柏崎刈羽原子力発電所 > 広報・広聴活動 > 地域の声委員会(社内会議) > 平成20年6月2、3日 > 会場での主な質疑応答の概要

地域の皆さまへの説明会

会場での主な質疑応答の概要

<質問>
 基準地震動の取りまとめと説明されているが、刈羽村でまだボーリング調査などの地質調査を行っている。まだ地質調査を行っているにもかかわらず、基準地震動をとりまとめたとはどういう事なのか?この地質調査の結果次第では、基準地震動を変更するのか?
 また、今後、刈羽村でどのような調査を行うのか?

<回答>
 地質調査は大きく2つの目的があります。一つが基準地震動を策定するために活断層を見つけるための調査。もう一つは地盤の安定性を確認するための調査です。現在、刈羽村で行っている調査は後者の地盤の安定性を確認するための調査になります。前者の基準地震動を策定するための調査は、3月27日に調査結果を国の委員会に報告し、4回の審議をいただき、評価をいただきました。そこで、次のステップとして基準地震動を取りまとめました。もちろん、活断層の評価については県の技術委員会で審議は継続中ですが、その結果はしっかりと反映していきます。
 刈羽村で行う調査は、ボーリング調査に関しては9本を計画しています。現在、1本を完了しています。残りは6月中旬までに終える予定です。


<質問>
 真殿坂断層が今回の地震に影響しているものと思っていた。今、刈羽村内で行っている東京電力の地質調査は真殿坂断層に関連する調査か。

<回答>
 現在行っている地質調査は地盤の安定性を確認するための調査です。真殿坂断層については一昨年の耐震設計審査指針の改定時に新指針に則り、活断層かどうかを調査しました。その結果については、昨年4月の説明会において、新指針に照らしても、活断層ではないことを説明いたしました。国の中でもそのように評価されております。現在実施している地質調査は真殿坂断層に注目して行っている調査です。真殿坂断層は150万年前まで活発に活動していた断層と考えていますが、データの拡充を図っていく位置付として調査しているものです。


<質問>
 F-B断層と中越沖地震の震源断層は一緒ということでよいのか?アスペリティの位置など同じだが?

<回答>
 F-B断層を中越沖地震の震源断層と考えています。中越沖地震でエネルギーを出したアスペリティをF-B断層でもアスペリティとして設定しました。一度動いたアスペリティは同じ位置で動くという知見があり、それを反映してF-B断層のアスペリティを設定しました。


<質問>
 県の技術委員会で、「F-B断層は34kmではなくもっと長い、それは見れば分かる」と断言されている先生方がいる。そのような議論があるにも関わらず、基準地震動を策定するなどとは許されない。

<回答>
 最近の断層関連褶曲の考え方に基づいて、F-B断層を27kmと評価しました。その後、国・県の委員会で先生方の議論を受けて、不確かさを考慮してF-B断層を34kmとして評価しています。これは引き続き、国の委員会などで審議され、それを反映していくものと考えております。


<質問>
東電の発表によると、7号機排気筒から7月9日~17日までに放出されたヨウ素131、133、135は全部で4億ベクレルと発表があった。これを含めて、放射性物質の全放出量を公表していただきたい。併せて原子炉の運転記録(地震発生前直近のもの)を出してほしい。

<回答>
今回の地震により、6・7号機からの微量な放射性物質の放出は事実であり、このことについては謝るしかございません。しかし、国や県からもこれは環境には影響はないという評価を受けております。記録の公表については、了解いたしました。
 放射性物質の放出量、運転記録につきましては、県にも報告しており、また皆さまにもカムフィーの情報公開コーナーで自由にご覧頂けます(周辺環境放射線監視調査結果報告書(新潟県))。しかし、それだけでは不十分であるとも考えておりますので、インターネットでの公開などを検討いたします。


<質問>
現在、国や県の技術委員会で審議中と言っているのに、ここで基準地震動を決めて補強の内容や日程を決めているのは納得がいかない。審議結果が出ても変更できないのではないか。内部資料が流出したが、その資料のように一刻も早く(運転を)再開したいために、どうしても強引に進めたいのではないのか。

<回答>
国や県の審議が進んでいるのは承知しておりますし、その結果については適切に反映してまいります。事業者としては常に安全を維持し、向上していくことは重要であり、新たな知見に基づいて必要な耐震強化工事をしていくことは必要です。皆さまに安心していただけるように安全性を強化していきたいと思っています。急ぐわけではなく、1つ1つの積み重ねであると考えておりますが、さらに皆さまにしっかりとご説明していきたいと考えております。


<質問>
基準地震動の策定に用いる活断層の選定の方法についてですが、旧指針の基準地震動(S2)では常楽寺断層が根拠となっていた。国土地理院で地殻変動量を出しているが、これによると、隆起した変動帯のふもとに常楽寺断層がある。本来そこに注目し詳細な地下の調査が必要なのに十分な説明がないし、また、新しい基準地震動でなぜ選定しないのか。

<回答>
中越沖地震の震源断層がF-B断層だと言ったにもかかわらず、地表面で動いている箇所は違うというのはご指摘のとおりです。地震を考える際には、地表面の動きではなく、断層を考えることが大切です。そのため、活断層の調査を行い、基準地震動の策定に必要な活断層を評価しました。基準地震動の策定で考える活断層は、動いた場合、どの活断層が発電所に大きな揺れを起こすのかを計算し、決定します。その結果、F-B断層と長岡平野西縁断層帯が影響が大きいと評価しました。
 旧指針の基準地震動S2は常楽寺断層が動いた場合や直下型地震などを全て包含したもので、それとF-B断層による揺れ、長岡平野西縁断層帯による揺れを比較すると後者の方が大きいという評価がでております。


<質問>
海からの地震は荒浜側の方が2倍揺れるという説明があったが、過去の地震を見ると、大湊側が大きく揺れているものがある。なぜ、荒浜側の方が2倍揺れると言うことができるのか?その根拠はなにか?

