柏崎刈羽原子力発電所 > 広報・広聴活動 > 地域の声委員会(社内会議) > 平成20年2月21、22日 > 会場での主な質疑応答の概要

地域の皆さまへの説明会

会場での主な質疑応答の概要

刈羽会場

<質問>
 原子炉圧力容器内部の目視点検について、異常がないとの説明を受けたが、異常がなければ、重要な機器なのに、非破壊試験はしないのか。

<回答>
 設備の健全性については、基本点検(目視点検・機能試験)を実施するとともに、安全上重要な設備は地震の揺れが設備にどのような影響を与えたのかを解析します。この解析結果とあわせて必要に応じて追加点検を行います。炉内の重要な構造物の解析結果では今のところ大きな問題は確認しておりません。

<質問>
 必要に応じて非破壊検査などの追加点検をするのではなく、今できる最高の検査をしていただきたい。そうでければ「問題ない」や「安心」ということばは使わないで欲しい。

<回答>
 今後も予断を持たず点検を行い、専門家に議論していただき総合的な判断をしていきます。


<質問>
 地震後の地殻変動について伺いたい。今日の資料では、1~4号機側で平均約7cm、5~7号機側で平均約10cm水準点が動いているとのことであった。また、2月15日の国の合同ワーキングのデータをみた結果、地震前から発電所が浮き沈みがあったとのことだが、これは東電には想定内のことだったのかを教えて欲しい。この事実は国、市、村へ報告していたのか?

<回答>
 地殻変動については、国土地理院の測定や当社の測定から、敷地を含めて広域的な範囲で隆起沈降が生じたのは事実です。全体的な隆起の傾向として、荒浜側は小さく、大湊側は大きい特徴があります。現在水準測量の取りまとめ中で、GPS測量や航空写真測量なども実施し、結果を取りまとめています。
 なお、地震前の測定は、自主的なものであり、国、市、村へ報告はしておりません。


<質問>
 中越沖地震の震源断層面と発電所までの距離はどのくらいか。報道によると、発電所の下まで断層が伸びていると書いていたものもある。

<回答>
 発電所から震源までの距離は23kmです。断層面モデルを考えるときは、断層がどこから破壊したのかというのを想定して、地震動を重ね合わせ、発電所までの距離を勘案して、地震動を算出します。そのため、断層面の大きさ、発電所までの距離では地震動の大きさは一概には決められません。途中の地盤の状況などを勘案して影響を見ることになります。


<質問>
  1. 柏崎刈羽原子力発電所は運転していると、どのくらいCO2 を削減できたのか。
  2. 石油が高騰している中で、原子力発電はこれをやわらげることにつながるのか
<回答>
  1. 柏崎刈羽原子力発電所が1年間止まると当社の年間CO2発生量が通常1億トンですが、3,000万トン増えることとなります。日本全体でみると、2%増につながり、地球温暖化の面からも問題です。
  2. 原子力発電は費用に占める燃料費の割合が高々全体の3割程度と他の発電所に比べて小さいです。その他、原子力発電はリサイクルや供給安定性があり、経済的にも安定しております。


柏崎会場
<質問>
  1. 発電所の立地は適地だったのか。もう一度安全性を重視し、原点に戻っていろんなところを見ながら進めて欲しい。
  2. 寄付金のことだが、市と連携してやるには額が少ない。30億円ではなく、1,000億円くらいは欲しい。
<回答>
  1. 今回の地震は設計よりも大きく上回るものでした。徹底した調査をし、結果を広くお知らせしてまいります。専門家にご議論いただきながら、地質だけではなく、設備の調査も発電所の安全確保を第一で進めたい。
  2. 寄付の件は難しいが、ご意見として承ります。

<質問>
 建屋の測量結果で1/4,200とあるが、これは建屋の最下階から最上階までの変位量で算出したのか。または、各層でも変位があると思うが、どちらの変位をとったのか。

<回答>
 建屋のまわりに測点を設けその高さを測って傾斜を出しています。傾きは高さ方向の変化を長さで割って算出、つまり縦方向の変位を長さで割ったものです。個々のフロアではなくて、全体の建物が傾斜を持って動いているという状態を表しています。


<質問>
 今回の地震で建物が傾いたというが、堅い鉄筋の層を作り、その上に建っているのだから、建物が割れたということではないと考えている。地盤が傾いたのか、それともどこかが部分的に縮んで傾いたのか。

<回答>
 地域全体の地殻の動きについて、国土地理院が人工衛星を用いて地震前後の変動を出しています。4458というポイントは30cmくらい荒浜側より隆起しています。人工衛星で見たものでもこのあたりが隆起しています。また、GPS測量による調査は終了し、現在は解析中ですがそういったものを含めて中越地域全体の変動を明らかにします。

