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福島第一原子力発電所の状況について(日報)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)
【午後3時現在】

2015年7月17日
東京電力株式会社


 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、2011年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 2013年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項


7月17日午前3時27分頃、福島第一原子力発電所構内の汚染水処理設備(淡水化処理RO膜装置3-3)において、漏えい検知器が動作したため、現場を確認したところ、同日午前3時48分に同装置の高圧ポンプと配管の接続部から、水が漏えいしていることを当社社員が確認。同日午前3時50分、同装置を停止。なお、装置内の残圧により鉛筆芯2本程度で漏えいは継続していたが、同日午前4時30分に漏えいが停止したことを確認。
漏えい範囲は、約20m×10m。漏えいした水については、同装置に設置されている堰内に留まっていることから、外部への影響はない。漏えいした水については、吸着材にて漏えい拡大防止措置を実施し、同日午前10時20分から午後2時20分、パワープロベスター(バキューム車)による水の回収を実施。現在、原因については調査を実施している。


また、漏えい水の放射能分析結果は以下の通り。
<漏えい水放射能分析結果>
セシウム134  8.0×102Bq/L
セシウム137  3.1×103Bq/L
コバルト60   6.6×101Bq/L
全ベータ   6.3×104Bq/L

《1号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機の原子炉建屋カバー(以下、「建屋カバー」という。)解体作業に伴う屋根パネル(計6枚)の取り外し作業については、5月26日頃から開始することとしていたが、原子炉建屋3階機器ハッチ開口部に設置したバルーン※が、所定の位置に設置されていないことが確認され、復旧に時間を要することから、屋根パネルの取り外し作業を延期する。なお、ダストモニタおよびモニタリングポストのダスト濃度等に有意な変動は確認されていない。
バルーンがずれた原因を調査した結果、バルーンを覆っていた雨カバー上に瓦礫が落ちたことで雨カバーにくぼみが発生し、くぼみ部に飛散防止剤が溜まり、その自重によってバルーンがずれたものと推定。その後、バルーンの再設置等を検討したが、平成26年11月に測定した空気中の放射性物質濃度や現状の原子炉建屋開口部の縮小状態を踏まえると、バルーンを設置しない場合においても、1号機からの放射性物質の飛散による敷地境界での被ばく量の評価値は、2015年6月時点での1~4号機原子炉建屋からの追加的放出による敷地境界での被ばく量に対し影響が小さいことを確認。
また、バルーンを再設置した場合、瓦礫の落下等によりバルーンのずれが再発する恐れがあること、および作業員の過剰被ばく防止の観点から総合的に判断し、バルーンを再設置しないこととした。(2015年7月10日 特定原子力施設に係る実施計画の変更認可済)なお、バルーンを設置しなくても放射性物質の飛散による被ばく量は十分に低いことを確認しているが、大物搬入建屋からの風の流入を抑制する目的で、屋根パネル取り外し前に大物搬入建屋内に防風カーテンを設置する。また、建屋カバー解体作業にあたっては、飛散防止剤散布等のダスト飛散抑制対策を十分に実施するとともに、ダストモニタおよびモニタリングポストにてダスト濃度等の監視を十分に行いながら慎重に実施する。
建屋カバー屋根パネルからの飛散防止剤の散布については、7月17日午前7時6分より作業を開始。作業にあたっては、ダストモニタおよびモニタリングポストにてダスト濃度等の監視を十分に行いながら慎重に進めていく。


※建屋カバー解体作業に伴う放射性物質放出抑制対策として、開口部の面積を小さくすることで放射性物質の放出量を抑える(少なくする)ことを目的に設置。

《2号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送実施(2015年7月7日午後3時2分~7月17日午前10時43分)
2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年7月17日午前10時43分~)

《3号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年7月17日午前11時26分~)

《4号機(2012年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

《5号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《6号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中

《地下水バイパスの状況》
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。

※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日7月1日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。7月16日午前10時17分より海洋への排水を開始。同日午前10時28分に漏えい等の異常がないことを確認。同日午後3時24分に排水を停止。排水停止状態に異常のないことを確認。排水量は1,239m3

《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
7月16日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、堰床部に溜まっている雨水の影響により、一部実施出来ない箇所を除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、切替C排水路35m盤出口(C-2-1)のセシウム137の値が、7月15日に採取した検出限界値(2.1Bq/L)未満から23 Bq/Lに上昇していることを確認。また、構内側溝排水放射線モニタ近傍のセシウム137についても7月15日に採取した検出限界値(3.3Bq/L)から17 Bq/Lに上昇していること、および全ベータの値についても検出限界値(4.6 Bq/L)から51 Bq/Lに上昇していることを確認したが、7月16日の強い降雨の影響により上昇したものと考えている。
なお、7月16日午前8時24分頃に確認されたK排水路内の水が堰から外洋側にも一部排水された事象に鑑み、環境への影響について確認するため、同日午前9時50分に採取した、南放水口付近海水(排水路出口付近)(T-2)のセシウム134、セシウム137および全ベータの値については、堰から外洋側に一部排水される前の午前7時15分に採取した値と比較し有意な変動は確認されていない。
その他の採取した測定結果は前回と比較して大きな変動は確認されていない。


※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、2013年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
2013年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。3,4号機間においては2015年4月1日、ウェルポイントからの地下水の汲み上げを適宜実施中。

<最新の地下水移送実績>
2013年9月7日から1,2号機東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、2013年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.1-16で高い濃度の全ベータが検出されていることから、2014年1月29日より当該観測孔近傍に設置した地下水汲み上げ用の孔(No.1-16(P))からの地下水の汲み上げを適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~4号機サブドレン観測井の状況》
※1~4号機建屋に隣接している井戸(サブドレンピット)の浄化試験をした結果、ピット内の溜まり水から放射性物質が検出されており、その流入経路としてフォールアウトの可能性があることから、新たに1~4号機建屋周辺に観測井を設置し、フォールアウトの影響について確認することとしている。

《地下貯水槽の状況》
※2013年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~3号機放水路の状況》
※1~3号機放水路については、1号機放水路上流側立坑および2号機放水路立坑において、セシウム137の濃度が上昇したことから定期的に水質調査を実施。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して有意な変動は確認されていない。

《K排水路の状況》
※耐圧ホースから漏えいした水が側溝からK排水路を経由し、港湾内に流出したことから、K排水路排水口ならびに港湾口連続モニタの監視を実施。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、7月16日採取した水の分析結果(セシウム134、セシウム137、全ベータ値)が前日の分析結果よりも上昇しているが、強い降雨の影響により一時的に上昇したものであると判断している。
また、港湾口連続モニタの値については、有意な変動は確認されていない。
引き続き、監視を継続していく。
なお、K排水路の排水については、同排水路内に堰を設けて、移送ポンプを設置し港湾内に繋がるC排水路へ移送しているが、7月16日午前8時24分頃、移送ポンプは全台正常に稼働しているものの、移送ポンプの移送量を超える強い降雨の影響により、K排水路に設置した堰から外洋側にも一部排水されていることを確認。7月16日午後8時10分頃、稼働していた8台(全台数)の移送ポンプが6台に切り替わったことから、この時間に一部排水が停止し、通常の排水状態に戻ったものと考えている。


以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)

考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。

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