<回答>
7月16日に発生した中越沖地震の余震(M5.8)では大湊側の方が大きな揺れを観測しています。これは、(地下深くの)解放基盤表面で同じ揺れがあった場合には、その上の地盤などの影響で大湊側の方が5割増し程度強く揺れるということがわかっております。それを考慮するとこの余震は解放基盤表面ではほぼ同じ揺れであったと考えられます。
 それ以外の中越沖地震の余震を分析していますが、断層の南側のアスペリティがずれて発生した地震に関しては、(解放基盤表面で)荒浜側の揺れが約2倍になることが分かっております。この評価結果を基準地震動の取りまとめに反映しております。

<質問>
中越地震の際の説明では、地下の揺れの2~3倍の揺れが地表面で起こると説明していた。一方、今回の説明では地下の揺れが大きく、原子炉建屋の揺れが小さくなっている。どういう事なのか説明してほしい。

<回答>
中越地震の際の説明は、原子炉建屋の最地下階部の揺れの2~3倍の揺れが地表面で起こるという説明でした。今回は、地中深くの解放基盤表面の揺れが原子炉建屋の最地下階部でどのような揺れになるかを説明いたしました。また、基準地震動というのは、解放基盤表面の上に何も無いと仮定した場合の揺れであり、実際は地盤や建屋があるため、解放基盤表面上のゆれは2280ガルの半分程度になると想定しています。


<質問>
 中越地震の時に発電所は堅固な地盤の上に建てると説明しているが、先程の説明では発電所は相当厚い堆積層の上に建っていると説明していた。中越地震の時の説明で固い岩盤と言っていたのはどこのことなのか?

<回答>
 今回の地質調査ではいろいろな層(寺泊層、西山層)を確認しているますが、これらはすべて堆積層です。耐震指針では発電所は岩盤に設置するとされていますが、岩盤とはある強度をもって年代的には150万年前よりも古い地層のことです。西山層は200万年前程度の地層であり、原子力発電所はそこに設置されています。建設前には地質調査で強度試験を行っており、原子炉が設置できることを確認しております。


<質問>
 β断層周りの西山層が映像(TV)や写真では水で光っている。水で光るようなものは岩盤なのだろうか?また、現場で爪で引っ掻いてみたら、爪が削れずに岩盤が削れた。岩盤の堅さはどの程度のものをいうのか。

<回答>
 β断層は建設前から断層と確認しているが、古い年代のもので活断層でないと評価しているものです。今回の地震で動いたのかどうか確認するため調査しました。この調査のために立坑を掘削したところ、周囲から水がさして水滴が見られたものです。岩盤は新指針では十分な支持性能があるものとされており、西山層は一軸圧縮強度が40kg/cm2程度ありますが、これが説明した新しい基準地震動で壊れるのかどうかはこれから検討し、審議していただきます。結果は皆さんにお知らせしてまいります。


<質問>
 発電所を補修していくという説明があったが、シュラウドのひびは補修するのか?原子炉も中性子の影響で脆くなってくる。これらについては補修出来ないと思うが。

<回答>
 今回、強化する必要のあるものとそうではないものがあります。たとえば、圧力容器は圧力の影響が大きく、地震力の影響は小さいため補強の必要はありません。シュラウドは圧力容器に比べれば肉厚は薄く、地震の影響は幾分大きくはなりますが、ひびは小さいものであり、維持基準の考え方で良いと考えております。


<質問>
 解放基盤表面に各号機によりバラつきがあるのはなぜか。

<回答>
 解放基盤表面の定義は波の伝わる速度で決めています。波が早く伝わるほど岩盤は固いです。毎秒700mで伝わるところを解放基盤表面とする規定がございます。これを各号機毎に設定するため、ばらつきがございます。


<質問>
 1号機に関して質問させていただくが、もとの設計値が273Galで、耐震強化のための値が1000Galと4倍近い。実力で評価をするということではなく、設計をやり直すべき。補強という話ではない。設計そのものが違うのではないか。

<回答>
 原子力発電所は安全上重要な設備およびそれに付帯する設備という大きく2つに分かれます。安全上重要な設備の方は断層を評価して基準地震動を評価しそれに耐える(設計値の273Galはこちらのことです)のと、建築基準法の3倍に耐えるという両方を満たさなければなりません。今回、この建築基準法の3倍で設計をしており、それと中越沖地震による揺れを比較いたしますと、それほど大きさにかわりはありませんでした。そして、その結果、建屋にはほとんどひびはありませんでした。設計思想が崩れたのではという点ですが、安全上重要な設備、および建屋にはほとんど損傷がありません。これは、しっかりとした地盤に作るなどの考え方で設計していたためだと考えています。また、圧力容器などかかる圧力によって設計が決まり、地震力はあまり影響しない設備もあれば、配管のように地震力の影響を受ける機器もあります。影響を受ける機器については、補強をすることで地震に耐えるものにすることができます。

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