新潟で働く私たちの思い
~積極的なコミュニケーションを通じて、安全への思いを共有し対策を進めていく

2017/07/28

柏崎刈羽原子力発電所では、福島第一原子力発電所の事故の反省をふまえて、設備の強化・新設に取り組んでいます。今回は、発電所の安全対策工事に携わっている社員に、仕事に対する思いを聞いてみました。

私が体験した福島第一原子力発電所事故

福島第一原子力発電所で原子炉メンテナンスを行う部署にいた2011年、東北で大きな地震が起きたことを出張先の広島で知りました。部下から「原子炉を安全に停止できた」と一報を受けホッとしたのも束の間、通信回線がパンクし、現場の情報が取れなくなりました。翌日、何とか東京の本社にたどり着き、燃料が冷やせなくなっていることを知ったとき、これから福島第一はどうなってしまうのか、地域の皆さまや現場の仲間たちは大丈夫かと、大きな不安がこみ上げてきました。

それから数年間、廃炉計画の策定と廃炉に関わる業務に携わるなかで、なぜ事故を起こしてしまったのか、なぜ事故を食い止めることができなかったのかと何度も考えました。

地域の皆さまの視点に立って考え行動する

私は2016年の夏から、柏崎刈羽原子力発電所で安全対策工事の全体を管理する業務に携わることになり、福島第一の事故を教訓に「もう誰にもあのような思いをさせたくない」という気持ちで業務に取り組んできました。しかしながら、当社は発電所の免震重要棟の耐震性に関して、新潟県の皆さまに迅速かつ丁寧なご説明を行うことが出来ず、大変なご心配とご不安をおかけしてしまいました。発電所の取り組みについて、技術的な視点だけではなく、「皆さまはどう感じるだろうか、ご不安はないか」といった考えを持ち、行動できなかったことは、猛省すべき点です。

発電所の抱える課題や問題に対して、「皆さまの安全、安心」という視点で部門の垣根を越えて、積極的にコミュニケーションを取りながら改善策を考えていくことが大切だと改めて痛感しました。

次世代に安全への思いを繋げていく

工事をしっかり進めるには、安全な作業現場であること、そして経験豊富な人たちの知恵や知識を次世代に引き継いでいくことが大切であると思います。私は毎週、若手と一緒に現場を巡回し、「この機器はなぜこのような形状になっているのか」「この工事の目的は何か」など多くの質問を投げかけています。彼らには、あらゆる業務について常に疑問を持ち、わからないことは先輩社員や協力企業の方から自発的に学び、知識を深めていって欲しいと考えています。
発電所の仲間たちと安全への思いを共有しながら安全対策を進めていくために、これからもコミュニケーションを大切にし、自らが率先して行動していきたいと考えています。

東京電力ホールディングス株式会社
山下 理道 (やました のりみち)

柏崎刈羽原子力発電所 第二保全部長 
1993年入社。

肩書は取材当時のものです。(2017年6月撮影)

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