<質問>
 全体的には傾いたということですね。11/7付けの報告によると、建物ごとに傾きが違うが、今の話では全体的に変動しているということで、全体が同じ方向に傾くのではないのか。建物ごとに違うということは非常にやわらかい地盤の上に建っているのではないか。非常に心配である。なぜ、建物で傾き方が違うのか。

<回答>
 全体の傾向は荒浜側から大湊側に向かって、大湊側の方が大きく変動しています。建物ごとの評価は今後検討を進めます。


<質問>
 原子炉圧力容器の内部の目視点検は終わり、1,5号機では不具合があったという内容だった。カメラで見えない部分があると思うが、原子炉の内部で見えない部分は何パーセント位なのか?見えない部分こそ異常が多いのでは?

<回答>
 目視点検では明らかな変形、ひびがあるかどうかを確認することを目的としているため、基本的には全ての範囲を確認しています。
 また、地震でどれだけの力がかかっているかを解析して健全か否かを評価し、目視点検の結果と併せて総合的に健全性を評価しています。


<質問>
 自衛消防の強化策の中で、初期消火体制の充実、訓練・教育などの充実を具体的にどのようにやるのかをお聞かせ願いたい。

<回答>
 消防に関しましては、大変に心配をおかけしまして、申し訳ございませんでした。化学消防車の配備を行ったほか、今年度中には10人以上の専門の人間を配備し24時間体制にします。訓練は、地域の消防署にご指導賜り、定期的に行います。所内では放水訓練を行っています。実際に火が出てそれを消すという訓練も、防災センターで場所を借り、訓練を行うなどの何種類かの訓練を行っています。


<質問>
  1. 不祥事の後に、地震が起こったわけだが、これらを鑑みて東京電力として危機管理室の設置はどう考えるのか?
  2. サスティナビリティレポートを大いに活用すべきと思うが、どう考えるか?
<回答>
  1. 社長をヘッドとした危機管理の委員会があり、それぞれの事業部門でどのようなリスクを持っているかを洗い出し、それらが実際にならないように管理を行っています。
     原子力部門については、防災を専門に見る部署を作り、防災訓練などの取り組みが効果があるのかどうかをしっかりと見て、PDCAを回しています。訓練を行いながら、より良くしていくという部門を本店では作っております。
     発電所側についても同じような体制を作る検討をしており、まとまり次第ご報告出来ると思っております。
  2. サスティナビリティレポートをお読み頂き、ありがとうございます。安定供給とともに、環境問題を含めてどのような取り組みを全社的に行っていくかというのをまとめたレポートでございます。積極的に中身をご説明し、我々の考え方をご理解頂くためにどのような使い方が良いかを考えていきたいと思います。

<質問>
 ゆすりこみの沈下原因の説明があったが、同じような揺れがあった場合にはゆすりこみが起こらないようにする取り組み、修理の方法をホームページで公開してほしい。

<回答>
 承知いたしました。どのようなものがお役に立てるか今はわかりませんが、私どもが提供できるものは提供したいと思います。


<質問>
  1. 地質調査を実施しているが、専門家の方々の話によると、2~3kmの地下の調査では十分な断層の調査はできず、10km程度の調査でないと原発の耐震安全性を評価することが出来ないと言っている。東京電力は技術的に困難と答えているが、どういう理由で実施できないのか?
  2. 知人の話によると、上田尻で地質調査を実施するというチラシが入ってきた。何の目的でやるのか。地元になにも説明がないと不満を示している。地元にきちっと説明することが必要だと思うがいかがか?
<回答>
  1. 技術的に無理という説明はしておりません。技術的にはできます。
    • たとえば、ダイナマイトを使って人工地震を起こせば、かなり深部まで見ることができます。しかし、このような火薬を使った調査はかなりの振動がおこります。また、1回でいいというわけではなく、所定のピッチでダイナマイトを爆発させればデータを取れると思います。
    • また、今使っている起振車を10~15台並べての調査では、今の2~3kmの調査では30秒くらいですみますが、10kmの調査では1時間の単位で時間がかかります。
    技術的には可能でも、現実的に柏崎の市内で出来るかというとなかなか難しいと説明させていただきました。
     国にも結果を説明し、その中でもう一度バランス断面法という評価方法の適用性を判断して頂くと考えています。
  2. 上田尻の調査については、ご説明不足の点があったということに対して、誠に申し訳なく思っております。調査の実施にあたっては道路の管理機関はもちろん、町内会からの同意という形をとらせて頂いております。以前、私も松波に説明に伺いました。町内会単位でぜひ説明会をやってくれということでしたら、いつでも説明にお伺いいたします。是非その方にその旨をお伝え下さい。皆さまのご理解をいただきながら進めていきたいと考えております。

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