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福島第一原子力発電所の状況について(日報)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)
【午後3時現在】

平成26年6月10日
東京電力株式会社

 平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、平成23年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 平成25年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項

※平成26年6月2日午後3時頃、汚染水タンクエリアに設置してある4,000トンノッチタンク群における2つのタンクの側面上部のボルト付近から水が漏れていることを、パトロール中の原子力規制庁保安検査官が発見。
その後、当社社員による現場確認において、当該ボルト部から1秒に1滴程度の水漏れがあることを確認。当該ノッチタンクには汚染水タンク堰内に溜まった雨水を溜めている。午後7時40分頃、当該タンク群の水を別のタンク群に移送して水位を低下させたことにより、漏えいが停止したことを確認。

<漏えいに至った推定原因>
平成25年10月頃、当該ノッチタンク群に堰内雨水(平成25年8月に漏えいが発生したH4エリア堰内雨水を含む)の移送を実施し、その際、ノッチタンク天板からの水位を20~30cmで移送を終了した。その後、タンク天板の開口部から雨水が進入しタンク水位が徐々に上昇したため、タンク天板上部から11cm下にあるボルト穴から滴下に至ったものと推定。漏えい水が混入したノッチタンク群周辺堰内の溜まった水(約4m3)については回収を完了。なお、漏えい発見時において堰外への漏えいがないことを確認しているが、当該堰については、堰内雨水を一時貯留するものであったことから、管理対象外としていた。

<漏えい範囲>
漏えい範囲については、漏えい発見時において当該ノッチタンク群堰外への漏えいがないことを確認していたが、過去の当該堰外への漏えいを含め、詳細調査を実施。
当該堰周辺の70μm線量当量率測定(ベータ線)*結果において、当該堰ドレン弁表面は0.008mSv/h、ドレン弁から近距離の砂利表面は0.057mSv/h、ドレン弁から数メートル離れた場所の砂利表面は0.015mSv/hであった。
その後、測定範囲を拡大するとともに、測定ポイントを増やして土壌の70μm線量当量率測定(ベータ線)*を実施したところ、ドレン弁から約40m先まで連続的に0.004~0.028mSv/hの範囲で線量があることを確認。
このことから、当該ノッチタンクから滴下した水が、当該堰の外へ漏えいしたと判断した。
なお、調査結果より、線量が確認された範囲が限定的であることから、海洋への影響はないと判断。線量が確認された範囲の土壌については、回収作業を実施している。

<漏えい量>
当該ノッチタンクからの漏えい量については、本年2月末のパトロールにおいて当該ノッチタンクに異常がなかったことから、漏えい開始時期を本年3月以降と仮定し、当該ノッチタンク内水の4m3が当該堰内に漏れたと推測。
当該ノッチタンク内水の分析結果(全ベータ;72,000Bq/L)、および当該堰内に溜まっていた水の分析結果(全ベータ値;9,800Bq/L)の比より、当該ノッチタンクから当該堰内に漏えいし、残っている量は約0.6m3と評価した。
よって、漏えい水が混入した当該堰内の溜まった水(4m3)に含まれる放射性物質の全放射能量(ベータ核種合計)は、約4.3×107Bq、堰外に漏えいした水(約3.4m3)に含まれる放射性物質の全放射能量(ベータ核種合計)は、約2.5×108Bqと評価した。

当該ノッチタンク群に貯留していた水は、汚染水タンクエリア堰内に溜まった雨水ではあるものの、その中には、昨年8月19日に淡水化装置濃縮水の漏えいが確認されたH4北タンクエリアの堰内に溜まった雨水も含まれていた。H4北タンクエリアの堰内に溜まった雨水は、漏えいした淡水化装置濃縮水を回収した後にH4北タンクエリア堰内に溜まった雨水ではあるものの、堰内に汚染が残存しその影響で放射能濃度が高くなっていると考えられる。

本件については、堰内に溜まった雨水が流れ出たものと判断していたが、関係箇所に確認した結果、過去の漏えいの影響で雨水の放射能濃度が高くなっており「核燃料物質により汚染された水の漏えい」と考えられることから、6月9日午後4時20分、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第62条の3に基づき制定された、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則の第18条第12号「発電用原子炉施設の故障その他の不測の事態が生じたことにより、核燃料物質等(気体状のものを除く)が管理区域内で漏えいしたとき。」に該当すると判断。
* 測定対象物から約5cm離れた箇所における測定

