ALPS処理水等の保管

タンクの安全性

ALPS処理水を保管しているタンクから水が漏えいしないよう、下記の取組を行っています。

組立型から溶接型へのタンク更新

フランジ型タンク
溶接型タンク

事故後間もない時期に、発生する汚染水を保管するためスピード優先で設置した組立型(フランジ型)タンクを順次解体し、漏えいリスクが低い溶接型タンクへの更新を実施してきました。一部、残っている組立型タンクについては、接続部(フランジ部)に止水加工を施し、漏えい防止対策を実施しています。

堰の二重化・堰カバーの設置

タンクの画像
タンクの画像

万一の漏えい時に系外への流出を防ぐ目的で、タンクエリアの周囲に二重の堰を設けています。また、雨どいや堰カバーを整備することで、雨水の堰内への流入を抑え、堰としての機能を確保しています。

耐震性

強い地震動によりタンクに大きな力(垂直、水平)が作用した場合には、力を逃がす構造(あえて基礎に固定しない)としています。そのため、タンク間を連結する配管は、ある程度のタンクの移動に追従する構造としています。
また、貯留用のタンクが満水になった際には、連結管の両側に設置した連結弁を全て閉とする運用をしています。

津波対策

タンクは海抜30m以上の高台に設置しています。
また、防潮堤の設置を順次進めています。

移送配管での漏えい対策

耐衝撃・耐候性に優れ、上水道・ガス供給配管として実績の多い高密度ポリエチレン管を設置し、処理水等の移送を行っています。
また、配管の接続部については止水処理を施工しております。

定期的なパトロール

タンクの画像

現場に異常が無いかを確認するパトロールを定期的に行っております。

タンクと敷地利用について

ストロンチウム処理水(ALPS処理前水)やALPS処理水等は、敷地内のタンクに貯蔵しています。2020年12月11日に、約137万㎥のタンクの設置が完了しました。
2021年5月20日時点のALPS処理水等の保管実績(約126万㎥)から、汚染水発生量150㎥/日の場合、2023年春頃に計画容量である約137万㎥に到達します。(タンク建設進捗状況
廃炉事業に必要と考えられる施設(貯蔵を継続するためのタンクや使用済燃料・燃料デブリの一時保管施設など)の設置に向けて、敷地全体の利用について、作業進捗に合わせ検討していく必要があります。

  • 震災前 2009年11月
    震災前
    2009年11月
  • 震災直後 2011年5月
    震災直後
    2011年5月
  • タンク増設の変遷 2011年3月頃~2013年3月頃:フランジ型タンクの設置
    タンク増設の変遷
    2011年3月頃~2013年3月頃:フランジ型タンクの設置
  • タンク増設の変遷 2013年4月頃~2014年12月頃:溶接型タンク設置
    タンク増設の変遷
    2013年4月頃~2014年12月頃:溶接型タンク設置
  • タンク増設の変遷 2015年1月頃~2020年12月頃:フランジ型タンクのリプレース
    タンク増設の変遷
    2015年1月頃~2020年12月頃:フランジ型タンクのリプレース

ALPS処理水等の保管状況※2020年12月11日に、約137万㎥のタンクの設置を完了

※2020年12月11日に、約137万㎥のタンクの設置を完了

2021年5月27日 厳格な放射能濃度の測定・評価に必要な設備についてより

タンクの建設計画

多核種除去設備の処理を行うにあたり運用上必要となるタンクとして確保しているもの。

敷地全体MAP

福島第一原子力発電所の敷地利用状況です。

福島第一原子力発電所の敷地利用状況

※点線施設は、建設計画が決定しているものです。
※2019年10月時点

今後の敷地利用の検討

廃炉事業に必要と考えられる施設の設置に向けて、敷地全体の利用について、作業進捗に合わせ検討していく必要があります。

今後の敷地利用の検討
敷地北側
廃棄物を処理・保管するために活用するエリア
敷地南側
「多核種除去設備等処理水を貯蔵するタンク」「使用済燃料・燃料デブリの一時保管施設」に活用するエリア
今後具体化を検討していく施設

ALPS処理水の処分