EVが当たり前の世界をつくる
EVを通じた脱炭素社会をTEPCOがけん引

2021/04/22

EVが当たり前の世界をつくる EVを通じた脱炭素社会をTEPCOがけん引

東京電力グループは、10年以上前から実業務にEVを先駆けて取り入れてきた企業であり、脱炭素社会の実現のためにさらなるEV推進に取り組んでいます。東京電力ホールディングス株式会社は、2019年10月に「EV推進室」を設置し、東京電力グループの業務車両の電動化を推進するとともに、企業や自治体等が利用している業務車両の電動化の推進や次世代のモビリティ社会を支える事業開発を行っています。また、同時期に、充電インフラ整備とサービス拡大を担う「e-Mobility Power」を中部電力株式会社と共同で設立しました。EV事業に取り組む社員に、現在の活動内容とEV推進への思いを聞きました。

東京電力グループのEV推進後編はこちら

東京電力ホールディングス株式会社
EV推進室 企画グループ

齋藤 未恭

2008年入社。家庭向けプランやオール電化の営業、自治体への事業理解活動、プロモーション業務に従事。2020年10月より現職。

齋藤 未恭

東京電力ホールディングス株式会社
EV推進室 普及促進グループ

西杉 茜

2008年入社。家庭向けオール電化営業や法人営業、アライアンスパートナーとの電気・ガス販売に従事。2019年10月EV推進室発足に伴い、現職。

西杉 茜

電化を通じた脱炭素社会の実現

齋藤「東京電力グループは脱炭素社会を実現するために、エネルギーをつくる立場として、再生可能エネルギーの主力電源化と火力発電における脱炭素技術の開発に取り組んでいますが、同時に、エネルギーを使われるお客さま側への働きかけも必要と考え、電化を通じたお客さまへの働きかけを行ってきました。中でも、EVが果たす役割は大変大きいものと考えています。

国内のCO2排出量のうち2割を占めるのが、自動車や船舶などの運輸部門です。自動車を電動化することができれば、走行時のCO2排出量削減に加えて、さらに3つのメリットが期待できます。一つ目は、蓄電池を搭載しているためガソリン車と比較して、エネルギー源に再生可能エネルギーを利用しやすいこと。二つ目は「動く電源」となり、災害時に電源供給できること。2019年の台風15号の大規模停電の際に電動車両から電力を供給した事例もあり、業務車両を「動く電源」として災害時に活用する方法を検討しています。三つ目は、風力発電や太陽光発電などで電力を大量に生み出したときに、電動車両の蓄電池を利用することにより、電力系統の安定化につながることです」

2030年までに、全ての業務用車両をEVに!

齋藤「東京電力グループは2019年5月、国内のエネルギー企業として初めて、事業活動で使う車両のゼロエミッション化を目指す国際イニシアティブの「EV100」に加盟しました。「EV100」の加盟企業は、社用車のEV化や充電器の設置を推進し、2030年までの目標をコミットすることが求められています。東京電力グループはその枠組みの中で、特殊車両や代替する電動車両がない車両を除き、全ての業務車両を2025年度までに50%、2030年度までに100%電動化するという目標を掲げました。約4000台の業務車両をリース契約の入れ替え時期に合わせ、計画的に電動化していきます。東京電力の社員がいち早くEVを利用することで、身をもってEVの使いやすさや課題を発信し、EV普及に貢献していけるのではと考えています」

齋藤「「EV推進室」では、東京電力グループのEV推進活動を集約し、社内外に発信していきたいと考えています。EVの情報や取り組みは、シンプルに伝えることが難しいところもあります。そのため、社員がEVについてどのくらいの認知があるのか、業務に使用する中で感じていることは何かなどを、ヒアリングやアンケートによって知ることから始めています。また、伝える相手によって、どのような目線や言葉で伝えると良いのか、そして、伝わっているかを知るために、コミュニケーションを図りながら、わかりやすく伝えていくことにこだわっています」

電動車普及に取り組む企業が一致団結!

