新潟で働く私たちの思い
~責任を持って監視することで、皆さまの安心につなげたい

2018/03/23

柏崎刈羽原子力発電所では、福島第一原子力発電所の事故の反省をふまえて、設備の強化・新設に取り組んでいます。今回は発電所の放射線の管理に携わっている社員に、仕事に対する思いを聞いてみました。

福島第一原子力発電所の事故を振り返って

東北地方太平洋沖地震が発生した平成23年3月11日、高校2年生で柏崎にいた私は、学校の体育館に避難しました。その後、テレビで報道される津波や福島第一原子力発電所の事故の様子を現実のこととは思えない気持ちで見ていました。押し寄せる津波、福島第一原子力発電所から煙が出ている様子、水素爆発、すべてが作り物を見ているような感覚でした。その時、頭をよぎったのは平成19年の中越沖地震のことです。もし、あの時大きな津波が来ていたら、私の地元もあのような事態になっていたのではないかと思い、とても他人事ではありませんでした。入社後、先輩から福島の事故当時の話を実際に聞いたとき、改めて今自分にできることは何かを考えなければならないと思いました。

目に見えない放射線の研究

私が大学3年生の時、土壌や水等のサンプルを採取し、どれだけの放射性物質が含まれているかを調べる研究に携わりました。放射線は目に見えず匂いもないため、その場にどの程度あるのかわかりません。難しい問題でした。いるかいないかもわからない、感覚でも理解できない、まさにおばけや幽霊を怖いと思うのと同じ原理です。わからないものに対する恐怖心はどうすれば解消されるのか、当時の研究室で様々な議論を重ねましたが、単純明快な答えは見つかりませんでした。しかし、私は多くの人たちに安心していただくためには、確かな専門知識を持った者が責任を持って管理し、誰にでもわかりやすい情報発信をすることが大切なのではないかと思い、自分の知識を生かせる原子力発電所で仕事をしたいと考えるようになりました。

日々学びながら、改善を重ねる

一昨年、私は東京電力に入社し、希望していた柏崎刈羽原子力発電所に配属されました。小さいころに発電所の見学をしていたので、東京電力に対しては馴染みがあり、震災以降も昔からのイメージが強く、気持ちに変わりはありませんでした。

現在は、発電所や周辺の土壌や水、空気、野菜や魚などのサンプルを採取し、放射性物質を測定・監視することや、測定機器の点検を行う業務に携わっています。学生時代、ベースとなる勉強をしていたといっても、現場の仕事は協力企業の方のほうが詳しく知っており、教えていただくことがたくさんあるため、日々学びながら仕事をしています。きちんと作業工程を理解し、問題がない数値であっても、見落としがないかなど、複数の目で様々な観点から確認しています。測定結果は当社ホームページや県との評価会議などで、定期的に報告を行っていますが、誰にでもわかりやすい情報発信という点では、まだまだ改善の余地があると感じています。私たち一人ひとりが現状に対して、常に疑問を持ち、ひた向きに改善を重ねることが、結果として皆さまの安心に繋がればという思いで、これからも業務に取り組んでいきます。

東京電力ホールディングス株式会社
宮重 侑生(みやしげ ゆうき)

柏崎刈羽原子力発電所 原子力安全センター
放射線安全部 放射線安全グループ
平成28年入社

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