新潟で働く私たちの思い
〜安全対策に新しい視点を。そして、見えてきたもの
2018/09/14
柏崎刈羽原子力発電所では、福島第一原子力発電所の事故の反省から、災害に備えた様々な安全対策に取り組んでいます。そのなかで、電源対策に携わる社員が、自らの取り組みと安全への思いを語ります。
東京電力ホールディングス株式会社 柏崎刈羽原子力発電所
第一保全部電気機器(1・4号)グループ
齋藤 晴樹
2014年入社。入社以来柏崎刈羽原子力発電所に勤務し、電源の安全対策設備の設計業務などを担当。(2017年11月撮影現在)
反省をふまえた緊急時の電源対策
柏崎刈羽原子力発電所では、様々な安全対策で、もしもの時に大きな事故に進展しないように備えています。その中で、私が担当しているのは緊急時の電源対策です。
福島第一原子力発電所の事故では、津波ですべての非常用発電機やバッテリーが使えなくなり、電源を喪失したことで重大な事故に至ってしまいました。その反省から、柏崎刈羽原子力発電所では、非常用の発電機や電源車、バッテリーなどを設置する電源対策を行っています。
まず、事故以前から非常用電源として設置されていたバッテリー(図①)の性能を強化して、蓄電の容量を大幅に増加しました。さらに、津波などで非常用発電機が使えなくなった場合に備え、電源車(図②)やガスタービン発電機車(図③)を高台に分散して配備しています。
電源車は24台あり、緊急時には電源が必要な場所まで出動して電気を供給することができます。
ガスタービン発電機車は、重要機器などに電気を供給することができる大容量の自家発電機です。ガスタービン発電機車から原子炉のある建物などへ直接電気を送ることができるよう専用のケーブルが敷設されています。
若い世代だからできることを。発電所での取り組みと自らの思い
私は、福島第一原子力発電所の事故後に採用が再開してから最初の新入社員です。2014年に入社し、今年で4年目になります。大学ではエネルギーについて学びましたが、学べば学ぶほど、資源をほとんど持たない日本にとって、原子力発電が果たす役割はとても大きいと感じるようになりました。だからこそ、事故後、信頼が失われてしまった原子力発電をもう一度安心して活用できるようにするために、役に立てないかと思い、東京電力に入社しました。
そして、入社以来ずっと、柏崎刈羽原子力発電所に勤務しています。
現在私は、発電機車の耐震補強の設計や、発電機を遠隔操作で起動するための取り組みなどに携わっておりますが、私のような若手社員にも安全対策上の重要な仕事を任せてもらっています。これらの業務では難しい課題を前に悩むことも多いのですが、上司や先輩たちは、私たち若手社員の疑問にいつも耳を傾けてくれますし、解決策を導き出すためにとことん議論に付き合ってくれます。そのおかげで、自分の設計したものを形にすることができ、たいへんやりがいを感じています。先入観や前例にとらわれず、新しい視点で設計や改善を行うことは、私たち若手の役割だと思いますので、難しい課題に対しても積極的に取り組んでいかなければならないと感じています。
また最近特に感じているのは、自分たちと同じ世代の人たちに、発電所の取り組みや原子力発電についてもっと興味を持ってもらえるよう私たち若手社員が積極的に情報発信をしていきたいということです。発電所の安全対策など、技術的なことをお伝えするのは簡単ではありませんが、いいことも悪いことも積極的に情報発信をし、どんどんコミュニケーションできるような関係を築いていきたいと思います。その方法を模索し、さまざまな機会を捉えて情報発信を行うとともに、これからもより高いレベルの安全を目指し、緊急時の電源対策に全力で取り組んでまいります。