西杉「業務車両を電動化する上での課題の一つは、業務に資する車両ラインナップが少ないということです。そこで2020年5月に、東京電力ホールディングスと日本電信電話株式会社、株式会社日立製作所、株式会社リコーの4社が、業務車両を電動化するうえでの課題を共有し、解決することを目的として「電動車活用推進コンソーシアム」を設立しました。コンソーシアムには、電動車(EV・PHEV・FCV)を業務車両として活用する意向のある企業、車両メーカー、約70社が参加しています。1社では解決できない電動車導入における課題を、企業が一致団結して取り組むことで、電動車普及に拍車がかかることを期待しています。

「電動車活用推進コンソーシアム」の主な活動は、会員企業に業務に必要な車両の航続距離や荷室容量などをヒアリングしてニーズを集約し、車両仕様の共通化を図り、車両メーカーに提言することです。業務に資する車両ラインナップを増やすことで、業務用領域における電動車普及を後押しすることが狙いです。

リアルなEV運用を検証

また、会員企業からは、業務車両の充電は事業所内だけで完結するのは難しく、課題解決を図りたいとのお声を多くいただいています。立体駐車場や、貸駐車場を利用しており、基礎充電環境が整備しづらいことが背景です。そこで、当社が自らの業務車両を公共充電器で充電してみることで、課題を浮き彫りにする実証試験を行っています。例えば、2020年11月〜2021年2月にかけて、山梨県南アルプス市で実施している実証実験では、1台の急速充電器を複数の企業が業務で利用するEV30台を使って共同利用し、運用における課題検証を進めています。リアルな業務オペレーションを通して、車両導入に関する課題解決を図っていきます」

EVをもっと身近に、当たり前に

西杉「いまだに多くの方がEVに対して、航続距離や充電の利便性の面でマイナスなイメージを持っています。でもそれは、EVが身近ではないからではないでしょうか。過去に、キッチンのガスコンロをIHクッキングヒーターに変更するご提案を始めた頃も「ガスでないと、土鍋が使えない」など、IHにはできないことばかりに目が行きがちでした。でも「土鍋が使えないからIHを諦めるのではなく、どうやってIHを使うか」と発想を変えた人がいたおかげで、IH対応の土鍋が誕生するなど、様々な工夫が生まれ、今では当たり前のようにIHが選択肢の一つとして浸透しています。EVのデメリットをどのようにリカバリーし、メリットを生かしていくか、真剣に考えていきたいですね。

東京電力は10年以上前から実業務にEVを取り入れてきた数少ない企業です。これまでに得られた知見や失敗は、まさに宝物。私たちが現場で行ってきた工夫やアイデアを集約して「電動車活用推進コンソーシアム」の活動に生かしていきたいと考えています。EVを使ってきた企業としての矜持をもち、先進的な企業とともに、電動化のトップランナーになっていきたいです」

齋藤「そうですね。EV100を達成した暁には、脱炭素社会実現の一翼を担う会社として胸を張れると思います。長期的な取り組みですが、渡されたバトンをしっかり握って走り、次の世代につないでいけるよう頑張っていきたいと思います」

関連情報

  • ウェブマガジン『EV DAYS』

    さあ、EVのある暮らしを始めよう!
    EV DAYS(イーブイ デイズ)は、「EV(電気自動車)を中心とした暮らしの電化」に関する情報をお届けする、東京電力エナジーパートナー株式会社のウェブマガジンです。「EVにまつわる暮らしのすべて」に役立つ情報を発信していきます。

  • TEPCOが描く「電動車両が拓く未来」

    世界全体で気候変動対策を進めることは喫緊の課題であり、脱炭素化社会の実現に向けて運輸部門の電動化が期待されています。
    東京電力グループでは、自社の業務車両の電動化だけでなく、他企業とも一体となって電動化に向けた課題解決に取り組んでいます。

ページの先頭へ戻ります

  1. HOME
  2. 東京電力報
  3. EVが当たり前の世界をつくる
    EVを通じた脱炭素社会をTEPCOがけん引