池に比べ電力貯蔵密度が約3倍と高くコンパクトで、自己放電のない、
長寿命な「NAS電池(ナトリウム-硫黄電池)」の研究開発を昭和59年度から日本
ガイシ株式会社と共同で進めておりますが、本日、変電所設置用NAS電池の実用性
能試験を目的とした6,000キロワット級電力貯蔵用NAS電池設備がすべて完成し、
実用性能試験のための運転を開始いたしました。

 NAS電池は、深夜に電気を充電・貯蔵し、昼間のピーク時などに放電を行うもの
で、揚水式水力発電所と同様の機能を果たすことができ、しかも、都市部などの需要
地やその近傍に設置できるのが特長です。昼夜間の格差が大きい電力負荷の平準化や
電力設備の効率的運用に役立ち、設備投資の抑制につながるほか、風力や太陽光発電
などの自然エネルギーと組み合わせて、不安定な電源を安定化したり、非常時の電源
として活用したりすることもできます。

  このたび運転開始した変電所設置用6,000キロワット級NAS電池は、当社沼津支
店大仁変電所構内(静岡県田方郡大仁町三福)において、昨年8月より建設に着手し、
今年3月に1号機(2,000KW)、6月に2号機(2,000KW)がすでに運転を開始して
おり、このたびは3号機(2,000KW)が運転開始した次第です。

 当システムは、変電所等に設置し、電力需要に応じて運転することを想定しており、
50KWのモジュール電池120台と電力系統へ連系するための交直変換装置等で構成され
ています。モジュール電池1台には384本の単電池がセットされており、これまでの
研究成果をふまえて単電池の容量を約2.5倍(480WH→1220WH)に大きくするとともに、
モジュール電池をスケールアップ(25KW→50KW)することによって同出力の従来品に
比べ全体で約2割のコンパクト化を図っております。

 この試験設備では、検証期間として2年程度をかけて
 ・実用規模の電力貯蔵システムを実系統と連系した、実用性能検証
 ・改良した大型単電池の量産技術検証
 ・実用化を睨んだ運転・保守技術、設計・施工の合理化の検証
を進めてまいります。

  なお、当社はすでにNAS電池について、これまでの研究を通じ、分散型電源とし
て必要な充放電効率や安全性など技術的な検証を終えていますが、今後、2年程度を
かけて今回の実用性能検証の他にさらなる研究・検証を集中的に重ね、実用化・普及
に向けて、残された課題である経済性の向上について可能性を見極める予定です。

                                      以 上
【6,000キロワット級NAS電池設備の概要】

1.システム仕様
    ・出  力    6,000kW(2,000kWユニット×3台)
    ・容  量    48,000kWh

2.NAS電池の仕様(1ユニット当たり)
    ・出  力        2,105kW
    ・容  量        16,840kWh
    ・電  圧        1,190V
    ・外  形    幅9.9m×高さ4.5m×奥行5.4m
    ・モジュール台数・接続   40台(10直列×4並列)

3.モジュール電池の仕様(1台当たり)
    ・出  力     52.6kW
    ・容  量        421kWh
    ・寸  法        幅2.2m×高さ0.6m×奥行1.8m
    ・重  量       3.6t
   ・時間率          8時間放電
    ・充放電効率      85%以上
    ・エネルギー密度  170kWh/m3
    ・単電池本数      384本

4.単電池の仕様(1本当たり)
    ・出  力        153W
  ・容  量        1220Wh
    ・寸  法       直径91mm×長さ516mm

5.交直変換装置の仕様(1ユニット当たり)
    ・定格電力       放電:2,000kW/充電:2,400kW 
    ・定格電圧        交流:6.6kV/直流:1,190V
    ・外  形    幅9.3m×高さ4.3m×奥行3.2m
    ・型  式    電圧型自励式変換装置

6.その他
    ・試験場所        沼津支店大仁変電所構内(静岡県田方郡大仁町三福370)
  ・工  期    平成10年8月~平成11年10月
                      1号機  平成11年 3月24日運転開始
             2号機 平成11年 6月29日運転開始
           3号機  平成11年10月27日運転開始予定
  ・敷地面積    敷地全体   1,232m2
           内 電池部    160m2
                       交直変換装置部  89m2


【開発体制等】
(1)開発主体
○東京電力株式会社
<開発目標・仕様の決定、試験の実施、成果の評価>
・住所:東京都千代田区内幸町1-1-3
    電話03-3501-8111
・社長:南 直哉

○日本ガイシ株式会社
<開発仕様にもとづいた単電池、モジュール電池の開発>
・住所:愛知県名古屋市瑞穂区須田町2-56
    電話052-872-7181
・社長:柴田 昌治

○株式会社 明電舎
<開発仕様にもとづいた交直変換装置1号機の開発>
・住所:東京都中央区日本橋箱崎町36-2 リバーサイドビル
        電話03-5641-7000
・社長:瀬古 茂雄

○株式会社 高岳製作所
<開発仕様にもとづいた交直変換装置2,3号機の開発>
・住所:東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル
    電話03-3211-1671
・社長:松永 一市

(2)建設費 約67億円

(3)試験場所
    沼津支店大仁変電所構内(静岡県田方郡大仁町三福370)



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