1~3号機には、燃料と燃料を覆っていた金属の被覆管などが溶け、再び固まった燃料デブリがあります。燃料デブリによるリスクを下げるため、燃料デブリの取り出しにむけて準備を進めています。初号機(2号機)の取り出し開始を目指しており、段階的に取り出し規模を拡大していきます。取り出した燃料デブリは、発電所構内に新設予定の保管設備で保管します。

燃料デブリとは

事故当時、1〜3号機は稼働中だったため炉心に燃料が格納されていました。事故発生後、非常用電源が失われたことで炉心を冷やすことができなくなり、この燃料が過熱、燃料等が溶融しました。その溶融した燃料等が冷えて固まったものを燃料デブリと言います。
現在は格納容器内部の状態を確認し、燃料デブリを取り出すため様々な調査を進めています。

各号機の炉心・格納容器内の燃料デブリ分布の推定

燃料デブリ取り出し方針

方針1 ステップバイステップのアプローチ 取り出しを進めながら徐々に得られる情報に基づいて、柔軟に方向性を調整します。
方針2 廃炉作業全体の最適化 準備工事から燃料デブリ取り出し工事、搬出・処理・保管および片付けまで、全体最適化を目指した総合的な計画として検討を進めます。
方針3 複数工法の組み合わせ 燃料デブリが存在する部位に応じた最適な工法を組み合わせ、格納容器底部は横、圧力容器内部は上からアクセスする工法を軸に検討します。
方針4 気中工法に重点を置いた取り組み 原子炉格納容器を水で満たす冠水工法は技術的な難度が高いため、気中工法に軸足を置いて取り組みを進めます。
方法5
原子炉格納容器底部に横からアクセスする燃料デブリ取り出しの先行
迅速に燃料デブリのリスクを低減する観点から、まず、原子炉格納容器底部にある燃料デブリを、横から取り出します。

燃料デブリ取り出しのステップ

STEP1 格納容器内部調査

STEP2 燃料デブリ取り出し

試験的に燃料デブリを取り出し、燃料デブリの性状の分析等を行います。
その後、格納容器内部調査や試験的取り出しで得られた情報をもとに、燃料デブリの取り出し規模を拡大していきます。

廃炉中長期実行プランはこちら 

STEP3 保管

取り出した燃料デブリは、専用容器に入れて移送し、発電所構内に新設予定の保管設備で保管します。

「燃料デブリ等の取り出しから保管まで」の概要資料(2020年7月2日付)

各号機の状況

燃料デブリおよびその周辺の構造物の状況を確認するため、各号機とも格納容器の内部調査を進めています。

中長期ロードマップの進捗状況(廃炉・汚染水・処理水対策チーム会合 事務局会議)で、毎月の進捗等に関する資料を掲載しています。
詳しくはこちらの「燃料デブリ取り出し」資料をご覧ください。

格納容器内部調査の実績<年表>

1号機 2号機 3号機
2012年

10月(1回目)

1月(1回目)

3月(2回目)

2013年

8月(3回目)

2014年
2015年

4月(2回目)

10月(1回目)

2016年
2017年

3月(3回目)

1~2月(4回目)

7月(2回目)

2018年

1月(5回目)

2019年

2月(6回目)

2020年
2021年
2022年

2月~(4回目)