※6月9日午前10時15分頃、5・6号機北側Fタンクエリアの滞留水処理装置(淡水化装置)より、濃縮水がトレーラー内に漏えいしていることを当社社員が発見。処理装置自体は専用のトレーラーに積載されており、トレーラー内の漏えい範囲は、約1.5m×約5m×深さ約3mm。同日午前10時20分に当該装置を停止したところ、装置からの漏えいは停止したが、トレーラー外に1秒に2滴程度漏えいがあったことから、ビニール袋にて養生を実施。トレーラーは堰内に設置されており、漏えいした水は堰内にとどまっているため外部への流出はない。漏えい発生箇所における線量測定の結果は以下の通り。
・雰囲気線量(地面から約100cm離れた位置)
 70μm線量当量率(ベータ線) 0.000mSv/h
 1cm線量当量率(ガンマ線)  0.003mSv/h
バックグラウンドの測定値も0.003mSv/h(ガンマ線+ベータ線)と同等。
また、漏えいした水の分析を行った結果は以下の通り。
・セシウム134:3.6×102 Bq/L
・セシウム137:1.0×103 Bq/L
・全ベータ:9.3×103 Bq/L

漏えい箇所は、当該装置に設置されている導電率計のフランジ部であることを確認。漏えい量は、当該装置のトレーラー内に約23リットルおよびトレーラー外に約44リットルの合計約67リットルと推定。漏えいした原因については、引き続き調査中。

※6月9日午前11時55分頃、Bタンクエリアにおいて配管寸法確認を行っていた作業員が、免震重要棟において汚染検査を受けたところ、顔面および鼻腔内に放射性物質の付着が確認された。ただちに当該作業員の顔面および鼻腔内に付着した放射性物質の除染を行った上で、福島第一原子力発電所を退域し、内部取込みの恐れがあることから、同日午後3時34分にJヴィレッジにてホールボディカウンタ(全身測定)*を受検。その結果、今後50年間に受ける放射線の量は0.51ミリシーベルトと評価され、記録レベル(2mSv)未満であり、問題のないことを確認。
今回の顔面汚染は、当該作業員が現場作業を行ったゴム手袋を交換せず、全面マスクの装着状況を手直しした際に、全面マスク内部に汚染が入り込んだものと推定。
* ホールボディーカウンタ:体内にある放射性物質を体外から測定する放射能測定装置。

※1~4号機原子炉建屋等への地下水流入抑制対策として設置した地下水バイパス設備の地下水バイパス揚水井から一時貯留タンクに汲み上げていた地下水について、一時貯留タンクグループ1から採取した水[採取日5月28日]の当社および第三者機関による詳細分析結果は同等の値であり、共に運用目標値を満足していることを確認したことから、6月8日午前10時、海洋への排水を開始。同日午後4時22分、排水を終了。排水終了後、漏えい等の異常がないことを確認。なお、排水量は1,563m3同日、この際の南放水口付近の海水についてサンプリングを実施し、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

《2号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(6月9日午後4時30分~)

《3号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(6月9日午後4時50分~)

《4号機(平成24年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

《5号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《6号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

《地下水バイパス揚水井の状況》
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。

《焼却工作建屋の水位、焼却工作建屋のサブドレン水の分析結果》
※4月13日、集中廃棄物処理施設4カ所(プロセス主建屋、高温焼却炉建屋、サイトバンカ建屋、焼却工作建屋)のうち、3カ所間において、通常使用していない滞留水移送ラインに設置してある仮設ポンプ(4台)が運転中であり、焼却工作建屋地下1階の全域に滞留水が広がっていることが確認されたことから、常設水位計による常時監視ならびに、焼却工作建屋のサブドレン水の分析を強化中。
<最新の集中廃棄物処理施設各建屋水位>
・焼却建屋:6月10日午前11時1分、回収作業が完了。
・工作建屋:5月16日午前10時30分、回収作業が完了。

<最新のサブドレン水サンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視、および詳細な調査を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
6月9日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、平成25年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
平成25年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。

<最新の地下水移送実績>
平成25年9月7日から1,2号機東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、平成25年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.1-16で高い濃度の全ベータが検出されていることから、平成26年1月29日より当該観測孔近傍に設置した地下水汲み上げ用の孔(No.1-16(P))からの地下水の汲み上げを適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~4号機サブドレン観測井の状況》
※1~4号機建屋に隣接している井戸(サブドレンピット)の浄化試験をした結果、ピット内の溜まり水から放射性物質が検出されており、その流入経路としてフォールアウトの可能性があることから、新たに1~4号機建屋周辺に観測井を設置し、フォールアウトの影響について確認することとしている。

《地下貯水槽の状況》
※平成25年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。

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